表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
174/424

分散する戦力!?甦る悪魔!!

クローリーの持つアルカナ!


その能力は三蔵達を苦しめる程の物であった。


危機的状況の中、更に現れし者はカミシニのパラケルススであった。



俺は三蔵だ!


俺達はクロウリーの恐るべき能力。

アルカナの能力に圧倒され、危機的状況に陥っていたそこに新たに現れた男。

そいつはカミシニ博士であり、バサラ達の妖精の産みの親でもある


『パラケルスス』


もう一つの名前を?


『ホーエンハイム』と、言った。




「君がこの遺跡に来るなんて聞いてなかったが、どういう気まぐれですかな?」


「ふっ・・・少々私用でね?」



するとホーエンハイムは掌に己の血漿玉を作り出す。

血漿玉は次第に形になっていく?

それはカミシニの血で構成した二丁拳銃へ。

ホーエンハイムは俺達に銃口を向けたのだ。


クッ!殺られる!


その瞬間、ホーエンハイムの銃口が火を吹いた。


銃弾は・・・


「!!」


俺達の身体を縛っていたクロウリーのアルカナ達を打ち砕いたのだ??


なっ!何が起きたと言うのだ?


コイツ・・・


俺達を助けたのか?敵じゃないのか?



クロウリーはホーエンハイムの行動に、差ほど驚く事もなく話し出す。



「相変わらず見事な拳銃捌きですね~!でっ?」



すると笑みを見せていたクロウリーの表情が冷血な表情に変わった。

その威圧感は俺達にも伝わる圧迫感だった。


「どういう意味ですかな?」


「君にはすまないが、そこの男に用があってなぁ?」



ホーエンハイムの視線の先には、ラスプーチンが震えながらホーエンハイムを見ていた。



「久しぶりだな!ラスプーチンよ。まさか生きていたとは思わなかったぞ?」


「おっ・・・お前は!?」



ホーエンハイムの目的はラスプーチンなのか?

理由は分からないが、この状況は俺達にどう転ぶのだ?



「どうやら彼とは何やら因縁があるみたいですねぇ~?しかし彼は私の研究のスポンサーですし、手を出されるのは少々困ってしまうのですよね~。まぁ、どうしてもって言うのであれば、私がお相手しますがどうしますか?」


「・・・・・・」



クロウリーの余裕そうな顔付きに比べ、ホーエンハイムは、



「君なら分かってくれると思っているよ?君の境遇と同じさ!君が狂った原因とね?」」


「!!」



その意味深な言葉にクロウリーは、



「アハハ!私の情に期待して戦いを避けようと思っても無駄ですよ?」




しかしクロウリーはホーエンハイムを暫し見た後、ゆっくりと背を向けた。




「ふふふ・・・私は勝ち目が百パーセントの戦いは好きですが、危険を被る戦いは好きじゃないのですよねぇ~。仮にも君は自分の造ったホムンクルスに、カミシニの七賢者の地位を明け渡した程の実力者!隠居の身になったとはいえ、元ハイマスタークラスだったわけだし・・・私も負ける事はないにしろ、無事にはすまないでしょうからねぇ~。そこを彼等に狙われたら私も漁夫の利でイチコロですし。先にそこの彼達を助けたのはそれを見越してなんでしょ?いやはや・・・私と同じく頭のキレる人はやりづらいですね?」



「察してくれると思っていたよ。私も無駄な争いは好きじゃないのでね?」




そんな二人のやり取りに怒りを現している者がいた。



「きっ・・・キサマ!ホーエンハイム!お前も生きていたのかぁー!」




バサラはホーエンハイムに向かって飛び掛かり、手にした短刀を振り払うが、ホーエンハイムは己の血で出した拳銃で軽々と受け止めたのだ。


「ほぉ?お前はセカンドの生き残りか?」


「お前もあの男ラスプーチンと同罪だ!俺達を造りだした張本人!ホーエンハイム!」



ホーエンハイムは頭に血が昇っているバサラを冷静に蹴り飛ばす。

バサラは飛ばされながらも体勢を立て直し、再びホーエンハイムに刃を向けて構える。




「ふっふふふ…ふはははははははは!」




そんな中、一人大笑いをあげる男がいた。


ラスプーチン!



