太陽神アマテラスの賭け？禁術解禁！！
不死のカミシニであるデッドマンと対峙するスサノオ！
しかもデッドマンはスサノオの姉であるアマテラスを倒したと告げた。
そして、物語は遡る。
今から時を少々遡るとしよう。
アマテラスがスサノオを先に向かわせた後へと…
「行かせねぇーよ！」
デッドマンはスサノオの後を追おうとした。
タワーの鉄柱を足場に踏み込もうとした時、その足場が高熱で熔けデッドマンはタワーから落下したのだ。
「お前、足元ががら空きだよ！」
落下していくデッドマンは指先で合図をすると、飛行して飛び回っていたカミシニ達がアマテラスに襲い掛かったのだ。
「私一人に男が群れるのも嫌いじゃないけど、お前ら私の趣味じゃないわ！」
直後、アマテラスの身体から閃光が放たれ、凄まじい高熱が襲い掛かる飛行カミシニ達を一瞬で消滅させたのだ。
が、落下していくデッドマンが叫ぶと同時に、
「お前ら！俺に殺されたくなければ死んでも、その女を仕留めろ！」
「！！」
隠れていたカミシニ達が現れて来て、死にもの狂いでアマテラスにタックルを仕掛ける。
カミシニの何人かはアマテラスに触れた途端に消滅していく。
が、体制を崩されたアマテラスも落下したのだ。
「うわぁあああ！」
アマテラスは地面に直撃する寸前に、
「閃光呪行宙！」
※センコウジュギョウチュウ
光に包まれながら宙に浮く。
そして大地にゆっくりと着地した。
「あいつは何処だ？地面に衝突して死んだか？」
アマテラスが周りを見回そうとした瞬間、背後から声が聞こえたのだ。
「んな訳ねぇーだろ！」
アマテラスの首を狩るかのようにデッドマンの大剣が振り払われたのだ。
「クッ！」
アマテラスは咄嗟にしゃがんで躱し、逆立ちの如く両手を地面に付けて両足を回転させながらデッドマンの顔を蹴り倒したのだ。
「ぐはぁ！」
デッドマンは尻餅を付くも、大剣を杖にして立ち上がる。
そして…
「いてぇ～な？首が折れちまったじゃねぇかよ？」
「！！」
アマテラスの蹴ったデッドマンの顔面は焼き焦げ、首が折れ曲がっていた。
にも拘らず、平然と立ち上がった時にはデッドマンの顔は元通りに再生していたのだ。
「お前！不死身かぁ？」
「俺は不死身のデッドマン！俺を相手にした地点でお前は終わりだよ！」
アマテラスはデッドマンに一瞬、恐怖を感じた。
その男の持つ不死身の肉体や潜在能力に底が掴めなかっただけでなく、その存在の圧倒的な何かに本能が恐怖を感じ取ったのだ。
「こいつ…何者？」
「あ～ん？分かりきった事だろ？俺は神を狩る者だよ！」
デッドマンが大剣を構えた後、アマテラス目掛けて突進し襲い掛かる。
「たとえ…お前が何者でも！スサノオの邪魔はさせない！お前は私が冥土へ連れて行くわ！」
『あの日より封じていた私の禁術を使ってでも…』
アマテラスの禁呪？
アマテラスは幼き頃、その有り余る力を暴走させ八百万の里を滅ぼしかけた事があったのだ。
それは太陽神たるアマテラスの力だった。
太陽神…
太陽神は他の神よりも格が上位と見なされ、その力を持つ者は全て最高神として崇められるほどであった。何故なら太陽神は、この地球を滅ぼす力を与えられた特別な神なのだから…
その力を幼きアマテラスは好奇心で力を解放させ暴走させてしまった事があったのだ。
その被害は村を壊滅させるほどであった。
父神イザナギと母神イザナミは他の神達と協力し、何とか強力な結解で造った祠にアマテラスを閉じ込めたのだった。
だが、その力の暴走は結解をいつ壊してもおかしくなかった。
もし再び暴走したアマテラスが外へ出たら世界をも飲み込むだろうと予言され、やむ無く父神イザナギは幼きアマテラスを殺す事を余儀無くされた。
そんな時、祠に近付く者がいたのだ？
それが産まれ間もない幼きスサノオであった。
スサノオは結解の力を受ける事なく祠の中へと入って行った。
