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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
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羽ばたく聖なる翼!美麗・孔雀明王降臨!

闇に飲み込まれた蛇塚と詩織。


その時、卑弥呼が禁断の力に手を出したのだ。


俺は蛇塚軍斗…


俺は大蛇の王と化した光児により祭壇の下の闇へと詩織が放り落とされた。

俺は健二の協力もあって詩織を追って同じく闇の中へと飛び降りたのだ。


そこで俺は化け物へと豹変した詩織に襲われ、詩織共々闇に飲まれてしまった。

同時に祭壇にあった結解が消えた事により、自由を得た巨大な眼の正体である闇の主は地底より渦を巻き祭壇へと向かって這い上がっていく。


闇は意志を持っていた。


闇を纏い渦を巻き、その頭部には邪悪なる目が妖しく光っていた。




同時刻、祭壇の上では大蛇の王と化した光児と、三人の僧侶が再び交戦していた。


「何だ!?この邪悪なる気は!」


「祭壇の下からだ!」


「皆!気をつけろ!洞窟が崩れ落ちるぞ!」




洞窟は闇から現れた者から発っせられる妖気に耐えられずに崩れ始めたのだ。


「やむを得ん!」



赤髪の男は掌に神気を集中させると気は弓の形状となる。

更に左手にも同じく一本の矢を造り出すと天井に向けて射ったのだ。

矢は洞窟の天井に命中すると強烈な閃光を放ち、天井が崩壊し外界の光がさす。



「今よりこの場から離脱する!バサラは空海殿を!」


「…ああ!空海もだが、座主様は?」


「心配するな!先程から念を送り状況は把握している」



三人は印を結ぶと光が身体を包み込み、宙に浮かび上がっていく。



「何かが洞窟の地下から出て来るぞ!」



その場にいた者は崩壊する洞窟の中で、最後に光児が言っていた事を思い出していた。

光児は闇から現れた化け物が、目の前に姿を現したと同時に叫んだのだ。



『贄は気にいったか?今、ようやく…長きにわたる時と闇の牢より目覚めん!我は貴様なり!貴様は我なり!我達は一体なり!』




すると地下の闇より現れた化け物は口を開くと、そのまま光児を飲み込んだのだ。

化け物は見る見る黒いオーラに包まれていく。

すると、その額に喰われたはずの光児の姿[上半身]が現れる。

そしてついに男達の前にその真の大蛇の王の全貌を現したのだ。


「ウゴォオオオオオオ!」


闇を纏った化け物はより醜悪かつ凶悪な姿へと変貌していく。

頭部は枝分かれしていき、三つの頭に、三組の牙、六つの目を持つ。

身体は漆黒の鱗で覆われた巨大な竜のような大蛇の化け物へと。



『ふふふ…ふははははは!我は今こそ蘇ったぞ!我が名は大蛇の王…アジ・ダハーカ!』




その姿を目の当たりにした者達は驚愕していた。

最も、恐れていた事が起きてしまったと…



「怯むな!我々はこの化け物…いや、蛇神を葬りに来たのであろう!」


「私も及ばずながら!」


「身体は大丈夫なのか?空海殿」


「座主様の治癒術で動ける程度だが、そうも言ってはいられぬであろう?」




空海さんも印を結び宙に浮かんでいた。


てか、簡単に人って飛ぶんだなぁ~


目の前に現れた化け物は闇に覆われた大蛇。

その巨大さは島の中央にあった蛇神山を飲み込み、蛇神島を覆う程の化け物へとなっていく。


名をアジ・ダハーカ…



かつて、ゾロアスター教の悪魔王アーリマンの息子とも言われ、不死身の大蛇竜の化け物と伝えられている神話上の大魔王。

すると、アジ・ダハーカの身体から闇に覆われた触手が伸びて来て、宙に浮かぶ赤髪達に向かって襲い掛かる。


四人は触手を躱しつつ攻撃を仕掛ける。


大威徳明王と化した大男が掌より金の錫杖を構成し触手を叩き潰し、更に神気を籠めた拳で触手を殴り付けたのだ。触手は強烈な衝撃を受けて内部爆発を起こす。

まさに破壊力抜群の攻撃力であったのだが、


「油断するな!」



アジ・ダハーカの触手の傷口から、無数のトカゲや蛇が飛び出して来たのだ。


「ウグオオオ!」


埋め尽くすように大男に群がる蛇から救い出そうと金剛夜叉明王と化した銀髪が助けに入ろうとするが、そこに既に再生した触手と無数の大蠍が向かって来た。

手にした短刀で次々と大蠍を斬り裂いて行くが、害虫は更に増殖し、アジダ・ハーカの身体より噴き出す漆黒の障気が空を埋め尽くしていく。


「クッ…きりがない!」


そこに、空高くより紅い閃光の如き矢が雨のように降り注ぎ、目の前の大蠍や蛇達を貫き消滅させていったのだ。



