血の雨計画始動??三蔵の復活!?
不動明王との友情で再び死の淵より蘇った三蔵だったのだが・・・
物語はさらに進む
東京タワーの頂上ではカミシニのリーダーであるアライヴと、救世主ヤマトタケルの頂上対決が繰り広げられていた。
「さぁ!世界の未来を消して差し上げましょう!救世主の最期とともに!」
「終わらない!未来は決して消えたりはしない!」
アライヴの槍とヤマトタケルの剣がぶつかり合う!
その衝撃は凄まじい閃光を放っていた。
二人は東京タワーの柱を翔けながら戦っていた。
アライヴの槍の突きがヤマトタケルに迫る。
「速い!」
「これを躱せられますか?」
ヤマトタケルは鋭いアライヴの突き出す槍に苦戦する。
そして足場に衝撃を受けて体制を崩したのだ。
そこに間髪を容れずに槍先が迫る。
「セェィヤア!」
ヤマトタケルは己の剣を突き、その剣先を迫る槍先にぶつけたのだ。
閃光が二人を飲み込みお互い衝突でタワーの足場の端まで弾き飛ばされる。
「グッ!まさか一寸のズレもなく…私の槍先に当てて来るとは…噂以上です!」
「流石に強いな…」
「貴方の力なかなかですね?私の槍を全て受けきるとは!しかし、まだまだ…
世界を救う救世主にしては力不足でしょうか?私は力の半分も出し切ってはいませんよ?」
「…のようだ。だけど僕もまだ諦めてはいないさ!それに手の内を全て見せたつもりはない」
「そうですか?今までのが本気じゃないと?やはり危機感が足りないのですかね?」
「?」
すると、アライヴは上空を指差した。
そこには宙に浮かぶ巨大な心臓見えていた。
あれが破裂したら東京に赤い雨が降る。
それだけは阻止しなければならないのだ。
八百万の里の悲劇を繰り返さないためにも…
だが、その宙に浮かぶ心臓に異変が起きていたのである。
タワーの頂上にはカミシニ博士であるクローリーとシュタイン博士が血の雨計画の錬金術を行っていた。タワーの中心には怪しげな装置にアマテラスの身体より抜き出した魂[少女の姿]が埋め込まれていた。
彼女の雨降らしの力を媒介にして血の雨を東京…
いや?日本全土へと降らす計画なのだ!
「さ~て!いよいよですよ~?シュタイン博士も用意は宜しいか?」
「心配ない!私は空間数式を計算し終えた。上手くいけば今日中にはこの島国全土が血の雨に染まろう!」
ホムンクルスの魔法陣の形が二人のカミシニ博士により書き換えられ、更に異様な魔法陣へと変わる。宙に浮かぶ巨人の心臓が膨張しながら脈打ち、異様な赤い霧が空を覆いはじめる。
「まさか!既に起動しばじめているのか!」
「よそ見は禁物ですよ!」
アライヴの攻撃が再び始まった。
「クッ!」
(間に合ってくれ!分かれ目の時は間近だぞ?)
上空の変化に気付いたのは、代々木公園で戦っていた者達も同じであった。
「何だありゃ!」
「………!」
蛇塚とバサラと同じく転生と輪廻も戦いを中断する。
「どうやら始まったようですね…」
「どうする?」
「一度、アライヴ様と合流しましょう…見た所、この程度の結解では赤い雨は防ぎきれないでしょうが邪魔はされたくないですからね」
「わかったわ!」
そう言うと二人は戦線を離脱しようとしたのである。
「待ちやがぁれぇ!逃げるつもりか?てめぇら!」
そこを蛇塚が止めたのだ。
「てめぇらを…このまま行かせる訳には行かないんだよ!」
そう言うと、蛇塚の身体に赤い蛇の紋様が浮き出す。
この二人を向かわせたら完全に戦局が傾く事を理解していたから。
「俺の中の蛇神の力!キサマ達に食らわせてやるぜ!」
蛇塚が右腕を上げると身体中の紋様が集まって、深紅に染まっていく。
「どうやら何かするつもりのようですね?殺してしまわないと身の程を理解出来ないみたいですね!」
「奴達に直接なダメージを与える事が出来るのは俺だけなんだ!だったら方法は一つ!」
すると蛇塚は待機している仲間の僧達にむかって叫ぶ。
「皆さん!例の新技を…明王合体陣を俺に!」
「馬鹿な!お前には無理だ!」
止めるバサラの肩に手を置く大徳が首を振る。
そしてリーダー格の三千院が許可をした。
「あの技に耐えられのは、唯一私だけだ…だが、カミシニ相手に致命的な技を持っているのは蛇塚の一撃のみなのも確か!許可しよう!後は蛇塚に任せよう!」
三千院と大徳にバサラは従い静かに頷く。
「ありがとうございます!三千院さん!」
すると三千院、大徳、バサラが印を結びながら真言を唱え始めたのだ。
彼達の体から三体の明王が出現し、奥義を発動させようとしていた蛇塚の体内へと入って行く。
「これがぁ!」
『四大明王合神だぁ!』
蛇塚の身体から凄まじい力が噴き出し、その身体が力に耐えられずによろめき膝をつく。
「俺は負けねぇ!負けてたまるかぁー!」
だが、気合いで持ち直した蛇塚は踏ん張り、再び体勢を立て直し立ち上がる。
瞬間!
