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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
転生記~始まりの伝説編~
20/424

突撃!霊感大王の館!

八戒と沙悟浄の過去が語られ、いよいよ物語は黒幕である霊感大王との最終決戦へ!


おう!俺様だぁ!

俺様達は今、霊感大王のいる館に向かっている。


と・・・

言う訳なのだが、

ちょっとその前にいろいろあったんだよなぁ~


後ろを見ると・・・

ボロボロ姿の八戒が、涙目で付いて来ているのだ。


ん?どうしたかって?

理由はこうだ!


それは少し時間を遡る事、数時間前・・・



「怒怒怒怒!」


三蔵がいつにも増してイライラしている。


「三蔵様…心を鎮めてください…」


「無理だ!今の三蔵には何も聞こえていないはずだ!」


それは、つい先程・・・


襲って来た妖怪達を捕まえて霊感大王の居場所を聞き出す手筈だったのに、やり過ぎて取り逃がしてしまったからなのだ。


「このままでは、いつになっても霊感大王の居場所に辿り着けないぜぇ!これじゃあ~三蔵の八つ当たりが俺様にまで降り懸かるのも時間の問題じゃないかよ!くわばらくわばら…」


「ん?霊感大王のいる所に行きたいらか?だったら、オラが連れて行ってやるらよ?」


(ピクッ・・・)


「はっ?何言ってんだよ?てか、どういう事だよ?」


「らって、オラは元々霊感大王に呼ばれてお前達を襲うように呼ばれた妖怪だったからな?と、言っても…今更襲ったりする気なんかないらよ!だから霊感大王の隠れ家も当然知っているに決まってるらよ!」


「お、お前!?それって?」


ハッ!ヤバい!

俺様は八戒の後ろに仁王立ちする鬼のような形相の三蔵の姿を見て、鳥肌がたった。


「ん?どうしたらか?」


「き…貴様!何故に今まで言わなかったかぁ!」


突然、三蔵に怒鳴られた八戒は


「えっ?聞かれなかったかららよ?」


「貴様は一緒に旅をしていて、今まで俺達が何をしていたのか気付かなかったと言うのか?お前は馬鹿なのか?」


「はっ?」


「俺達は霊感大王の居場所を探しているんだよな?」


「そうらったらか?」


「ブチっ!」


三蔵がキレた!


八戒、死ぬなよ?

八戒が殴られる姿を見て、明日は我が身と身震いする俺様と沙悟浄だった。



と、これが経緯いきさつな訳なのだが・・・

俺様達はボロボロ姿の八戒に連れられて、霊感大王の隠れ家である館に向かっている最中なのだ。

霊感大王の館は森の中に幾つも結解が張ってあり、人間が入って来られないように施されていたのである。と、言っても・・・

一度でも足を踏み入れたら、二度と生きては帰れないのではあるがな?

そう!

俺様達も森に入って直ぐに、森の中に放し飼いにされていた妖獣に襲われているのだから・・・


「こりゃ、キリがないなぁ!」


「八戒!まだ着かないのか?」


「もうすぐらよ!この一本道を…ん?」


八戒が指さした道を見ると、


「どうした?」


「二本道ですね?」


「迷ったらな…」


三蔵の怒りが再び八戒に向けられ、殴られる八戒。

八戒…お前のお陰で俺様が殴られる回数が減ったぞ。


ありがとう・・・

とりあえず感謝する俺様。


俺様達は目の前の分かれ道を、二手に分かれて進む事にしたのだった。

俺様と沙悟浄、三蔵と八戒である。


「とりあえず、ここから館は見えている!目指す場所は同じだ!」


三蔵は森の奥に見える屋敷を指さした。


「俺様達が先に着いたら、ソイツを先にやっつけても良いよな?」


「空から行ければ楽らよな~」


「生憎、上空にも結解が張り巡らされていて、直接飛行雲で行くのは不可能でしたから~!空から墜落するよりは、地上から向かう方が安全だと思われます」


やはり仕方なく森の中を進むことになったのだ。


「では、行くぞ!」


「おぉ~!」


俺様達は二手に分かれ館に向かって行く。



「あの二人を一緒にして大丈夫だったんですかね?」


「心配するな!多分今の三蔵と一緒に組んだら、俺様達の方の身が危険なのだ!霊感大王がどうこうじゃないぞ?三蔵に八つ当たりされるって話だぜ?今回はただ八戒がその外れクジを引いたに過ぎない…」


