見放された世界！黙示録の始まり、現れしは？
神を相手に現れた助っ人は、心強くも同じ神！
人間達は生き残れるのか？
俺は鷹仁…
俺達の前に現れた力強い精鋭…
それは、神！神の転生者達！
今、まさに神と神との戦いの幕が切って落とされた。
「さて、空中の羽付きから何とかしねぇとな？どうするか…」
「ふふ…小さな国の暴風神よ？青いな！こうやるのだよぉ！」
するとエンリルの両手に気流が集まり、組み合わせながら上空に向けて放たれたのだ。気流は空中で次第に威力を増し、竜巻を起こしながら宙にいる羽付きを巻き込んでいく。
「後は任せるぞ？確か…スサンダよ！」
「誰がスサンダだ？俺はスサノオだ！」
スサノオはエンリルの作り上げた竜巻に乗り、空中に飛び上がる。
「どうやら力を反射する力を持っているようだが、俺の草薙の剣はそうはいかないぜ？」
スサノオの草薙の剣から放たれた剣風が、天使達を斬り刻んでいく。
落下していく天使達を見て、
「見事！スサンダよ！だが…」
エンリルの見た方向には水晶から新たに天使達が出現したのである。
凄まじい神圧を持った何かが現れようとしていた。
更に別地区…
「どうやらスサノオ達も上手くやっているようね？」
「では、我等も戦場に出ようぞ！」
アヌの身体が輝くと身体が宙に浮く。
「天使達よ！天空神である我に逆らって、空を汚した罪！ただで済むと思うなよ！」
凄まじい覇気を放ちながら自在に空を移動するアヌは、天使達を追いかけるように飛び回る。
『八咫鏡！』
その様子を見ていたアマテラスは自らの身体から鏡の神具を出現させると、鏡の中から剣と盾が出現する。そして剣と盾を交差させると、
「逝くわよ！太陽光線！」
アヌから逃げていた天使達に向かって、地上からアマテラスから発射された強烈な太陽光線が焼き尽くしていった。
もう一方の地区では？
水神エアと月神・月読
「そろそろ私達も行きますかね～？面倒臭いのですけどね～」
「………」
「どうしました？」
「いやね…貴方、嘘をつくのが上手いと思いましてね…信じて良いのか悩んでいるんですよ？」
「どういう意味ですか？」
「いえ、ただの心配性なんで…気にしないで下さいな？」
「心外ですねぇ～」
二人は無言になり、天使に向かって行く。
(やりずらい人ですね…)
月読から勾玉が出現し無数に分かれ、それを自在に操りながら天使達を狙う。
(裏のある人は顔で笑っていても、その奥に潜む闇までは消せないもんなんですよね…残念ながら…)
エアはこれ以上、月読にかかわる事はなかった。
後に、この月読が新たな混乱を招く事になるとは誰も思わなかっただろう…
エアは月読に違和感を感じつつも、天使達に向かって攻撃を放つ。
それは圧縮させた水流…
その威力は天使達を貫くと膨張し、飲み込みつつ消滅させた。
神の転生者達の加勢に、人間達は天使達に対して互角に戦っていく。
その様子を日本国で戦いの状況を見ているのは修羅姫。
「あの天使達に対抗するためには、あの二組の連携が一番の戦略だ！死んでいった奴達には悪いが、ギリギリまで様子を見ていたのが上手くいったな…」
だが…
不穏な空気が流れる地区が一カ所あった。
敵か味方か？
現れた巨人サイズの天使達を、いとも簡単に消滅させていくカミシニと呼ばれる者達。
その圧倒的な力は、その場にいた十二使徒達にとって恐怖にしか感じなかった。
何故なら自分達が今まで信仰していた神を、目の前で殺されているのだから…
その時、十二使徒の一人であるヤコブが、カミシニのメンバーの一人を見て気付く。
「まさか…あいつ？」
「どうした？ヤコブ？」
「いや、あの…あそこにいる赤い髪の男！」
ヤコブが指差した男はカミシニのメンバーで、崖上にいる赤い髪の男だった。
「あの男がどうした？ん？あっ！」
ペテロもヤコブの言っている意味を理解した。
「あいつは…」
すると赤い髪の男は、ペテロ達に気付いたのである。
『ふん！さっきから邪魔な奴達がちらほらしているから見て見れば…』
男はニヤニヤしながら十二使徒達を指差して
『昔の同僚さん達じゃねぇか？』
どうやら、ペテロ達とこのカミシニの男は何かしらの知り合いらしい…
『お前達も転生したんだな？ペテロさんよ！』
ペテロは赤い髪の男に向かって怒りが込み上げる。
