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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
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晴明参戦!!舞い降りた金の錫杖??

地下遺跡より目覚めた白き魔物!魔物はホーエンハイムとバサラを手にかけ、怒る三蔵をも軽々と叩きのめし、最大のピンチに現れたのは・・・


俺は三蔵だ!


俺の体力は底を尽き、化け物の一発で地面にのされた。バサラとホーエンハイムを殺し、瀕死の俺に白い牛頭の化け物がトドメを刺そうと迫って来ている。


ダメだ・・・指一本も動かせない・・・


そんな俺を庇うように現れたのは陰陽師の衣を纏った晴明だった。



俺は動揺していた。



「お・・・お前?どうして?だって、おかしいじゃないか?お前!さっきまで?」


「・・・?」


「スッポンポンだったじゃないかぁー??」



ズコッ・・・すっ転ぶ晴明。


「馬鹿者!空気を読めんのか?馬鹿三蔵!」


「だって~」


「これは神衣!神気の糸を編み上げ、神気の衣を構成する。さすれば攻撃力、防御力が数段に上がるのだ!」


「すっ・・・すげぇ!そんな事?」


「お前達が明王変化した際に、衣や鎧を身に付けているだろ?それも同じ要領なのだぞ?お前もやっている事だ!気付かなかったのか?相変わらず基礎を知らぬ奴だ!」


「・・・相変わらず口が悪い奴だな?つまり金の錫杖の応用みたいな感じなんだな?」


「そういう事だ!無駄口はここまで!お前は黙って、そこで体力を回復させておくが良い!」




晴明は呆れ怒りながらも、その口元には笑みが見えた。

まるで昔に戻ったような感覚が俺達に伝わる。


そして、晴明がマジな顔付きになり、戦闘体勢に入った。

晴明から高まる気を感じる!


「どうやら、妲己の記憶がほんの少しだが私の中(魂)に残っているようだ!妲己の戦いの知識が私の中に流れ込んで来ている!」




晴明の身体が光り輝き出す。

晴明は右手を振り上げると、光の札が花吹雪のように辺り一帯に飛び散りながら向かって来る化け物を取り囲む。


『光札・花吹雪!』



化け物を囲んだ光札が、一斉に化け物に向かって飛んで行く。

光札は化け物に貼り付くと、凄まじい勢いで爆発した。



「やったのか?」


「いや、まだだ!」



晴明の言った通り、凄まじい爆音と煙の中から化け物が何もなかったかのように出て来る。



「どうやら、あの化け物はカミシニの力を持っているようだな?神の力が無効化されたようだ!」



晴明は冷静に分析した後、正面に向かって手指を十字に切り、印を結ぶ。


「皮肉だが、クローリーも私に置き土産を残したようだ!」



すると、晴明の正面に漆黒に輝く剣が現れる。

あれは間違いない!

百鬼夜行が使っていたカミシニの剣?

確か、名を!



鬼神返神きじんへんじんの剣!』



晴明は鬼神返神の剣を手に取り、剣を真横に構える。



「鬼神の力を秘め、神を無に返すカミシニの剣!鬼神返神の剣!

この剣なら、あの化け物に傷を負わせられるであろう!」




晴明は化け物に向かって接近すると、何十倍ものある化け物の振り下ろす拳を剣で受け流しつ

つ、その腕の上を駆け上がりながらそのまま飛び上がり、化け物の背後から斬り付けたのだ。

化け物の背中から血が噴き出し化け物が悲鳴をあげる。


すげぇ・・・

やっぱし晴明は、すげぇぜ!

だが、晴明の顔からは冷たい汗が流れ落ちる。



(ほんの少し触れただけで、霊気がごっそり奪われた?)


「この化け物!」


晴明は剣を構えなおし息を吐く!


「ハァアアアアアア!」



すると、晴明の身体から白いオーラが噴き出す。



「持久戦は不利!一気に決着をつける!」


晴明の身体から噴き出すように更に神力が膨れ上がっていくのが解る。



『妲己の力よ!我に力を与えよ!獣神変化唯我独尊!』



そして、凄まじい光が辺り一帯を覆ったのだ。


眩しい!


光が収まった時、そこには凄まじい膨大な神気を身に纏った晴明が、


えっ?何だ??あの姿は!?


晴明の姿は・・・九本の光り輝く尾に、まるで狐のような耳があった?


コスプレ?


違う!違う!あれは?

九尾の妖狐の半人半妖(獣)の姿へと変化したのか?



「これが、九尾の獣神変化だ!」



化け物は変化した晴明に・・・



『キュウ・・・ビ・・・』



突如、牛頭の化け物の身体から触手が飛び出して来て、晴明に標的を変えて襲い掛かる。

晴明は向かって来る触手を、鬼神返神の剣で斬り裂きながら薙ぎ伏せ、鬼神返神の剣を天に翳して叫ぶと、その剣から閃光が放たれた。


『閃光断末魔!』



剣から放たれた九つの光が化け物を貫いていく。

この攻撃は化け物に効いていた。

そして飛び上がり急降下した晴明が、化け物を一刀両断に斬り裂いたのだ!!


やった!

牛頭の化け物は顔面から真っ二つになって、燃えていく?


『滅妖刀!』


更に横一線に振り払ったのだ。

化け物は十字に斬られ滅っされていく?


滅っされて・・・馬鹿な?

俺の目の前で有り得ぬ事が起きた。

いま晴明に滅っされたはずの化け物が、物凄い早さで再生しているのだ?


こいつ・・・晴明のあの攻撃をくらっても、死なないと言うのか?


いや、それどころか!

さっきよりも身体がでかくなってはいないか?


