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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
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集結する戦士達!

クリムゾン・ホークは修羅姫との契約を受け入れる。


それは、彼の運命を大いに変える事になる。



俺はクリムゾン・ホークと呼ばれる霊能者専属の暗殺者…


の、はずなのだが…


知らぬ間に俺は暗殺対象だったはずの座主[修羅姫]の下で、役行者[小角]と空海と一緒に組織をまとめる幹部となっていた。


全く不思議なものだ…


座主の命を狙いに来てミイラ取りがミイラとは…


しかも、俺と座主との間には子供まで…


全く…世の中分からんな?






その日、座主のいる隠れ里には様々な『力』を持った者達が集まって来ていた。

それは、西暦2000年に起きるであろう終末の日を回避するため。


それにしても声も出せない…


日本だけでなく、様々な宗派の者達…


インドに中国…白人から黒人…民族もバラバラだった。

服装だけ見てると、オリンピックや祭りでも始まるのではないかと思える豪華さだ。


俺も裏世界で暗殺を生業としていたから解る。

此処に来た者達はそれだけで並の能力者でない事。


その中でも…


中国やインドを拠点に聖獣の力を武器に宿し戦う一族の『聖獣族』


西洋ではバチカン(カトリック)の錬金術エクソシスト『最高の十二使徒』と呼ばれる転生者達…


法術師、退魔師、魔法使い、錬金術師、聖獣使い、エクソシスト、エスパーから異種能力者、転生者…そんな得体の知れない強者の能力者達が世界を救うであろう座主のもとに集って来ているのだから圧巻である。

今、この場にいるのは主要な人物に違いないが、この者達の配下を合わせれば十数万以上の猛者が揃う。だが、俺達が戦うのは世界を滅ぼす未曾有の相手!


実際に起きるのかも解らない非現実的な危機…


戦争?核ミサイル?


噂だと魔物の大群が現れるとか?


黙示録の魔王とか?ハリウッド映画のような展開が起きるのか?


解らない…


だが、これだけの能力者がこぞって危機を感じているのだから、何かしら起きるのは間違いないであろう…



『ふざけるな!』


ん?どうやら、何かしら揉め事が始まったようだな?


それはそうだ…いくら世界のために集まったからと言って、今まで相容れない関係の宗派が揃っているのだからな…


揉めていたのは、先程の『聖獣族』と『最高の十一使徒』達だった。



「ふざけるな!俺達を魔物扱いするとは愚弄であろう!」


白虎の装束を纏う戦士が怒鳴っていた。


「これは申し訳ない?ただ、黙示録の悪魔の襲来であるなら、貴殿の扱う魔物が和解に使えるのではないかと言っただけだが?」


最高の十一使徒のペテロは見下ろすように語る。



「それが愚弄と言っているのだ!和解だと?悪魔の襲来かどうかは解らぬが、悪魔に怖じけたか?西洋の者よ!力なき臆病者はこの場から去れ!」


「それは聞き捨てならない…私達が臆病者と?私達が力ない者だと?争いは好まぬが、少し貴殿を調教してやろう!」


「やるかぁ!西洋人!」



二人が戦闘体勢に入ると他の連中も囲むように観戦し始める。


やれやれ…仕方ない立場上止めるか?


その時、俺の脳に直接声が聞こえて来たのだ。



《面白いではないか?やらせてやれ!》



間違いない修羅姫の奴だ…


何処かで見ているな?


いつもの悪い癖だ。

奴らの喧嘩を楽しんでいるな?



すると、ペテロと白虎から凄まじい能力が発動する!


ちなみにペテロは最高の十一使徒のリーダー格の青年で、白虎は聖獣族の中でも貴重種の四聖獣の力を手に入れた猛者だ。

裏世界ではかなり有名である事は俺も知っていた。



『我が魂の契約よりその力を貸すのだ!四聖獣白虎よ!』



男の頭上に白虎と呼ばれる獣が現れたかと思うと、男の振り上げた腕に集約していく。

次第にそれは武器の形へと変化する。


『白虎の雷剣!』



対して…



『精霊の御名において…』



左手に聖書、右手に十字架を持ち聖書を唱える。

すると聖書が光り輝き、光がペテロを包み込む。



『神の加護を纏い…神の剣を手に…』



ペテロは懐により取り出した聖水を十字架にかけると、それは十字の大剣へと形が変わっていく。



『クロスソード!』




二人は己の剣を手に突進する。

が、二人の剣が交差するその直前に!



