絆の力!戻って来いバサラ!
妖精の正体、バサラの身体の謎、そしてカミシニの王である倶利伽羅の王?
全ての謎が繙かれ、後は三蔵とホーエンハイムに託された。
俺は三蔵だ!
ホーエンハイムが話したゼロの秘密に妖精の正体。
それは、かつて死んだカミシニの魂であり、ゼロは名もなきカミシニの転生者だったのだ。
そして!
ホーエンハイムが言った唯一ゼロを救う唯一の手段とは?
ゼロを、バサラをカミシニにすると言う手段だった。
「待てよ!ホーエンハイム!そんな事をしたら、ゼロ・・・いや、バサラはどうなるんだよ?」
「純潔なカミシニになれば、ゼロはハイマスター・・・いや、それ以上の力を得よう。そうなれば倶利伽羅の力に身体を奪われる事もなく、肉体崩壊から免れるのだ」
つまり・・・
バサラがそっち側のカミシニ?
俺達の敵になると言う事なのか?
ホーエンハイムは迷う俺に向かって言った。
「私はゼロを生かすためなら、君をここで殺してでも救ってみせるよ」
その目は間違いなく子供を守ろうとする『父親』の目だった。
俺は・・・
「解ったぜ!手を貸してやる!例えゼロ・・・いや、バサラがカミシニになろうと、俺が再びこっち側に引き戻してやるからな!」
今は、あの状態のバサラを放ってはおけない。
「ふっ・・・助かるよ。私も、君とは争いたくはなかった」
「よく言うぜ!」
ホーエンハイムは両手に血を集めカミシニの拳銃を出現させ、俺も再び降魔の剣を出現させた。
「だが、どうする?奴にはカミシニの武器も通用しなかったぞ?」
「倶利伽羅の力はカミシニの力をも消し去るからな」
「マジか?だから俺の降魔の剣が消されたのか」
ホーエンハイムは俺に作戦を説明する。
バサラをカミシニにする方法は、ホーエンハイムが今手にしている錬魂の雫を飲ませるか、体内に雫を入れる事らしい・・・
そのために何とかして油断したゼロの身動きを止める必要がある。
だが、あのゼロを止めるなんて出来るのか??
そこでホーエンハイムのカミシニの拳銃に、錬魂の雫を弾丸にこめて撃ち出すと言うのだ。
そして直接錬魂の雫を体内に入れると!
で、俺の仕事は?
逃げて!逃げて!逃げまくって、ゼロの油断をつくるという事らしい?
て、
「囮じゃねぇかぁー!」
俺は再びゼロの前に現れて、ゼロから放たれる青い光弾を躱しながら炎の翼で飛び回り逃げ回っては、ゼロにホーエンハイムから気を向けさせないようにしていた。
「くそぉー!」
一発でもゼロの攻撃に当たれば俺は消滅しちまうのだぞ?
命懸けの鬼ごっこかよ!
ゼロの攻撃は更に激しさを増す。
目を離した瞬間、俺の頭上からゼロが現れ剣の連撃を繰り出して来た。
俺は紙一重で躱しながら少しでも距離をとる。
「くそったれぇー!」
俺は業火を放ち目くらましで離れるが、構わず追って来るゼロ。
いつまでも逃げきれねぇぜ!
ゼロは逃げる俺に向けて剣から無数の青い光弾を放つ。
あっ!当たる!
そう思った瞬間、青い光弾が俺を反れたのだ?
そこにホーエンハイムのテレパシーが俺の脳に入って来たのである。
《油断するな!三蔵君!》
俺に向かって来た青い光弾が次々と弾かれるように俺を反れている。ホーエンハイムの拳銃から放たれた弾丸により、軌道を変えられているのだ。
直接は相殺は出来なくても、軌道くらいはカミシニの弾丸で変えられるって訳か?
しかし・・・
俺もこのままじゃ・・・
金色に輝くあれ?魔眼だったか?
それが、また出てくれたら楽なんだが・・・
いや、下手をしたら俺までさっきみたいに暴走して、作戦が台なしになる可能性もある。
そもそも自由に出したり出来ないのだから仕方ないのだが。
マジにどうするべきか?
「アッ!」
油断した俺の眼前にゼロが現れ俺に青い剣を降り払う。
「ちょっ!ちょっ!ちょっと待った!待った!」
その瞬間、地上から光の矢が飛んで来て俺とゼロの合間を突き抜けて行ったのだ。
ゼロは突き出した剣を引き戻し地上を見下ろす。
そこには、弓を構えた三千院が息をきらし立っていた。
その背中には大徳が自分の気を三千院に送っている。
「三蔵!お前にばかり戦わせはしないぞ!私達も及ばずながら加勢する!」
あいつら・・・
自分達だって俺に霊力を分け与えて…
もう力なんか残ってないくせに!
無理しやがってぇ・・・
これが、仲間?
仲間というもんなのか?
