表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
189/424

蛇塚!復活せし悪魔との交渉?

三蔵とゼロの一騎打ちの最中、死んだはずのクローリーが蘇っていた。


俺は三蔵!


俺がゼロとの死闘を繰り広げていた時、謎のシスターと赤子が俺達の戦いを見ていた。

シスターは赤子に向かって信じられぬ名前を口にした。


『はい、マスター!クローリー様』



て、クローリーは死んだんじゃなかったのかよー??




ほんの少し時を遡ろう。

俺と蛇塚がクローリーを撃破し、晴明を救った後、

俺達は遺跡の別の場所で戦っているであろう三千院達と合流するべく



「三千院さん達が心配だ!連戦続きでキツイだろうが、俺達も向かおうぜ!」


「あぁ!妲己のお陰で傷は癒えてるようだからな!」



俺と蛇塚は意識が戻らない晴明を抱き起こし、入って来た通路を戻るようにその場を後にした。



が、実は・・・まだ終わってはいなかったのだ!


クローリーと戦いが繰り広げられた場所に、光り輝く何かが落ちていた?

それは一枚のタロットカードであった。

それは独りでに宙に浮かび出すと人の形を現わしたのだ。

それはシスターの格好をした女の姿?


『恋人のアルカナ!』



アルカナは辺りを見回した後、転がっていた『ソレ』を拾い上げる。

『ソレ』とは?

俺によって消滅させられたクローリーの残骸?

黒焦げた『ソレ』は、すでに原形が解らないほど炭カスになっていた。

恋人のアルカナは、クローリーであった残骸の『ソレ』を何を思ったのか手に取り、食らいつき飲み込んだのだ。


すると恋人のアルカナは息を荒々しく、次第に腹部が膨らみ始めた。

同時にシスターの盛り上がった腹部から脈打ち心臓の鼓動が鳴り始める。


「ぎゃああああああ!」



悲鳴とともにシスターのアルカナの中から腹を引き裂き、赤子が抜け出し現れたのだ。



『ふぅ・・・前以て自分の分身を恋人のアルカナの中に移植しておいて、正解でしたね~。だが、新しいこの肉体は素晴らしい!例の妖精遺伝子を移植し、更にカミシニの力を兼ねて私の力が増したようですよ』



それは銀髪の妖精の姿をした赤子であった。



『しかし、まだこの赤子の姿では・・・力が百パーセントにはほど遠いですね?』



赤子は紛れもなく、俺が死に物狂いで倒したはずのクローリーだった。

クローリーは恋人のアルカナを使い、新たな肉体を手に入れ復活したのだ。

恋人のアルカナの引き裂かれた腹部は、みるみるうちに再生していく。

そして赤子のクローリーは恋人のアルカナに抱き抱えられ、俺達が出て行った通路と同じ道から出て行ったのだった。





そして物語は地上へ!


《蛇の君!悪いがこちらまで来て欲しいのだが?》



突如、蛇塚の脳にテレパシーが送られたのだ?


「なっ?誰だ!」



蛇塚は辺りを見回す。


(あそこか!!)


蛇塚の視線の先に人影が見えた。

三千院と大徳に知らせようとしたが、



《悪いが他のお友達には内緒にして、こちらまで来て欲しいのですが?》


「誰だ!お前は?」


《君も知っているはずだよ?さっきまで君達と戦っていたクローリーだよ》



「なっ!クローリーだと!?クローリーは三蔵が始末したはず!」


《ふふふ・・・蘇ったのだよ!それより君と交渉がしたいのだけど?良いですか?》


「交渉だと?ふざけるな!」



蛇塚は三千院と大徳に気付かれないように、テレパシーの送られて来た方向へと向かう。

蛇塚が着いたそこには、シスターの姿をした女と赤子がいた。

いや、その赤子から発せられる恐るべき威圧感と嫌な空気は間違いなく、姿こそ違えど、あのクローリーだと理解したのだ。


「テメェ!生きていたのかぁ?」



蛇塚は警戒し構えをとると赤子の声が聞こえて来た?

