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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
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危険

蛇塚の危機に現れたのは、崖から落下した時に助けた謎の僧侶の大男と銀髪の男であった。


俺は蛇塚軍斗…


俺は自分を助けてくれた修行僧の姿した連中の一人である銀髪の男と、この蛇神島で起きた異変と秘密が解ると言う病院の前にいた。



しかし、この男何も喋らない…


無口…無言…何を考えているのか?

さっぱりわからね~!

コミュニケーション能力ないのか?

コラァ!


と、心の中でツッコミながら、恐らく喧嘩しても敵わないだろうから黙って着いて行く。

よく見れば、銀髪以外に目の色が左右違くないか?

あれか?カラコンか?

さっきから無性にイライラする理由が解ったぞ?

俺はイケメンが好きになれねぇんだ!


俺達は病院の敷地内に入ると、その銀髪の男は俺に止まるように指で合図する。



「なんだよ?入るんだろ?」


「…………」



すると、病院の入り口から蛇の頭をした化け物が四人(四体?)出て来たのだ。


「くっ!まだ残っている奴がいたのかよ!」



俺は腰にかけていた包丁を手にし、握りしめる。

また、この手で殺めるしかないのか?

すると銀髪の男が俺の目の前から消えたのだ?

同時に化け物達が音もなく倒れていく?


一体…何が?


見ると、蛇頭の化け物達は喉元を切り裂かれていたのだ?

そして銀髪の手には黒い刃の短刀が握られていた?


この銀髪イケメンが…やったのか?…あの一瞬で?


「さぁ…先に行くぞ!」



平然とそう言って先を急ぐ銀髪の男に俺は、


「ああ…」


素直に言う事を聞き、着いて行く。


病院の中は荒れに荒れていた。

壁には穴があり、蜘蛛の巣が張り、床は泥にまみれていた。


詩織の入院していた病院に毎日行き来していた俺が言うのだから間違いない!

衛生管理とか何処にもない。

ここは、よもや病院とは言えない廃墟だ。


また蛇頭の化け物が出て来るかもしれないし、俺は恐る恐る病室を一部屋一部屋覗きこむ。

白いシーツが敷かれたベットが三つ並んでいるくらいで、他に問題は…


「あっ!」



すると銀髪の男が俺の胸を突き倒したのだ?

俺はベットに俯せになった状態で上から毛布をかけられる。

って?これって?



(オッ!犯される!!)



この銀髪の男!女みたいに綺麗な顔付きとは思ってはいたが、

だからって…そっちの人だったのか!?

銀髪は毛布の上から俺の口をふさいだ。

逆らえないのは解るが、今、逆らわないと、大切な何かを失う~

と、暴れる俺に、


「静かにしろ!そのままの状態でいるんだ!」


(まっ!待て!今はそんな場合じゃ…いや、後にも先にも…良くないだろ?それに俺は未成年…いや、男同士だから…エッ?いや…あああ…!)



パニック同然の俺に銀髪の男は冷静に答える。



「少々、厄介なのがいるみたいだ。奴達は俺が引き付ける。お前は俺が消えた後に先に進むんだ!良いな?」



俺は毛布ごしに口を塞がれながら頷いた。


暫くして銀髪の男の気配が消えていく。

それと同時に数人の足音が銀髪の出て行った後へ追っていった。

俺は毛布に包まりながら身を潜め、誰の気配もしなくなったのを確かめた後、先を進んだのだ。


俺は胸をドキドキさせながら、


「お…犯されるかと思った!」



また一人になった俺は病院の奥を目指す。


その先に何があるのか?


俺が着いた場所は『院長室』であった。

何故かここから嫌な感じがしたのだ?

何故か解らないが、俺の本能みたいのが告げている…


「ここに何かある!」



…ような気がする。


俺は警戒しながら部屋に入ると、そこには特別に俺の期待するものは何もなく、俺は落胆して出て行こうとした。

その時!何処からか物音がしたのだ?

咄嗟に俺は机の下に隠れる。


何処から?まさか追っ手が戻って来たのか?

辺りを見渡し物音のする場所を探る。

次第にその音は足下から聞こえている事に気付いた。

俺は床に耳をあてると、やはり音がする?


…地下室か!?


俺は再び辺りを見回すと、院長の机の下に窪みがある事に気付いた。

俺は机を移動させてから、その窪みに手を突っ込み床を持ち上げる。

それは意外と簡単に動かせた。


そして、そこにはやはりあった。

地下室への階段が!

俺は唾を飲み込み、恐る恐る地下へと降りて行く。


この下に何が?


俺が院長室の地下に降りようとしていたその頃、俺を庇って追っ手を引き受けていた銀髪の男は、


「…………」


やはり無口だった。


だが、銀髪の男の前には四人の武装した男達が囲んでいたのだ。

彼達は島の唯一の武装集団であった。

忍者装束のような姿だけでなく、特殊な技や鍛練を積んだ猛者達?