「どうやら・・・私も観念すべきのようだ・・・アハハ・・・だが、お前達も・・・お前達も・・・道連れにしてやるぞ!アハハハハハハ!」




その時、床が揺れ初めて部屋の中央に「何か」が出現したのだ。

それは・・・巨大な水槽であった。

ホルマリンの匂いが充満し、その中には何か・・・何か人影が見える?


白い人影・・・


それは美しい妖精の少年だった?



「ふふふ・・・終わりだ!もう、終わりだ!これで、全てが滅びる!この私も!お前達も!もう誰も奴を止められはしない・・・滅びよ!世界!滅びよ!」




ラスプーチンは隠し持っていた二つ目のリモコンのボタンを押す。

同時に水槽の水が流れ出し、中の少年の指が動き出した。

それを見ていたホーエンハイムにも青ざめたのだ。

あのハイマスタークラスの力を持つ(らしい)ホーエンハイムが身体を震わしていたのだ?

一体、何が起きているのか分からない。


するとホーエンハイムが俺達に向かって叫んだ。



「奴を!あの化け物を早急に始末するのだぁ!さもなければラスプーチンの言う通り、この世界があの化け物に消されるぞー!」




ホーエンハイムは持っていたカミシニの拳銃を、その化け物に向けて連射させる。

あの慌てぶりは尋常ではない!

三千院と大徳はホーエンハイムの慌てぶりに、お互いの顔を見合わせ頷くと、同じく化け物に向けて気功を放ったのだ。


が・・・三千院達の攻撃が当たる手前で空間が歪み出し、ホーエンハイムと三千院達の攻撃が消えた。


「何だ!奴は!?」


「空間に俺達の技が飲み込まれたみたいだったぞ?」



三千院も大徳も未知の敵の存在に慌てる。



「奴は・・・あれは目覚めさせてはいけない化け物・・・まさか、ラスプーチンの奴・・・あの化け物を廃棄せずにいたのか!」



ホーエンハイムの口から聞かされる化け物の存在。


それは?



『あの・・・妖精を・・・消滅のファーストを!』




ファーストとは妖精の実験により生み出された最初の子供のクローン。

それは試験的に三体造られたのだったが、その一体が暴走・・・ファーストはカミシニのハイマスターレベルのホーエンハイムですら、始末出来ぬほどの化け物だった。

最終的にファーストの脳に埋め込んであった原爆レベルの小型爆弾を起動させ、一時的にその動きを止める事に成功・・・

その隙をつき、ホーエンハイムは暴走したファーストを封じる事が出来たのだ。




「残り二体も再び同じ繰り返しを犯さないがために、私と奴とで処分したはずだったが、奴め!処分せずに残していたのか?」


「ふふふ!消すには惜しい力だったからなぁ!だが、この化け物はカミシニ博士達でも手を余し、仕方なくこの遺跡に放置していたのだったが・・・もう良い!このまま世界を消してやるぞ!アハハハハハハハ!」


「キサマ!」


「ちなみにこのファーストには、脳内の小型爆弾は抜いてあるぞ?もう、誰も止められやしないぞ!ぎゃはははははは!」



気が狂ったかのように笑い出すラスプーチンの背後から、



「この狂人が!何処までも腐った奴だ」



静かに・・・背中から心臓目掛けて、短刀が突き刺された。



「あ・・・あれ?・・・ああ・・・ぁぁ…」



ラスプーチンは胸から血を噴き出しながら崩れ倒れたのだった。



「今度こそラスプーチンの最期だ!仲間の仇は討たせて貰ったぞ」




バサラの復讐に一つの結末がついた。

だが、一息つく暇はなかった。

何故ならラスプーチンが残した目の前のファーストの目が、ゆっくりと開かれたのだから。


その直後!