いや?これはテレパシーであった。



《・・・止めておきたまえ!蛇の君よ?今の力の尽きた君がどう足掻こうと、私には勝てないでしょ?無駄死には本意じゃないですよね?》


「無駄死にだと?例え俺の身がどうなろうと、テメェと差し違えてでもぶっ倒してやるぜ!」


《ふふふ・・・君の勇気は賞賛するが、もっと良い方法を君に提案しますよ?》


「もっと良い方法だと?」


《君の友達二人を救えて、今倒れているホーエンハイム君を目覚めさせ、しかも私にも得のある提案をね?》


「なっ?何だと!?キサマがその手段を知っているのか?教えろ!知っているなら直ぐにその手段を教えやがれ!」


《そういきり立たないでください?慌てなくても教えますよ?そのためには、君にその分の対価を払って戴く事になるがね?それでも良ければ・・・どうします?》


「対価だと?」


《そう!対価!》




クローリーと蛇塚との交渉とは?


対価とは?


そんな事とは知らずに俺はゼロと戦っていた!





「ぅおおおお!」


『ァアアアアアア!』




俺は魔眼を解放させたと同時に、理性が完全に吹っ飛んでいた。

お互いにマトモじゃない状態で熾烈な戦いが繰り広げられる。

金色のオーラと青いオーラがすれ違い、重なり、反発しあう。

お互いの力は拮抗し、次第に身体中に傷が増えていく。

だが、俺達はお構いなくぶつかり合っていた。

お互いの剣が激しくぶつかり合う衝撃波が大地を斬り裂く。

お互いの力は更に膨れ上がり、まるで相乗しているかのようだった。



その力は・・・


まるで空を!大地を破壊するが如く!


その戦いを見ていた大徳は、



「これが救世主の力なのか?これでは・・・」


「あぁ救世主もまた、破壊神。その力は破壊と再生・・・合い反する力なのだ!」


「しかし、それでも救世主は世界を救う・・・」


「あの破壊神たる力をも凌駕する救世主たる本当の強さに目覚めた時!」


「その力とは?」


「人の持つ魂の力!心の強さだ!」


「心か・・・」


「だからこそ救世主は、神でもあり、人でもある者が選ばれるのだ」


「!!」


「その不安定なる魂が救世主を更に成長させるのだから!」


「フム。だが、今の三蔵には早過ぎたようだな?力に翻弄され、自我を保ててはおらん!」


「まだ救世主になるには早過ぎたか?いや、救世主の片鱗は見せてもらった!後は俺達の命を捨ててでも止めなければならぬな」



二人の会話に、


「安心して下さいよ!三蔵も、バサラさんも元に戻せますよ!」



それは、顔面から血を流し、右目を抑えながら戻って来た蛇塚であった。


「蛇塚!お前、その目はどうしたのだ?」


「俺の事は気にしないでください!それより、この戦いに収拾つけるアイテムを手に入れましたよ!」



蛇塚の右目はえぐり取られていた。

流れる血を押さえ、蛇塚は横たわるホーエンハイムのもとに片膝をつく。

一体、蛇塚に何があったと言うのか?

見ると蛇塚の手には小さな瓶が握られていた。


その瓶とは?


『錬魂の雫』


それは神を殺すカミシニのリーダーであるアライヴの純血なる血であった。

その血は特定の者をカミシニへと転生させ、傷付いたカミシニを再生させる事が出来るのだ。


蛇塚は説明する。


「これで、ホーエンハイムを生き返らせます!」


蛇塚は瓶の蓋を開けて、中の雫をホーエンハイムの口元に近付け飲ませる。

するとホーエンハイムの止まりかけていた心臓の鼓動が速くなる。

その途端、痙攣したかのように震えだしたかと思えば、ラスプーチンにより傷付いた身体が塞がり再生したのだ。

そしてホーエンハイムはゆっくりと目を見開き、


(ゼロ・・・)


上空で戦っているゼロを見たのだった。



(本当に生きて・・・いたのだなぁ?生きて・・・生きて・・・また、お前に、会えた・・・)



その目には涙が溢れていた。

ホーエンハイムはゆっくりと起き上がり、蛇塚の肩に手を置くと、



「どうやら君にも世話をかけたようだね?感謝を言わせてくれ」


「気にするな!それより、あのバサラさんを戻せるのはアンタだけなんだよ!」


「後は・・・私に任せておけ!」




ホーエンハイムは立ち上がり、ゼロを見詰める。





「これから先は私の、親としての務めだからな!」


次回予告


三蔵「蛇塚・・・お前、一体クローリーとどんな交渉をしたんだよ?


だが、そのお陰でホーエンハイムが復活した!


これで、バサラが元に戻るに違いないぜ!!


ナウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン!


親子万歳!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