『俺も入れろや!草薙の剣!』



突然、剣を手にしたグラサン男が二人の激突の中に割って入ったのである。

凄まじい三つの力が交差し、辺り一帯の壁にヒビが入る…

この社一帯には強力な結解と防御壁で守られているはずなのに壁に亀裂が入るとは?それだけ、三人の力が凄まじいと言う訳なのだが…



と、そこに女の声が響き渡る。



『面白い余興だと言うのに、邪魔をすんなよなぁ~』



突如入って来た女…


三人の激突を目の当たりにしていた者達だけでなく、当事者の三人ですら、その存在感に目を奪われたのだ。


座主…


『神を導きし救世主』



その場にいた全ての猛者が唾を飲み込み、その現れた女…いや?救世主の存在に萎縮する。


座主(修羅姫)は笑いながら、そこにいた連中を見下ろしつつ…



「せっかくの余興を台無しにするなよ?スサノオよ?」



修羅姫が言葉をかけたのは、二人の激突の中に割って入った男だった。

この男は裏世界ではトップクラスで超有名な存在であった…


スサノオ…


八百万の神ヤオヨローズと呼ばれる神の転生者のリーダー。



「フン!調度暇だったからな~少し遊んでみただけだ」



スサノオの背後から別の二人の転生者が近付いて来た。


アマテラスと月読…


スサノオと同レベルの神の転生者だ。


「貴様!遊びだと?」


「俺はいつでも相手になるぜ?」


「クッ!」



流石の白虎も、スサノオの持つ迫力に剣を納めた。



「ふっ…この地の神の転生者ですか…」



ペテロもまた剣を納めると身を引き、戻っていく。



「スサノオ!久しぶりだ!更に腕を磨いたようだな?ビシビシと貴様の強さが伝わってくるぞ!また、喧嘩したくてウズウズするわ!」


「フン!女相手に殴り合いはもうごめんだ!」



二人は笑いあっていた。



神の転生者であるスサノオを相手に対等に話す座主の姿を見ていた集まりし者達は、改めて座主のカリスマ性を実感した。


そして、座主を筆頭に迫る終末の時についての話が始まったのだ。



先ずはぺテロがバチカンの教皇により預かりし聖書を修羅姫に献上し、それを手に取った途端、異様なオーラを纏った本へと変わっていく。



『魔眼!』


座主の眼が光り輝く…



『さぁ!未来を映し出せ!ネクロノミコンよ!』



ネクロノミコンとは旧世界の産物と呼ばれる呪われた魔本であり、それを読んだ者は一時の間世界中全ての英知を手に入れると同時に、間もなく精神を崩壊すると言われているのだ。


だが、座主はその魔眼の力を持って呪いを受けずに未来を予知出来るのである。


すると座主に見えた映像が、そのままその場にいた俺達の頭の中に映像として入って来る。

確かに余計な説明もごまかしもいらない、手っ取り早い手段ではあるが…


そこで俺達が見たのは?






西暦2000年…


確かに…


何かが起きた未来…



全ての人間が消え去り『時』が止まった世界?


それは突然、何の前触れもなく起きた…


世界中の各地12ヶ所で突如空間が歪み、不吉な何かが現れる未来が?


そこで映像は途絶えた。




俺達は一時無言になった後、一人一人頷く。


我々が争っていては未来が無くなる…


我々が真に戦うは未来に起きる災い!!


座主を筆頭に…


ここに同盟を誓う事が連合軍が結成されたのだ。




世界を救うために…


『神を導きし救世主』の下に集う戦士として!




その後、来たる日までに我々が行う事は未知の戦いに向けた準備である。

より高みに上がるための修練…

そして、新たに力を持つ者達の発掘と導き。

対策には余念なく、考えられる事全てを用意する。


生き残るために、大切な者を未来を守るために!

それに必要な力を手に入れる。








その晩…


俺は修羅姫の寝室にいた。

俺の腕の上で、修羅姫が寝息を立てていた。


全く…この女は本当にとんでもない女だ…

寝ている時は普通の女と変わりないと言うのに…

世界の未来の明暗を分ける戦いの中心人物なのだからな…



そんな女が、俺の女とは…


複雑な心境だ…


すると、いつの間にか修羅姫の奴が起きて俺を見ていた。


「どうした?臆したか?鷹仁」



鷹仁とは俺の名だ…


修羅姫の奴が、俺の通り名である『クリムゾン・ホーク』と呼ばれるカタカナ名は面倒だと、代わりに名付けたのだ。


「フン!俺はお前と違って化け物じみた力は持ち合わせてはいないからな!」


「ふふふ…今日来ていた者達は、現在地球上でも指折りの屈強な戦士達だ!だがな、死相が出ていた!出ていた!アハハ!皆、死相だらけだった!」



こいつ、狂ったか?



「恐らく生き残れるのは、あそこにいた者達の一割弱。ふふふ…お前はその一割の中に残れるかな?」



俺は唾を飲み込んだ…



「だが、あの者達の死は無駄にはならない!未来を繋ぐために必要な犠牲なのだからな!そのためにも…」


『私が未来を掴みとってやるわ!アハハハハハ!』



修羅姫…


掴み所のない女だが…


こいつなら、やってくれると信じられる。





そのための犠牲になら俺は構わずなってやる!


正直、地球の命運なんかどうでもよい…


俺はただ、この女を見ていたいだけなのだ…


世界の救世主である、この女の生き様をな!







それから間もなく…


修羅姫の身に、予想だにしなかった事態が起きた。


次回予告


三蔵「スサノオの奴?こんな戦いに参加していたんだな?」


大徳「その時の縁で俺達もヤオヨローズとカミシニの戦いに加わったのだ」


三蔵「らしいな?マジに世の中狭いぜ!」


蛇塚「なあ?そのスサノオって、そんなに強いのか?」


三蔵「俺が知る限り、最強クラスだな!」


蛇塚「マジか?」


三蔵「スサノオ、今頃何処で何をしているんだろうな~」


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