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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
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闇に潜む真の蛇神の復活と、希望の光明!!

闇の空間に落とされた詩織を追って、飛び降りた蛇塚の運命は?

俺は蛇塚軍斗…


俺は大蛇の王と化した光児により祭壇の下の闇へと詩織が放り落とされた。

俺は健二の協力もあって詩織を追って同じく闇の中へと飛び降りたのだ。




同時刻。


座主である綺麗な女子さんは闇の中へと詩織を追って飛び降りた俺の背中から未来のビジョンを見ていた。


《あの方は!?いけない!彼を死なせてはいけません!》



それに察した空海さんは自分の事は大丈夫だと頷くと、座主の女子さんは自分の道を塞ぐ健二の身動きを止め、『必ず俺を救う』と言い残し、俺の飛び降りた方向に向かって同じく飛び降りたのだ。



俺が祭壇より飛び降りた場所は異空間の闇。


右も左も暗闇だけ…


そこは上も下もない…


平衡感覚すら?


ただ、落下しているような感覚と浮かんでいるような感覚。

更に闇の持つ底知れぬ恐怖が俺を襲っていた。

だが、奇跡的にも俺は暗闇の中で落下していく詩織の姿を見つける事が出来たのだ。



「しぃおりーー!!」




俺は詩織の名を呼んで腕を伸ばす。


後、少し…後、少しで届く!


兄ちゃんが、お前を絶対に救ってやるからな!


俺の指先が詩織に届こうとした時、詩織の指が微かに動いたのを俺は見過ごさなかった。



詩織?


俺は少し安堵した。


祭壇の上に寝かされていた時から、ピクリとも動かなかったから…


もしかしたら、もう詩織は死んでいるのかとも思っていたんだ。


伸ばした腕が!指が詩織に触れようとした直後、突然、詩織の目が見開かれ、同時に身体が痙攣し、裂けるように服が破れる。


『!!』


詩織の姿が、俺の目の前で下半身が大蛇の半人半蛇の化け物へと変わったのだ。


あの姿は!


あれは間違いなく、かつて俺が幼少の時に、詩織を探し病院に行った時に見た記憶の中の化け物と同じ姿であった。


やはり、詩織…お前は…化け物だったのか?

あの日見たお前は見間違いじゃなかったんだな?


化け物と変貌した詩織は俺に気付くと、大蛇の下半身と化した尾で絡み付いて来た。

全身を締め付けられ、俺は身動き出来なくなる。

そして、詩織の口が裂けるように開き、俺の喉元目掛けて噛み付いたのだ。

喉から血が噴き出し、俺は意識がすっ飛びそうになる。


だけど、俺は不思議と冷静で、これで良かったのだと思っていたんだ…



「ごめんな?助けてやれなくて・・・」


せめて…詩織…このまま二人で…


俺はこのまま詩織と終わる事を望んだ。

そんな時、薄れゆく意識の中で俺は、俺達を追って来た綺麗な女子さんの姿を見たのだ…


綺麗な女子さんはやむを得ないと掌に気を籠める。

多分、あれ…漫画なんかでよく見る掌から気を放つ技かなんかだよな?


俺は有りったけの力を振り絞って、お姉さんに向かって腕を伸ばし…


『来ないでくれ!』と、止めた。


そして、その腕で化け物と化した詩織を抱きしめ、逆に詩織を抑えこむ。

すると突然、俺に噛み付いていたはずの詩織が苦しみ出したのだ?


そうだ…


俺の血は…大蛇の化け物に対しては毒なんだ!

苦しみもがく詩織を抱きしめて、俺は…



「詩織…兄ちゃんが一緒に逝ってやるよ…お兄ちゃんが一緒なら、寂しくないだろ?

なぁ…詩織?」



そこで俺は意識が無くなり、それと同時に俺と詩織は地底深くから迫る闇に飲み込まれた。


その直後!!


この闇の空間に異変が起きた。

闇が渦を巻きながら上空へと昇っていき、その渦の中から巨大なナニかが姿を現した。


それは!?


闇に巣食っていた巨大な大蛇?


こいつは、闇の奥からずっとこちらを見ていた『目』の持ち主に違いない…

光治は、闇の中より這い上がって来た化け物が自分の目の前に姿を現したと同時に叫んだのだ。



『贄は気にいったか?今、ようやく…長きにわたる時の牢より目覚めん!我は貴様なり!貴様は我なり!我達は一体なり!』




すると、地の底より現れた化け物はそのまま光児を飲み込んだのだ。

化け物は見る見る黒いオーラに包まれながら、その額に光児の姿が現れる…



『ふふふ…ふははははは!我は今こそ蘇ったぞ!我が名は大蛇の王…アジ・ダハーカ!』



闇を纏った化け物は、より醜悪かつ凶悪な姿へと変貌していく。

頭部は枝分かれしていき…


三つの頭に、三組の牙、六つの目を持つ身体は漆黒の鱗で覆われた巨大な竜のような大蛇の化け物へと変わっていった。



同時に洞窟が崩れ落ち闇が辺り一帯を浸蝕していく。


「そ…そんな…」



その光景を見ていた三人の神へと変化した男達は驚愕していた。

最も、恐れていた事が起きてしまった。

止めるべき大蛇の王が世に放たれたのだと。


そして…


俺と詩織を追って、闇の中に飛び込んで来ていた綺麗な女子さんもまた…


綺麗な女子さん?


もう、名前を隠す必要ないよな?



この人は、この世界に蔓延る魑魅魍魎・魔物・神魔と呼ばれるモノから、この世の秩序を守るために結成された密教組織の最高責任者!


『座主』


また、この地球の未来を見通せる唯一の巫女であるから、『星と時の巫女』とも呼ばれている。

その名を『卑弥呼』と、言った。



卑弥呼様は大蛇の王の復活に、ついにその力を見せる。

卑弥呼様は指を重ねて印を結んだ後、瞳を綴じ、再び見開かれた瞳の色は?

『地球』が写っていたのだ。


『星の魔眼』


卑弥呼様の瞳から放たれた星の光が掌に集まっていくと、失ったはずの物が現れた。


それは…


空海さんが『切り札』と隠し持ち、義手の中に封印していた巻物?

だが、それは裏切り者の霧谷によって消滅させられたはず?

卑弥呼様の持つ『地球の魔眼』とは、地球の記憶にあったモノを時を越えて呼び出す事が出来る能力。この能力のリスクについては、いずれ語られるだろうから省かせてもらおう。


そう!リスクと言えば…


この巻物の中にある『力』にも、確か命を失うリスクがあったはず?



にも拘わらず卑弥呼様は躊躇する事なく、その力を解放させたのだ。

右手で巻物の端を一気に開き、その中に記された真言を唱える。



『巨大なる蛇神をも打ち砕く古代最古の明王よ!


我と一つとなりて、その力を貸し与えよ!』




卑弥呼様の言葉にこたえるかのように、


闇の中から光が?


光明が…闇を照らしていく!





『オン・マユラ・キランディ・ソワカ!』



次回予告


蛇塚「うおおおおおおおおおおおおお!

次話は卑弥呼様のお美しく華麗な御姿を拝めるぞ~!

卑弥呼様最高!卑弥呼様女神様!もう俺、死んでも良いぜ~」



三蔵「死ぬなよ・・・」


蛇塚「お前!!失礼だろ?正座して裸待機しやがれ!!」


三蔵「・・・お前、目が怖いから」

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