遺跡が揺れが始め、天井がファーストから放たれる膨大な気で崩れ落ちて来たのだ。



「ありゃ~こりゃ~想定外ですね~」



クロウリーはファーストの出現に、その場から消えようとする。


「ちょっと待てよ!」



俺は立ち去ろうとするクロウリーに向かって呼び止める。



「・・・せっかく助かった命を無駄にする気かな~?」


「ふざけろ!テメェには聞きたい事があるんだよ!」


「ん?それは何かな?」


「晴明をどうした?晴明を何処にやったんだよ!」


「ん?晴明?誰だねそれは?」


「俺達の前に来た僧侶達がいただろ?そこにいた髪の長い陰陽師の男だ!」




俺の説明にクロウリーは・・・



「あっ・・・あ~彼ね!知っているよ~!」




やはり、知っていたのか!


晴明・・・生きてるよな?




「彼に会いたいのかな?」


「俺は晴明を助けに来たんだよ!」


「う~ん!残念!惜しい!びみょ~!」


「なっ!どういう意味だ?」



俺はクロウリーのふざけた態度よりも、晴明が気がかりで苛立ち焦っていた。



「彼はもう死んでるから・・・てか、生きてると言うのかなぁ~あれは?いや!彼は生きてる!君の心の中に・・・って言うのはダメですかな?やっぱし?」


「ふざけるな!晴明は何処だ?今直ぐに出しやがれ!」



頭にきている俺を楽しむかのように、クロウリーは言った。



「彼なら、さっきから君の前にいるじゃないか?」


・・・えっ?


「ほんの少し見た目は変わってはしまっているが、ほらっ!そこに!」



俺はクロウリーの視線を追った。


そこには・・・



「いやぁ~なかなか良い素材だったんでねぇ~!素晴らしい実験体になったよ~彼は!」



そこには!!



「まさか!?」



先程俺達の邪魔をして、クロウリーの後に付き従う黒い身体の鬼神・百鬼夜行がいた。




「まさか・・・あいつが晴明だと?晴明だと言うのか?」



『晴明だと言うのかぁー!』




クロウリーは俺の叫びを無視して、百鬼夜行と共に飄々とその場を去るように地下遺跡の更に奥へと消えていく。



「待て!逃がすか!」



俺は一人去るクロウリーを追いかけたのだ。


「待て!三蔵!早まるな!」


「ダメだ!三蔵の奴、頭に血が昇って俺達の声が聞こえていないみたいだぞ!」




三千院の制止を聞かずに向かって行く俺に、



「俺が止めます!」


「蛇塚!頼むぞ!」




蛇塚が俺を追いかけて遺跡の通路の奥へと消えると、

同時にその通路が崩れ落ち塞がってしまったのだった。



遺跡は更に揺れ暴走するファーストを目の前に、ホーエンハイムが提案する。



「戦力が減ったのは痛いが、悪いが君達だけでも力を借りても良いかな?」


「良かろう!目の前のこの化け物を、放っては置けないからな!」


「三蔵は蛇塚に任せて、我々は目の前の化け物に集中せねばな!」



しかしホーエンハイムに敵意を抱くバサラは胸中穏やかではなかった。

今すぐにもホーエンハイムに斬りかかりたかったが、状況が許さなかった。



「だが、ホーエンハイムよ!この化け物を始末した後は、お前は俺が殺す!」


「セカンドの若者よ。この化け物を倒した後に私が生きていられたらな・・・」


「お互い様だ!」




生きていられたら・・・





そして俺はクロウリーを追って行く!



晴明・・・


鬼神と化した晴明をどうしたら良い?


そんな事は分かるらねぇ!


だが、俺は晴明を必ず取り戻してやるからなー!


次回予告


三蔵「まさかあの百鬼夜行が晴明の変わり果てた姿だったなんて・・・


しかも、あのファーストまで??


だが、悪い・・・俺は晴明を!晴明を!


何?そんな身勝手な俺に正義の制裁だと??


ナウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン!


俺は晴明のために鬼にも悪魔にもなるぜ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