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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
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晴明を救え!!小角の道しるべ!?

悲しみと思いを乗せて、三蔵が立ち上がる!


三蔵と百鬼夜行との一騎討ち!!


その先に残るのは?



俺は、三蔵だぁー!


俺は今、鬼(百鬼夜行)と化した晴明と激しい戦いを繰り広げていた。

百鬼夜行の持つ剣【鬼神変神の剣】と、俺の剣【降魔の剣】がぶつかり合う。

お互いの連撃が激突し合い、その衝撃波が辺り一帯の壁にヒビを作った。



「せぇめぇーい!」



俺と百鬼夜行の戦いに防御はなかった。


俺の剣が上段から振り下ろすと百鬼夜行の下段から振り上げた剣とぶつかり合う。左右、斜めから突きがぶつかり合う中、衝撃から伝わる斬撃が皮膚を裂く。


こんな姿になっていても百鬼夜行の太刀筋は俺が幾度と交えた晴明の剣筋と一緒じゃないか?

やはり、こいつは晴明なんだな・・・


お互いの身体に斬り傷が増えて血が噴き出しながらも、お互い攻撃は止めなかった。一瞬でも怯み攻撃の手を止めれば、そのまま命まで持っていかれるからだ。


それに俺は絶対に晴明には負けられない。

それは、どんな姿になろうとて同じだ!



昔から、ずっと・・・


お前に挑み、憧れ・・・


いつもお前の隣を歩いていた。


晴明は俺のライバルであり、目標であり、掛け替えのないダチだから!


小角の件さえなければ、ずっとお互い競い合いながら、喧嘩しながらも…小角と三人で楽しく旅が出来ると思っていた。



だが、俺達の運命は、小角の死を境に・・・


すれ違い・・・


俺達の運命の歯車は噛み合う事なく、二度と分かり合えないと思っていた。


いや、心の何処かでは・・・また・・・分かり合いたい。

そんな希望が、微かに持っていたのも確かだった。


なのに・・・なのにぃ!


どうして俺達は今、こんな形で戦わなきゃいけないんだぁー!



二度と戻らない・・・


二度と取り返せない・・・


二度と味わいたくない・・・


二度と!二度と!二度と!二度と!二度と!二度と!二度と!二度と!


失いたくない・・・



なのに・・・俺はこの戦いの末、その希望を自らの手で終わらせる戦い。


終わらせなきゃいけない戦いなのだから・・・


俺に出来るのか?


百鬼夜行の目には、まだ血の涙が残っていた。


あぁ・・・解ってるよ・・・晴明


お前も苦しいのだよな?


辛いよな?悔しいのだよな?

お前の怒り、悲しみ、無念、後悔!

そういった感情が百鬼夜行の剣を通して伝わってくるのが解るぜ?


今、苦しく痛いのは・・・


身体に刻まれていく傷のせいなんかじゃねぇ。


心に!魂に刻まれていく痛みの方なんだ!!


だから・・・



「俺が・・・俺が、その苦しみから解き放ってやるぞ!晴明!」



俺の業火が火柱となり一帯を覆っていく。

百鬼夜行も同じく後方に退き距離をとりながら新たな術を発動させた。

百鬼夜行の両手の空間が歪み、十二個の黒い球体が飛び出して百鬼夜行の周りを浮かび出したのだ?


『十二神死妖!』

※ジュウニシンシヨウ



それは晴明に仕える十二体の鬼神であった。

それは邪悪な魂の面となり百鬼夜行の身体に装着され鎧と化していく。

百鬼夜行の力は更に驚異的に膨れ上がった。



「ふふふ・・・アハハ!見てください?これこそが私の最高傑作!百鬼夜行の最終形態なのです!」


クロウリーは最高傑作である百鬼夜行の姿を誇らしく見ていた。


だが、俺は・・・


「そうか・・・お前達も?」


凄まじい覇気を放つ百鬼夜行の姿を見て驚くどころか意味不明な言葉を呟いた俺に対して、クロウリーが首を傾げながら百鬼夜行を見る。


「何と??」



百鬼夜行に装着された十二体の鬼神の仮面の目から百鬼夜行と同じく血の涙を流して、十二体の鬼神が百鬼夜行の身動きを止めていたのだ。


「十二体の鬼神は晴明が幼少より従え、共に戦いし戦友であり・・・ダチみたいな関係だった。そう!俺と不動明王みたいにな?だからお前達も辛かったんだよな?晴明がこんな姿になってな?」