蛇塚の掌が光り輝き凄まじい力の波動が代々木全体を覆う。
蛇塚の身体から巨大な赤い蛇の形をしたオーラが転生と輪廻に向かって放たれたのだ!
「!!」
「ちょ…ちょっと!」
『きゃあああああ!!』
そのまま赤い蛇のオーラは二人を飲み込んでいく。。
「ウググ…やったかぁー!?」
三千院が叫ぶ!
「油断するなぁ!奴達はまだ生きてるぞ!」
見ると、蛇のオーラに飲み込まれる直前に黒い鎧を纏い蝙蝠の翼を生やした転生が、黒鎌を盾に受け止めていたのである。
「ぐううううう!」
「こうなったら、どっちが先にぶっ倒れるか勝負だ!うりゃあああ!」
凄まじい力のぶつかり合いが代々木公園を中心に広がっていき、強烈な閃光が走った瞬間、その場にいた者全てが力の渦に飲み込まれ吹き飛んだのだった。
『ぐわあああああああ!』
場所はさらに、転換する。
東京タワー展望台内。
ここには驚くクシナダの前に、今まで瀕死状態であったはずの三蔵が炎に包まれながら立っていた。
「三蔵さん?」
だが、俺は返事を返さなかった。
いや?まだ意識が戻ってなかったのだ。
そこに赤い雨の秒読みに控えて、生き残っていたマスタークラスのカミシニ達が展望台に集まって来たのである。
展望台には立ち上がった俺とクシナダ。
それにクシナダと交戦中だったパラケルススが残っていた。
「人間の男が何故こんな場所にいるのだ?」
この場にいるはずのアライヴ率いるハイマスターが一人もいなく、目の前には裏切り者のクシナダが解放されている。しかも辺りにはクシナダに倒された仲間達がやられていたのだ。集まって来たカミシニ達は状況を把握する。
「殺してしまえ!」
入って来たマスタークラスの五人が、クシナダと意識のない俺に向かって襲い掛かる。
「まだ意識の戻っていない三蔵さんを庇いながら戦える?やるしかないわ!」
クシナダの身体も回復していなかった。
それでも三蔵を庇うように鞭を向けるて戦う姿勢を見せる。
「三蔵さんだけでも守ってみせる!」
クシナダに襲い掛かるカミシニ達に向かって炎の数珠が放たれる。
クシナダが振り返ると、片手をカミシニ達に向けて立っている三蔵がいた。
「まさか…三蔵さんが?意識が戻ったの?」
しかしカミシニ達は突然飛んで来た炎の数珠を、己の血より造った剣で意図も簡単に斬り消す。
「馬鹿め!俺達に神の力は通用しないんだよぉ!」
そうなのだ!マスタークラスのカミシニ達は、己の血を武器に変える。
しかも、その武器は神の力を無効化するのだ。
しかし三蔵も今までにない変化が起きていたのだ。
三蔵の身体からは想像以上の血が床を染めていた。
それが次第に蒸発しながら手元に集まって来る?