彼達は俺の父の直属の配下で、その中でも優秀な者達であった。

そんな彼達も島の連中と同じく蛇の頭をしていた。


彼達はクナイのような武器を手に銀髪に向かって投げ付け、更に追い討ちをかけるかのように刀で斬りかかる。島に住んでいた一般の人間達とは違い、特殊な訓練を受けた者達の蛇神化は他の者達とは比べようがない攻撃力を持っていた。


だが、この銀髪の男は彼等の同時攻撃に、最小限の動きだけで躱していたのだ!

次第に蛇人達に焦りが?


「…何故当たらぬ?」


「我々は苦行の末、暗殺術を極め、蛇人と化した今…敵などおらんと言うのに!こやつ何者なのだ?」



すると銀髪の男は流れるような動きで四人の武器を払い落とした。


瞬間…


蛇人達の視界から消えたかと思うと、蛇人の化け物の首は銀髪の持つ短剣により一体一体胴体より跳ね飛ばされていた。


「ば…バカな…ぁ…」


銀髪の男は呟く。



『…お前達とは、歩んで来た修羅場が違う』


そう言って、再び病院に向かって歩いて行く。





場所は変わる。


そこは儀式が行われる島の中心。

蛇の頭のような形をしている山頂。

頂きに集まって来た蛇人達が、突然現れた二人組を囲んでいたのだ。


二人組とは?


大男と銀髪の男と同じく島に入りこんだ僧侶。

赤髪の男と、俺を治癒してくれた女子だった。

二人は百体以上いる化け物に囲まれつつも、臆する事なく洞窟の中へと向かって行く。

そんな二人を前にして化け物達は身動き取れないでいた。

それは二人より発っせられる強力な覇気によって。


が、突然洞窟の中より噴き出して来た凄まじい妖気がその均衡を変えたのである。

島の蛇人達は凄まじい妖気に包まれ、その力が膨れ上がり狂暴化したのだ。



「座主様、お下がり下さい」



赤髪の男は、座主と呼ばれる女子を庇うように前に出ると、女子は丁寧な口調でニコリと笑んで返す。


「私の事はお気になさらず」


「そうですか。解りました!」



一瞬戸惑う赤髪の男だったが座主と呼ばれる女子に従う。

そこに一斉に襲い掛かって来た蛇人達に二人の目の色が変わる。



『時間はかけられません』



座主と赤髪の男が指を交差させ指を頭上にあげると、二人を中心に渦を巻き竜巻が起きたのだ!

襲い掛かって来た化け物達は竜巻より起こるカマイタチの刃によって、その身を切り刻まれていく!二人の圧倒的な強さに、残っていた化け物達は恐怖し身を隠していった。


「行きましょう。この洞窟の中から凄まじい悪意を感じます」



二人は洞窟の中へと消えて行った。





そして、再び場面は俺のいる病院の地下通路の階段道なのだが…


俺が地下奥へと進むと、中から何者かの戦う声が聞こえて来たのだ?



『臨兵闘者皆陣烈在前!』



そこには、二人の僧侶が大蛇と戦っていた。


『滅刃!』



僧侶の手から放たれた気の刃が大蛇を切り裂く。

その僧侶は、この島に来る前にすれ違った二人であった。


(確か俺に引き返すように助言した?)



すると僧侶は茫然と見ていた俺に気付き、俺に話しかけて来たのだ。

歳は四十くらいだろうか?


「少年よ…久しぶりだな?やはり来てしまったのか…これも運命なのだな…」



俺は目の前の僧侶に警戒しながら、俺を知る事に戸惑っていた。



「あの日、この島より助け出した時は、まだ幼い少年だったと言うのに…大きくなったものだ…」



目の前の僧侶は俺を知っている?


俺はこの人と会っているのか?


いや、会っていたんだ!


そして、俺の記憶の中にかかっていた霧が少しずつ消えていく…






それは今から五年前…


この島で今と同じく儀式が行われようとしていた時。


俺と詩織は…



この人により、この島から助けだされた生き残りだったのだと…


次回予告


三蔵「・・・お前?」


蛇塚「うるさい!あの時の俺は若かったし、いや、本当!マジに焦ったんだぜ?」


三蔵「ありえないだろ?お前、欲求不満じゃね?」


蛇塚「違うわ!!」


三蔵「どうだかな?」


蛇塚「だったら、お前?想像してみろ?」


三蔵「何をだよ?」


蛇塚「例えば?そうだな?晴明に押し倒されてみろ?」


三蔵「ゔはぁ!!」※鼻血




その頃、遠く離れた日本では?


バサラ「クシャン!」


晴明「くしゃん!」

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