魔王クローリー!アルカナの脅威!?
ラスプーチンの罠でトラウマに苦しめられた俺達だったが、俺達は自分達の背負っている生きる重さから立ち直れた。
怒り、ラスプーチンに迫る俺達の前に現れたのは、カミシニ博士のクローリーと漆黒の鬼神・百鬼夜行と呼ばれる鬼神だった。
俺は三蔵!
俺達はラスプーチンのトラウマを呼び起こす卑劣な罠を破り、
ラスプーチンを追い詰めた。
だが、そこに新たな敵が現れたのだ!
漆黒の鬼神『百鬼夜行』と、カミシニ博士のクロウリー。
俺は目茶苦茶な強さの百鬼夜行に追い詰められ、トドメを刺される瞬間、何故か百鬼夜行の動きが止まったのだ?
何故?
百鬼夜行は俺への攻撃を止めて、クロウリーの隣に移動する。
「あいつ?何故、攻撃を止めたんだ?」
(それに気のせいか、俺の名前を呼んだような?)
俺の隣に起き上がったバサラと蛇塚が駆け寄る。
「大丈夫か?」
「ああ!」
「ラスプーチンまで後一歩なのに」
後方では、三千院が壁に埋もれた大徳を助け出していた。
「それにしても、あのカミシニの野郎!確かマスタークラスのはずだが?」
カミシニとは神を狩る者達の集団である。
その血には、神の力を無効にし、滅っする特殊な能力があるのだ。
奴らにはレベルに合わせて、マスタークラスと、その上にハイマスタークラスが存在する。
俺は過去にカミシニ達と戦った事があった。
その時の俺は手も足も出ない強敵ばかり相手に無力であったのだが、今の俺なら戦えるはずだ!
実際、俺はハイマスタークラスとも戦った事もある!
それに比べたらマスタークラスぐらいなら太刀打ち出来るはずなんだ。
そんな俺の心を読んでかクロウリーが突然説明し始めたのである。
「あれ?あらら?良く見たら君は!昔、東京タワーで出会った少年じゃないですか?カミシニの血を受け入れて生きてらしたんですねぇ?」
「覚えていたか!」
「いやぁ~奇遇ですねぇ~で、他の皆さんは?ん?はて?四人の僧侶?あっ!もしかして君達は転生君と輪廻ちゃんと戦っていたとか言う四人の僧侶ですか?」
「?」
俺はサッパリだったが、どうも四人には心当たりがある様子だった。
てか、あの時?あの戦いにコイツ達も関わっていたのか?
「いやぁ~なるほど!君達は仲間だったのですね?なるほどね~君達が転生君と輪廻ちゃんを引き付けていられたから、私達の戦力を奪われてしまい、あの戦いは負けてしまったみたいですからねぇ~!いやぁ~参った!参った!本当、お見事でしたよ!」
「よく喋る奴だ!」
俺は警戒を解かなかった。
「ふふふ・・・マスタークラスの私が、異常に強くて不思議そうな顔つきですね?」
「・・・・・」
「そうですね~!一つ教えて差し上げますよ?ハイマスタークラスとマスタークラスの違いは何だと思いますか?はい!お答えします!この差は、血の純潔度なんですねぇ~!お分かりですか?純潔度!アライブさんから戴いた血の適合力と、その濃さの差なのです」
俺達はよく喋るこのクロウリーって男に、ただ唖然とするばかりであった。
「つまり!個人の能力、力に関しては比例はしていないのです。きっぱり!まぁ、血が濃いに越した事はないですけどねぇ~!イロイロと特殊な力も使えて便利ですしね。私に関しては~このタロットカードで血の能力分は十分に補えています。このタロットカード便利なんですよ?私の特殊な取って置きの玩具なんですよ」
クロウリーはタロットカードをトランプのように切っていた。
「このタロットカードに宿るアルカナには一枚一枚に特別な力があるのです」
「さっきからベラベラと煩い奴だ!良いのか?手の内を喋ってよ?」
俺はクロウリーに向かって飛び出していた。
とにかくカミシニが相手なら、俺のカミシニの能力が宿る降魔の剣が有効なのだからな。
バサラと蛇塚が後に続く!
クロウリーは迎え撃つ態勢の百鬼夜行を控させて、ニヤニヤとタロットカードを数枚引くと、その力を現したのである。すると先に飛び出した俺の背後から蛇塚の声が!
「三蔵!後ろだ!」
なっ!?
俺は蛇塚の声に反応して背後に迫る何者かの攻撃を躱した。
一体何だ!?
そこには馬鹿でかい鎌を持った黒装束の者がいた?