「は…はぁ…」


「それより…どうやらこちらも…」


「外れクジみたいですね…アハハ…」


俺様と沙悟浄の向かう一本道には、妖獣達が待ち構えていたかのように俺様達を歓迎していたのである。


「後ろにもわんさかいますよ!」


「どうやら、囲まれたようだな!」


「は…はい!」


「では、メインディッシュの前のデザートといきますかぁ!」


「デザートは最後ですよ~?孫悟空兄貴!」



俺様は如意棒を手に取り、妖獣に向かって行ったのである。

ちなみに相変わらず沙悟浄は、妖獣から逃げ回っていたのだった。




その頃・・・

三蔵と八戒はと言うと?


「どうやら…」


「こっちが当たりクジだったようらな…」


霊感大王の館の入り口前にまで来ていたのだった。


「猿達を待つらか?」


「いや、先を進もう!猿達なら心配なかろう!」


「そうらな…」


三蔵と八戒は館の中に入って行く。

館の入り口の扉を開けると、様々な妖怪達が三蔵達を出迎えていたのだ。


「こりゃ、大歓迎だな!」


「お祭りは盛大にやらないといけないらよ!」


三蔵と八戒もまた戦闘準備に入ったのだ。

妖怪達が三蔵達に襲いかかる。

こいつ達は旅先で、結局俺様達にかかって来れなかった雑魚共である。

相手じゃねぇー!


「オラ!三蔵の旦那にシメられて機嫌が悪いらよ!糞まみれになりたい奴から、かかって来るらよ!」


三蔵もまた不動明王の真言を唱える。


『ナウマク・サマンダ!バザラ・ダン・カン!』


三蔵の手に『降魔の剣』が出現し、振り払った炎が妖怪達に放たれていく。

燃え盛る炎は、襲い来る妖怪達を焼き消していった。



「さぁ!霊感大王よ!いるなら出て来やがれぇ!」



だが妖怪達は数に物を言わせ、三蔵達に向かって一斉に襲い掛かって来たのだ。

その時、妖怪達は自分達の足元に何か違和感を感じた?

何かが転がっている?泥?石?いや…糞だ!

いつの間にか辺り一面の床に、糞が散らばっていたのである?


「秘技・大糞火!」


八戒の掛け声と同時に、その散らばっていた糞が爆発したのだ!

糞爆弾で吹っ飛ばされる妖怪達。


「オラの糞は一味違うらよ!」


怯む妖怪達は、


「くそ~!」


て、駄洒落かよ!

と余計なツッコミは後にして・・・


妖怪達はまだまだ懲りずに向かって来る。

そんな中、突然壁に亀裂が入ったかと思うと?

激しく崩壊した。



「ふっ…遅い!」


爆音とともに壁を壊して、俺様と沙悟浄が屋敷の中へと入って来たのである。

しかも俺様達は、妖獣の背中に乗って現れたのだ。


「いやっほぉ~!」


「お待たせしましたぁ~!」


「何をやっている!」


「いや…妖獣を乗りこなすのに少し手間取っちまったぜ!」


俺様は妖獣から飛び降りると背中から如意棒を抜き、三蔵に群がる妖怪達を薙ぎ倒していく。


「オラも乗りたいらな…」


「とにかくこれで全員揃った訳だな!」


「そんじゃあ~改めて暴れますかぁ!」


「皆さ~ん!頑張ってくださ~い!」


俺様達は誰一人欠けることなく合流出来たのだ。

いつの間にか柱の隅に隠れて応援する沙悟浄を横目に、

もう…慣れたよ・・・

しかし、お前は何のためにここまで来たのだ?



「では、オラも取って置きの必殺技行くらよ!フン!」


気合いと共に八戒の両腕が膨れ上がる。


「肉体強化!腕!」


膨脹していく八戒の拳が、妖怪達を殴り飛ばしていった。


「うぎゃあああ!」


「そんじゃあ!真打ちの俺様も必殺技いってみようか!…ほにゃらら~」


俺様の全身から毛が逆立ち、四方八方に飛び散っていく・・・


「行けぇ~!」


俺様の身体から散った毛が、次第に形を変えていき?


「妖闘仙術・毛根分身!」


俺様と同じ姿へとなったのだ。

つまり分身である!

その数…百匹!