間違いない!


この牛頭の化け物は最初に現れた時よりも、でかくなってやがる!

そればかりか、さらに妖気が膨れ上がっているじゃねぇか?



(瞬間再生だと?こうなれば・・・)



晴明は俺を見て、



「どうやら、この化け物は想像以上に厄介らしい!だから・・・」


だから?



「ここは私が引き受ける!お前は他の仲間達を連れて早急にこの場から立ち去るのだ!」


「晴明!お前は何を言っているんだ?俺も戦う・・・ぐっ!」




俺は気合いで立ち上がろうとするが、力が入らずに膝から崩れる。



「ふっ・・・そのザマで強がるな!」



晴明は真っ直ぐに俺を見て言った。



「ここは私の命にかえてもお前を守ってやる!それが、私が今までお前にした行いへの償い・・・なぁ、三蔵?」


「!?」



晴明・・・お前まさか!?



「私に償わせてくれないか?友として・・・」


「ふざけるな!何が友としてだ?昔からお前は独りよがりに頑固で、考える事が一方的なんだよ!この単純馬鹿野郎!」


「なっ?それはお前の方だろ!」


俺と晴明は喧嘩口調になった時、小角がいつも俺達に言っていた言葉を口に出していた。



「だぁ~かぁ~らぁ!お前は俺のダチだ!ダチはな?どんなに喧嘩しても!どんなにすれ違っても!どんなに離れていても・・・」


「許し許す関係」


「それが出来るのが本当の」


『友』


「小角様が良く言っていた言葉だな?」


「俺達が喧嘩する度にな・・・」



俺は再び立ち上がろうとするが、やはり力が入らずに崩れる。

そこを、晴明が抱き止めたのだ。



「なら、共に戦い!」


「共に生き抜くぜ!」



俺と晴明は、目の前で再生し終え、さらに巨大化した化け物と対峙する。






場所は変わり・・・


「私も・・・戦うぞ!」



三千院が起き上がり、俺達の戦いに参戦しようとしていた。

しかし、三千院もまた戦う力が残ってはいなかった。



「例え、はいずってでも・・・あの二人と共に戦うぞ」


「待て!俺も行くぞ!あいつ達ばかりに苦しい思いはさせん!死すならせめて、友とともに戦って散るのが仲間ってもんだ!」



大徳もまた起き上がろうとしていた。



《サ・・・ンゼ・・・ン・・・イン》


「!!」



その時?何処からか三千院を呼ぶ声が?


テレパシー?


三千院は、その途切れ途切れのテレパシーを受けて、周りを見渡したのだった。



「それは一体?」


「何処だ!何処に?」



三千院はテレパシーの声に従うように何かを探し始めたのである。



「どうしたのだ?三千院?」


「くっ!近くじゃないのか!」



三千院は大徳に説明する。



「この一帯の何処かに・・・この地を外部から閉ざしている強力な結解があるのらしいのだ!それを探している」


「結解?」


「そうだ!多分・・・塔のような・・・ぐっ!何処にあるのだ!」



そこに、



「その結解って・・・もしかして、ハンの村にあったやつじゃないですか?」



それは意識を取り戻した蛇塚であった。

蛇塚は片目を塞ぎながら起き上がり、


「俺の勘が正しければ間違いないです!」


「あの結解か?まさかこの地にまで影響させていると言うのか?もしそうだとして、あそこまで距離があるぞ?」


「そうですね・・・」



すると三千院は蛇塚と大徳に答える。


「なるほど・・・間違いない!いや、他に考えられぬな」




三千院は己の霊力の全てを一点に集めると、霊気の弓が出現する。



「悪いが二人とも!お前達の力の全て!私に今一度預けてはくれないか?」



二人は頷き三千院の肩に手を置き霊力を送り始める。

三千院は二人から集めた気で、光の矢を造りあげたのだ。

三人がかりで、矢が一本・・・これが精一杯だった。


「充分だ!」



三千院の魔眼・鷹の眼が紅く光り輝き、遠く離れたハンの村にあった結解の塔に焦点を定める。


「見えた!!」



そして塔の存在を感じ取る。


『絶対に外さん!』



三千院は弓を引き、その一本の矢を結解の塔に向けて射る。

矢は空高くに飛んで行き、一直線に天高くに向かって飛んで行き消える。

そして、閃光が放たれたと同時に遠く離れた結解の塔を見事に破壊したのだ。



一体、何のために?


それと同時に空から凄まじいオーラが辺り一帯を覆ったのだ?

その中心から何か光り輝く物が降りて来た。


あれは?まさか?金の錫杖?

間違いなくそれは金の錫杖であった。

六本の錫杖がオーラの中からゆっくりと降りて来たのだ。


突如、天空から降りて来た錫杖が一本、俺の前に現れ目の前に浮いている?

俺は意味も解らず、それを手にした。

すると金の錫杖は俺の身体に吸収されていき、身体が!力が!体力が!回復していく!!



「力が溢れて来たぜぇー!」


次回予告


三蔵「二十万だと?そんな馬鹿な??幼少の俺はそんな大金を何に使ったんだ?それに晴明はそんな大金を何故持っていたんだ?まさかのボンボン??」


晴明「お前が毎日食べていたお菓子だろ?それに私は確かに家柄は良い!と言っても、養子だったから自由な金銭はなかったのだぞ?」


三蔵「じゃあ、何処からそんな大金を??」


晴明「決まっているだろ?」


三蔵「???」


晴明「宝くじだ!!」


三蔵「マジかぁ~!!」


てな訳で、次の話はこの次回予告コントとは一切関係ないのだった。

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