しかも血蒸気はさらに集まりながら何かを造りあげていたのだ。
それは、真っ赤な刃の燃え盛る剣であった。
三蔵は目の前に出現したカミシニの血で誕生した燃え盛る剣を握ると、襲い掛かるカミシニ達に向かって剣を振り払っていた。
「馬鹿め!俺達に神の力は通用し…」
だが三蔵の出現させた剣はカミシニの剣をも斬り裂き、カミシニ本体をも一刀両断にしたのだ。
断末魔をあげる暇なく、そのまま消滅するカミシニの男。
その一部始終を見て驚きを隠せないクシナダは、
「間違いない…三蔵さんの持っているあの炎の剣はカミシニの血で造られた武器だわ!しかも三蔵さん…神転血しているの?」
そして三蔵は閃光の如き動きで移動すると、
展望台に登ってきたカミシニ全員を一人で瞬殺させた。
「凄い…これが人間の力なの?スサノオ達みたいに神の転生者ならまだしも…強すぎるわ?」
その時クシナダは思い出す。
クシナダは幼少より未来を見通す力があった。
その力をアライヴは重宝し、神の隠れ家や居場所、ヤマトタケルが現れる未来も全て当てた。
未来を見通す巫女…
それがクシナダの持つ特集な力だった。
そんなクシナダがアライヴにも伝えずに見た未来に、人間である三蔵が現れる。
微かに頭に過ぎるような曖昧な未来予知?
巫女であった名残のような力だが、この戦いの前にもクシナダは予知していたのだ。
この神々の戦いに人間である『三蔵』と言う男が未来を動かす鍵になると…
「三蔵さん…貴方は一体…何者なの?」
その時だ!クシナダの目の前で俺が危機に?クシナダと戦っていたカミシニ博士のパラケルススが、気配なく俺の間合いに入りカミシニの銃口を俺のコメカミに押し当てたのだ。
しかも俺は未だに意識が目覚めていなかった。
「驚くべき若者だ!いや?もはやカミシニ化しているよだな?しかし私には分かる。いずれこの少年はアライヴ様に牙を向けるだろう!アライヴ様には恩があるのでな?消えて貰うぞ?」
「パラケルスス!いつの間に!?」
パラケルススはカミシニ3博士の一人である。
だが、その力はかつての七賢者であるクシナダよりも力を持った強者なのだ。
「ゼロ距離からの私の銃からは躱せまい?サラバだ!人間の若者よ!」
パラケルススの銃が火を吹いた!
「三蔵さーん!」
「クッ!」
驚いたのはパラケルススの方であった。
ゼロ距離からの銃弾に臆する事なく三蔵は身を一歩引き僅かな動きで躱したのだ。
そしてカミシニの剣をパラケルススに向けると、パラケルススもまた銃口を再び三蔵の顔前に向けお互いの剣と銃口が寸前で止まったのだ。
「………」
するとパラケルススは銃口を下げて、腕をコートのポケットに入れると何も言わずに戦いから身を引いたのだ。
「パラケルスス?」
「私には私情でやるべき事があるんでな?この場で刺し違える訳にはいかんのだよ」
そう言ってタワーの階段より降りて行った。
パラケルススは感じていた。
俺に対して何かの縁を…
「何故だろう?あの若者には再び出会う事になる気がした。それが私の目的に関わるような…予感?ふっ…後は運命の流れに任せるとしよう」
残された三蔵は無言で東京タワーの展望台から上空を凝視していた。
「?」
すると何を血迷ったのか?
展望台の窓を割って、外へと飛び出したのだ。
「……え?」
そうそう!
ここは東京タワー…
「えっーー!きゃあああ!三蔵さーん!」
クシナダの悲鳴に似た叫び声で俺は目覚めた。
あれ?
凄いG(重力)を感じるぞ?
て、ここは何処だ?
あっ…
どうして俺が東京タワーから落下してんだよぉー!?
「うぎゃあああああ!」
俺の悲鳴が東京タワーに響いた。
次回予告
三蔵「ようやく復活したのに目覚めてみたら、
何だよ~この状況は??
しかも血の雨計画も始まるって?
あ~面倒だぁー!!良し!分かった!
ナウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン!
全て俺が万事解決してやるぜーー!!」