『毒切清除!』

※ドクサイセイジ



それは降三世明王と化した赤髪の放った矢だった。

助かった大男と銀髪は赤髪の男に背中を合わせ構える。



「助かったぞ…」


「しかし、どうする?あの巨大化は尋常じゃない!まるで山のようだ…」


「奴の身体に傷をつけても、そこから蛇や害虫がうようよと現れるのだから成す術無しか?」


赤髪の男は二人に指示する。


「策はある!先程私が放った矢を受けた化け物達は再生して来ていないようだ」




空海さんもまた結解を張りながら三人を援護する。


「なるほど!物理攻撃ではなく、浄化の力を籠めた攻撃なら通用する訳ですな?」




四人は掌に浄化の気を籠めて、アジ・ダハーカに向けて放つ。

強烈な閃光が放たれるもアジ・ダハーカの見上げる程の巨大な闇に光が飲み込まれていき、次第に辺り一面の空が障気に覆われていく。



「何て巨大な闇!」


「力を放出し続けろ!闇に飲み込まれるぞ!」


「くぅ…まるで雪崩か荒波だ!」


「ぐぅおおおお!」




空だけじゃない?

既に視界全てが闇に飲まれていた。

四人は闇に飲み込まれていく。

一切の光が消えて全ての希望が消えかけた時、地上の奥より、聖なる力の波動が伝わって来たのだ。その光は、地上の闇の奥から上空に向けて上昇して来た。

光は閃光の柱となって空高くにまで昇っていく。


すると天高くから声が聞こえて来たのだ。




『まだ諦めてはいけません!希望の光は残っています!』



それは間違いなく座主[卑弥呼様]の声であった。


そして真言が唱えられる…


『オン・マユラ・キランデイ・ソワカァー!』




すると、空から強烈な閃光が放たれ輝きを見せたかと思うと、浄化の光が射して来たのだ。


更に光は空を覆い広がっていく…


まるで巨鳥が翼を広げ闇を覆い包むかのように?


それはエメラルドグリーンの光だった。


見ると、上空に巨大な翼が広がり、そこから何かが降って来たのだ?


それは光の羽根?


降って来た羽根に触れた闇の害虫は浄化され消えていく。


まさに浄化の羽根…


卑弥呼様の放つ浄化の光より闇より抜け出した四人は、空を見上げ、その美しさに目を奪われていた。


空に羽ばたく…まるで、巨鳥。

孔雀の翼を広げた華麗なる姿に目を奪われる。


そして、その中心には…



『あの方が現れるまで、この世界はお前達闇のモノに明け渡したりはさせません!』



明王の神衣と鎧の姿の…


座主こと卑弥呼さんがいた!



『全ての恐怖や災い蛇神の毒をも取り除き、天変地異をも止める最古の明王!


孔雀明王よ!一刻の契約のもと、今こそ私にその力を貸し与えよ!』



今…


大地には、闇に覆われた巨大なる大蛇の王…アジダ・ハーカ!


上空には、卑弥呼様が化身した光り輝く孔雀の翼を広げた明王・孔雀明王が!


ここに光と闇の戦いが繰り広げられようとしていたのだ。





おっと?


場所は変わりここは再び闇の中…

闇に飲み込まれたはずの俺と詩織には、まだ、意識があった。


生きてるのか?


俺は闇の中で詩織と引き裂かれてしまい、手触りで詩織を探していた。



(クソォ!二度と手放しちゃいけないはずだったのに!クソォ!クソォ!)


『!!』


そこで俺が目にしたのは闇の中で輝く一点の光だった。

しかもそこには、間違いない…


「しぃおりぃー!」


俺はその光に向かって行こうとすると、光は俺を遮るかのように突き離し吹き飛ばされたのだ。



「うわああああああ!」



俺は吹き飛ばされ、傷付きながらも幾度と光に向かって行った。


既に痛みなんかなかった…


俺は立っている事も奇跡的な状態で、身体を這いずらせ、くねらせながらも光に向かっていく。


ヘッ…


まるで、俺の方が蛇みたいじゃんかよ…


俺は光ある場所に腕を伸ばした。

だが、俺はそこで目の前の光の中に、詩織だけでなく、その隣に別の誰かが立っている事に気付いたのだ。


そいつは俺を見下ろしていた。


まるで、俺を見定めているかのように…


何を見定めてるか解らないが、関係ねぇ…




『詩織を返せぇー!詩織は!詩織は俺が守るんだぁー!』



俺の叫びが闇の中にこだまし、やがて消えていった。


次回予告


蛇塚「卑弥呼さまぁ~~!!サイコ~~!!」


三蔵「もう、ただの追っかけだぞ?」


蛇塚「だまらっしゃい!それより、次の話は俺の可愛い詩織が!」


三蔵「シスコンか!!」


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