「コイツいつの間に!」
見ると、金髪野郎の前には羽のある化け物が道を塞いでいたのだ。
「その二体はアルカナのカード『死神』と『悪魔』です。私の手足となって働いてくれる頼もしいカードの兵なのです」
更にクロウリーの前に五体のアルカナと呼ばれる魔物が現れる。
『正義』『魔術師』『女教皇』『教皇』『愚者』
その隙間を縫うようにバサラが突進する。
「さて、彼達の相手をしてさしあげて下さい!アルカナ達!」
正義のアルカナが剣を持ちバサラに迫る。
バサラはその攻撃を持ち前のスピードで躱しながら抜き去り、黒刃の短刀を手にターゲットをクローリーからラスプーチンに変えて攻撃を仕掛けたのだ。
「あら?彼の狙いはラスプーチンさんですか?」
バサラが正義のアルカナを突破した所で、魔術師のアルカナが呪文を唱えていた。
魔術師から炎がバサラに向かって放たれる。
バサラはその攻撃を飛び上がり躱し、急降下してラスプーチンに短刀を突き刺したのだ
「!!」
が、バサラの突き刺したラスプーチンの姿が変わっていく?
「残念!それは身代わりのアルカナ。愚者ですよ!」
バサラが振り返ると、教皇と女教皇が取り囲んでいた。
「!!」
するとバサラが身動きを止めて、戦意を喪失した状態でひざまずく。
「力が・・・力が出ない・・・」
「教皇のアルカナの力の前では対象者は無力と化すのです。ちなみに貴方は特別みたいなので女教皇のアルカナでダブルアタックです!もう手足すら動かせないんじゃないですか?」
何だ・・・この能力は??
この状況でアルカナとかいうカードから現れた魔物と戦わなきゃいけないなんて!
しかも、並の強さじゃねぇぞ!?
俺は死神のアルカナの攻撃を躱すだけで精一杯だったのだ。
そこに三千院と大徳が戦いに参戦する!
「どんどん行きましょ~う!」
『皇帝のアルカナ!』
皇帝のアルカナが現れ両手を上げてから下ろすと、部屋中にとてつもない重圧がかかった。
「ぐはぁ!」
「これは・・・重力か?」
三千院の足も止まってしまう。
「皇帝のアルカナの前では全ての者がひざまずくのですよ!」
が、そこに一人突進する者がいた。
この重力の中で動ける者と言ったら?
当然、大徳であった。
「うおおおおお!」
「おや?重力をものともしない凄まじい力ですね!」
いけ!大徳!そのまま奴を!
が、大徳の動きが止まったのだ。
一体、何が?
それは天井より吊されていたアルカナ
『吊るされた男』
そいつは天井より蜘蛛の糸のような物を伸ばして、大徳の身体に絡み付かせて動きを止めていたのだ。馬鹿な・・・大徳まで?
「まだだ!」
三千院は両手に紅い気を集中させていく。
『羽輪気羽囲矢!』
※ウワキワイヤ
羽吹雪のように無数の矢が射られるとクロウリーを取り囲む。
「滅殺!」
三千院の矢がクロウリーを取り囲んだ後、前後左右から集中攻撃したのだ。
「見事ですが残念~」
『審判のアルカナ!』
クロウリーの出したカードが、光り輝くと空間が歪み始める。
すると三千院の放った矢が消えて、逆に射った三千院の正面に現れて襲ったのだ!?
「何と!?」
三千院は自分の放った無数の矢を出現させた錫杖を回転させて打ち落としていく。
俺と蛇塚も死神と悪魔のアルカナに苦戦していた。
死神のアルカナは俺が攻撃をする度に目の前から消えて、気付くと背後から首もと狙って攻撃が返って来るのだ。悪魔のアルカナは蛇塚に対して奇策な攻撃を繰り出す?物理攻撃と魔術攻撃!さすがの蛇塚も自分自身のお株を取られて攻めあぐねているようだった。
「あれ?もう終わりですか?もう少し楽しませて欲しかったんですけどねぇ~残念です!」
するとクロウリーは、戦っている俺達がを見ながら扉の向こうを見て言った。
「そういえば、さっきからそこに隠れている貴方は参戦しないのですか?」
えっ?
俺達の他に誰かいるのか?
そこに、呼ばれて一人の男が入って来たのである。
見るに50歳前後の銀髪の渋い男?
クロウリーは、現れたその男の正体を見るなり
「ほおお~!こりゃ~お久しぶりですね~!いやはや、まさか君がいらっしゃるとは!驚きですね~」
何?いや!
そういえば、俺も何処かで見たような??
そうか!!
東京タワーの時にいた奴か?
確か三人のカミシニ博士の一人の!!
そして、バサラもまた心当たりがあるようだった。
バサラは肩を奮わせ怒りを込み上げていた。
そいつは、妖精達の産みの親であり、
「いらっしゃい!パラケルスス氏!いや?」
『元ハイマスタークラスのパラケルススさん』
何だと!!
こんな危機的な状況で・・・
更に、元ハイマスタークラスが現れただと?
クッ!マジに絶体絶命なの・・・か??
次回予告
三蔵「何なんだ!?カミシニ博士って、東京で現れた時はただの雑魚だと思っていたのに、こんなに厄介で強いなんて!!しかも元ハイマスターのパラケルススだって?
確か、クシナダや無意識の俺と紙一重で戦った凄腕の奴じゃなかったか?
ナウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン!
マジ勘弁してくれよ~」