「俺も・・・」
するとゼロが俺から標的を変えて掌を三千院達に向ける。
「させるかぁー!」
俺はさせじとゼロに有りったけの力で体当たりした。
ゼロの攻撃は三千院達を反れて、地上に巨大なクレーターを作り出したのだ。
「何とか無事みたいだな!セッ・・・セーフ!」
俺は再び飛び上がる。
「ゼロよ!いや、バサラ!俺は・・・お前に仲間を殺らせたりはしねぇー!」
俺は特攻の如くゼロに向かって行く。
別に作戦なんかなかった。
ただ、残念な事に・・・
俺にはもう小細工するほど力が残っていなかったのだ。
三千院達から分け与えて貰った体力も、ゼロからの攻撃を躱す事だけで尽きようとしていた。
恐らく魔眼の発動には相当なエネルギーを奪われるのだろう。
だが一矢報いなければ、ここまでやってきた意味がねぇってもんだ!
破れかぶれの特攻!
ほんの一瞬でもゼロの動きを止めてやる!
「なるようになれぇー!」
俺は拳を握りしめゼロに向かって一直線に突進し、拳を握る。
もし、ゼロが俺に攻撃をして来たら俺は避ける力もなく消滅しちまうだろうな?
ゼロよ・・・
お願いだから攻撃してくんなよなぁ?
まさに神頼み・・・
いや、バサラ頼み・・・
だが、残念な事に、世の中そんなに都合よくないみたいだ。
ゼロは俺に向けて掌を向けて、青いオーラを集中させていたのだから。
光弾は、俺に向かって放たれ・・・て、な~い??
あれ?無事?
ゼロの光弾は放たれてはいなかった。
ゼロは光弾を放とうとした腕を片方の手で掴みながら攻撃を止めていたのだ?
『ウググ!』
どうしたのだ?
ゼロの様子が変だぞ?
まるで、身体が自由に動かないでいるような!?
すると、俺の脳にホーエンハイムとは別の何者かの声が聞こえて来た。
《三蔵!俺が身動きを止める!今のうちに俺を・・・俺を殺せー!俺はこれ以上・・・お前達を傷付けたくはない!》
その声の主は?
間違いなくゼロの中のバサラの声だった。
「お前、バサラか!?」
やはりお前も仲間なんだよな?
再び、俺の中から力が溢れ出して来た。
『ぬおおおおおお!』
俺の瞳は再び金色に輝きその拳が包まれ、そのまま突進してゼロにの頬を殴ったのだ。
俺とゼロはお互いもつれ合いながら落下する。
俺の金色のオーラが落下するゼロを覆うように包むと、青いオーラを徐々に消えていく。
するとゼロはもがくように苦しみ出したのだ。
そして、俺は落下するゼロの腕を掴み持ち上げ、俺達は宙に浮いたまま止まっていた。
「大丈夫かぁ!バサラ!目を覚ませぇ!!」
俺の呼び声にゼロ[バサラ]はゆっくりと瞼を開いていく。
そして、
「さ・・・三蔵?」
「お前、バサラで良いんだよな?元に戻ったのか?戻ったんだよな?」
すると、
「うっ!!」
突然、バサラが苦しみ始め吐血し、身体中の血管が浮き出てくる。
まさか?またカミシニの力が暴走して?バサラの身体を侵食しようとしているのか?
「しっかりしろ!バサラ!」
バサラは胸を抑えながら俺に視線を・・・
いや?違う?俺にじゃない?バサラの視線の先は一点を見て止まっていた。
俺は確信した・・・
俺の背後に現れたホーエンハイムがバサラに銃口を向けていたのだ。
「ありがとう・・・三蔵君!これで、ゼロは蘇る!今、楽にしてやるぞ?」
ホーエンハイムがバサラに向けて錬魂の雫の弾丸のこめられた拳銃の引き金に力を込め、発砲音が響いた。
終わった・・・これで、一件落着だ!
だが、その弾丸はゼロには命中しなかった?
何故なら?
拳銃を撃つと同時に地上から伸びて来た何かにより腕が消し飛んだのだ。
ホーエンハイム自身も突然失った自分の腕を見て、何が起きたか解らない表情でいた。
そして、俺が振り向いたと同時に地上からの何かが抜け出て、ホーエンハイムを背中から串刺しにし、更に俺の横を通り過ぎて行きゼロ[バサラ]の胸を貫いたのだ。
「なぁ・・・なにぃ!!」
ホーエンハイムは串刺しになりながらもバサラに手を伸ばしていた。
バサラもまたホーエンハイムに手を伸ばす。
『と、父さん・・・』
だが、二人を貫いたそれは無惨にもホーエンハイムの身体を五体バラバラに引き裂いたのだ。
更にゼロもまた心臓を串刺しにされたまま引き抜かれ、二人はそのまま地上に落下して行く?
俺は・・・
突然起きたその惨劇を、茫然と見ているしか出来なかった。
一体、何が?いや、誰が!?
俺は地上を見下ろすと遺跡のあった場所から地面が盛り上がり、巨大な何かが現れて来たのだ!
そいつは二本の白い角を持った牛のような姿の化け物だった。
そして、そいつは言った。
『ヨウヤク・・・・・・ミツケタゾ!ニクイ・・・ニクイ・・・フクシュウ・・・
ハラシテ・・・ヤルゾ!!ビコウ・・・オウ!』
次回予告
三蔵「おい!何がどうなっているんだよ??
一件落着じゃなかったのか?
ホーエンハイム?バサラ?
うおおおおおおおおおおおおお!
ナウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン!
てめえは絶対に許さねえ!!」