俺様の姿へと変化した百匹の分身達は、妖怪達に向かい同時に妖気をこめた必殺の手刀を炸裂させる。


「妖仙猿技・百人一手ひゃくにんいっしゅ!」


残っていた妖怪達は俺様の手刀に貫かれ消滅していく!



「す…凄いです!」


「あらかた決着がついたようだな?」


雑魚の妖怪達を始末した後、俺様達は館の奥に進む事にした。

いよいよ霊感大王の奴をぶん殴れるぜぇ!



館の中を進むと、中は思ったより広かった。

それに、やけに贅沢な造りをしていやがるし?

金目の物がちらほら置いてあるな?

帰りにいくつか戴くとするかな?


な~んて・・・

あっ!

三蔵の奴、今懐に何かしまいやがった!


さすが三蔵だ・・・

呆れるほど強欲な奴だな。


それにしても、入り口に現れた雑魚の妖怪達以外、まったく敵の出る気配がしないぞ?

罠か?

ウムム・・・

まぁ、とりあえず先を進もう!

何とかなるだろう?



「確か…あの部屋らったかな?」


すると以前来た事がある八戒が、通路の奥に見える部屋を指差したのだ。

あそこに霊感大王が?


「そんじゃあ~親玉とのご対面だな!」


俺様達は一斉に、霊感大王のいる部屋に飛び込んだのだ。

部屋の中は広間になっていた。

そして正面には、何者かが椅子に座りこちらを見ていたのである。

赤と金色の刺繍の入った衣を着た派手な野郎!


間違いない・・・奴が霊感大王だ!


「待ちくたびれましたよ?三蔵殿とそのお供の皆さん!」


何だこいつ?

やけに余裕ぶっこいてやがるな?


「ふふふ…紹介がまだでしたね?私の名前は霊感大王!お見知りおきを!」


「ふざけた奴だ!お前が俺達の命を狙う妖怪達の黒幕だな?」


「いえいえ?私はただ妖怪の皆さんの背中を押しただけで、黒幕だなんて…ふふふ…私は争いは好きではないですからね」



そう言うと、霊感大王は立ち上がり、ゆっくりと三蔵の元に近付いて来たのである。


「けしかけておいて、どういうつもりだ?」


霊感大王は三蔵に手を差し出し、握手を求めて来たのだ?


「お近づきの挨拶に」


霊感大王の差し出した手を握りかえす。

ん?

その手は沙悟浄だった。


「なんか礼儀正しい方じゃないですか?どうも、こんにちは!私、沙悟浄と言います!」



沙悟浄は霊感大王の手を握り、握手をしたのだ。


「これで、和解しましょうよ?やっぱり争いはよくないですから~」



まったく・・・

何を考えているんだ?

ん?

すると沙悟浄の様子がおかしく・・・

いや?奴は最近から可笑しいが、それとは違う!

見る見るうちに沙悟浄の身体が痩せ細り、萎んでいるのである?

あれは…ヤバい!



「河童を離せ!」


三蔵は霊感大王と沙悟浄を引き離すように、攻撃を仕掛けたのだ!

霊感大王は沙悟浄の手を離すと、一気に後方へと飛び上がる。

沙悟浄はそのまま、ゆっくりと倒れた。

一体、何が沙悟浄に起きたのだ?



「クッ!貴様!」


霊感大王は、自分の手をハンカチで拭きながら、


「まったく邪魔が入りましたねぇ~」


こいつ何をした!?

いや、それより沙悟浄の妖気が消えかかっている!

三蔵は沙悟浄を抱き抱えると、すかさず沙悟浄の胸に手を置き気を送ったのだ。


「やべぇぞ!」


沙悟浄は身体を痙攣させながら、今にもその命の灯が消えかかっていたのである。

三蔵は沙悟浄に治癒術を行いながら、


「猿!豚!俺は沙悟浄から離れられん!だから貴様達で霊感大王を仕留めるんだ!」



ああ・・・

解ってらぁ~

俺様も仲間(沙悟浄)をやられてムカついてるんだぜ!

八戒も目付きが変わっていた。

俺様と同じく怒ったみたいだ・・・


「霊感大王!貴様をぶっ倒すっぜ!」



仲間をやられて、怒る俺様と八戒が霊感大王に挑む。



次回予告


孫悟空「次話は俺様が大暴れしてやんぜ!」


八戒「オラも忘れるなや!大活躍するんらからよ!」


孫悟空「八戒!俺様達の力を見せてやろうぜ!」


八戒「おうら!」

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