「き…貴様…まさか？まさか…まさか！」
『イスカリオテのユダか？』
赤い髪の男はペテロを見下ろしつつ答えた。
『ユダか…かつての俺の名前か？だが、名前なんてのは俺には無用…俺の名前はデッドマン！死なずのデッドマンだよ！』
デッドマンは飛び降りるとペテロに向かって斬りかかる。
咄嗟にペテロを守るように陣形を取る十二使徒達…
『オセェヨ！』
デッドマンは持っていた大剣で、使徒の二人を持っていた大型の十字剣を弾き返す。
同時に他の使徒が背後からデッドマンの身体を十字剣で突き刺すも、その噴き出した血が逆に使徒達に纏わり付き絞め殺したのだ。
「馬鹿な…！」
「ふん！弱いな？相変わらずよ！」
そこに、もう一人…
カミシニのリーダーである男がやって来たのである。
『いつまで遊んでいるのだ？デッドマン！』
その男の姿を見たペテロは更に驚愕する。
「まさか！！貴様までもいたのか？…私達の愛する救世主様を、その手で直接殺した張本人…」
『ロンギヌス！』
ペテロは激情し手にした十字剣を握り、その男に向かって特攻をかけたのだ。
「お前だけは許せぬ。生かしては置けぬ！我が主！イエス様の仇！」
が、ペテロの十字剣は地面に落ちる？
自分自身の手首とともに。
血が噴き出し、悲鳴をあげるペテロ。
その手首を斬り落としたのは、黒い大鎌を持ったタキシード姿の青年だった。
「転生！余計な真似はしなくて良い！」
「申し訳ございません！アライヴ様…」
転生と呼ばれたタキシード姿の若者は鎌を引き、アライヴと呼ぶリーダーの男に頭を下げる。
アライヴは、ペテロに近付き…
『私がイエスを殺しただと？ふざけるな…』
普段、冷静で感情を露にしないリーダーの口調に違和感を感じた他のカミシニメンバーは、その場で畏怖した。
『ふっ…良いだろう…その汚名と共に私はあの日、闇に落ちた…
私は救世主を殺した。神を殺した！今さら怖れるモノは何もないのだ』
アライヴの突き出した槍がペテロの胸を突き刺す。
「お、おのれぇ！」
そのまま悶えながらアライヴの顔を睨みつつ息絶えるペテロ…
『さぁ！再び神を狩ろう！私達の気のすむまでな！アハハハハハハ！』
アライヴの高笑いが戦地を凍り付かせていく。
その様子を遠く離れた日本より見ていた修羅姫は…
「どうやら、面倒な奴達が入り込んだようだな…」
カミシニの存在に、修羅姫は困惑していた。
幾万とも言える結解の中を、いとも簡単に入り込んで来た異端者だったから。
「じゃが、奴達の他にもまだ、何か嫌な気配を感じる…」
修羅姫の予感はその後、直ぐに知る事になったのである。
「ぜぇぜぇ…」
小角の掌から放たれた冷気が、羽付きの天使を凍らせていく。
『フンヌオオオ！』
凍り付き崩れ落ちる天使を見下ろし、小角は何とか天使を倒す事に成功した。
「天使よ！これが人間の底力よぉ！」
俺は張り巡らせていた罠を発動させつつ、他の天使達の動きを止めていく。
この罠は神魔に有効らしいな？
天使の身動きを止めた後、俺は至近距離から天使の顔にライフルを撃った。
嫌なもんだ…神殺しとはよ？だが、これなら勝てる！
そう思った時だった。
俺達の前に、更なる脅威が現れたのは！
水晶が更に強烈に光り輝き、そこから新たな天使が現れたのだ。
その天使から放たれる神々しさは、今まで俺達が戦っていた天使達とは比べものにならなかった。そう…格の違いと言うべきか？
凄まじい神気の中から現れたのは、長い金髪に甲冑を纏い右手に聖剣、左手に魂の秤を手にした美しき容貌の天使が、凛然たる姿でそこに存在した。
その天使は言った…
『神はお前達人間を見放した！
今や人間は、この世界を蝕む異物(悪魔)に過ぎぬと…
我は、神の御使い天使長ミカエル！』
ミカエル？
あの旧訳聖書の黙示録に描かれた四大天使のか？？
『さぁ！抗う事は許さぬ！今こそ、黙示録の時は来たのだ！』
次回予告
三蔵「なにぃいいい？？俺達の敵は神様って、旧約聖書で有名なミカエルなのか？？
俺でも名前くらい知っているから超有名じゃないか？」
三千院「・・・・・・」
三蔵「それに、カミシニの連中も現れてどうなるんだよ？」
大徳「それを今、話しているんだろ？黙って、席につけ！」
三蔵「あっ・・・おう」
三千院「次の話の前に転生記を先に読む事を薦める」
って、宣伝かよ！！