俺は降魔の剣を両手で握りしめ、百鬼夜行に向かって駆け出して行く。


「俺の残りの力を全てこの一刀に籠める!!」


全てを終わらせる。



「せぇいめぇーい!」




俺の降り下ろした降魔の剣が、身動き出来ずにいる百鬼夜行を頭から一刀両断にした!!


嫌な感触が伝わってくる・・・


俺は小角だけでなく、晴明までも手にかけてしまったのか?


師を・・・友を・・・


俺はこの手で?


業火が百鬼夜行を包み込む。



本当にこれで良かったのか?


これが最善だったのか?


教えてくれよぉ・・・なぁ、小角?



その時、幼少の頃に聞いた小角の言葉が頭に過ぎる。



『玄蔵、晴明・・・良く聞くが良い?儂達にこれから待ち受ける体験、経験、出来事に出会いや試練は、必ず未来に意味を持って来るじゃよ?儂達が出会った事はもちろん、一つ一つの出来事にも意味があるのじゃ。いずれお主達が道を外れたり、迷い、悩み、とてつもない試練に追い込まれる時が来よう?その時、それらの重なりが未来に進むための道しるべとなって、お主達に最良の答えを導き出してくれるのじゃよ。決して無駄な事はないのじゃ!』



最良の道しるべか・・・


出会いや経験に意味があるって?




その時、俺の頭に過ぎったのは?

不思議とあの夢の中の、ムカつく野郎の事だったのだ。


あの野郎・・・


何がいずれ晴明に会えるだって?


こんな出会い望んではいなかったぜ!


あんな夢の出来事にも意味があるって言うのかよ?


なぁ・・・小角?



『!!』



その時、俺は突然叫んだのだ。



「まだだぁー!」




意味は・・・あった!


道は・・・あった!


あっ・・・はは・・・


小角!


やはり小角の言葉は俺にとって・・・


最高の道しるべだよ!




俺は業火に焼かれる百鬼夜行の身体の中に自分の手を突き刺していた。


思い出せ!


あの夢の男のやっていた事を!



あの瀕死の豚の姿をした奴を甦らせた・・・奴がした奇跡を!



『ウオオオオオオオ!』



俺は静かに呟くように唱えていた。



「テンセイ・・・ヘンゲ・・・ユイガ・・・ドクソン!」



と・・・


一か八かに俺が行った『その術』は、消えかけていた百鬼夜行の身体から、強烈な閃光を放たせた。これは魂の光??強烈な閃光を放つ魂は部屋全体を覆い隠し、俺達は視界を奪う。


そして、ゆっくりと俺の視界が戻った時、その光の先に人影が見えたのだ?



確か、夢の中では豚の姿をした妖怪から本来の姿である少年が現れたんだったよな?

あの男の術は死にかけていた豚の妖怪を本来の姿に戻したのだ。

だったら、この光から現れるのは・・・せ・・・晴明なのか!?



えっ?ち・・・違う!?


俺の目の前に現れたのは?


長い白髪の・・・


美しい少女が俺を見下ろしながら浮いていたのだ??






って??


何が、どうなっているんだぁよー!


次回予告


三蔵「えっと?


何故にこの展開から少女が出て来るわけ?


てか、誰?


次話!この少女の正体が解るぜ!!


ナウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン!


燃えから萌えなのかよ~??」

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