次の日、父神イザナギが祠に現れた時に目の当たりにしたのは、赤子のスサノオを抱いて立っている正気を取り戻した幼きアマテラスの姿であった。
あの時、スサノオとアマテラスの間で何があったのかは分からないが、その日以来アマテラスは自らの力を制御出来るようになっていた。
「大丈夫…私はもうあの頃の私じゃない！必ずこの力を使いこなしてみせる！」
「何をするつもりか知らねぇが！やらせる前に死なす！」
デッドマンがアマテラスに迫った瞬間、凄まじい力がデッドマンを弾き飛ばす。
「グハァ！なぁ？何だぁ～？」
デッドマンはアマテラスの変わり果てた姿を目にした。
身体中が熔岩のように真っ赤に輝き、凄まじい高熱を放つアマテラスを。
例えるなら、それは人の形をした太陽であった！
「太陽神のみに許された破滅の力」
『太陽人形』
「デッドマン！お前はこの世から跡形もなく消滅させてやるわ！」
アマテラスの変化にデッドマンも焦りを感じていた。
何故ならカミシニが唯一苦手とするのが太陽神であったから。
「チッ！めんどくせぇ～な？破滅の力ぁ～？はぁ～？教えてやるよ！お前が神である以上！俺には勝てねぇーって事を！」
二人がゆっくりと足早に駆け出し、激突する。
「んなぁ？アチィ！アチィ！アチィ！」
お互いが触れ合った瞬間、デッドマンの大剣が熔けだして、その熱が伝わりデッドマンの腕を燃やし発火した。デッドマンは素早く離れ、自らの失った腕を見る。
「マジかよ…化け物みたいな女だな？」
「お互い様よ！」
アマテラスの前でデッドマンは失った腕の付け根に噛み付くと、そこから血が垂れ流れると、失った腕が再生していく。
「再生出来ないくらいまで、お前を消滅させるまでさ！」
「出来るのかぁ？そんな身体でよ？」
アマテラスは息を切らしていたのだ。
人形太陽は自らの力を極限にまで高めた状態を制御し維持する技。
下手をしたら自らが世界を飲み込む技でもあるのだ。
つまり短期決戦技なのである。
「なら自滅を誘うのがセオリーだよな？」
デッドマンは腕をあげて指先を鳴らす？
「何を？…はっ！」
デッドマンの合図で地面から何かが現れたのだ。
それは液状の物体？
見る見るそれは人の形となって、デッドマンの姿へと変わっていく。
しかも、数十…数百もの！
「姉さんの相手はそいつ達に任せるとするぜ？でも油断すんなよ？俺の分身だからよ！」
「何を？」
デッドマンは戦いの最中に自らの血を辺り一帯に飛び散らせていた。
その血は分身体へと成長していたのだ！
「そんな訳で俺は退散するぜ？あばよ！」
デッドマンは分身達にアマテラスを任せると、東京タワーの頂上を見上げ登ろうとする…
「行かせないわよ！」
追おうとするアマテラスの道を塞ぐように、デッドマンの分身体達が一斉に襲い掛かりアマテラスにのしかかっていく。
その時、デッドマンの集団に押し潰され山積みの中から閃光が走った。
するとデッドマンの分身達が蒸発するかのように消滅していくではないか？
「美女に群がる悪い虫には興味ないのよ！」
アマテラスは東京タワーに登って行った本体のデッドマンを見付けると、その身体は更に高熱を増していきながら宙に浮く。
「逃がさないよー！！」
アマテラスはデッドマンを追い飛び上がると、瞬時に追い付いたのだ。
「しつこい女だぁ！マジストーカーかよ？たがな、俺はお前には飽きたんだよ！」
「安心しな！あんたみたいな屑はこっちが願い下げだよ！ただね？私にも女の意地があるのよ！狙った相手は必ず仕留めないと寝覚めが悪いのよ！」
アマテラスはそう言うとデッドマンの足場を溶かし、落下するデッドマンを抱き締める！
「うぎゃああああああああああああ！」
デッドマンの身体が蒸発していく！
が、同じ速度で再生を繰り返す！
「私の力が尽きるのが先か？お前の再生力を上回り消し去るのが先か？最後の勝負よ！」
「ひゃひゃひゃあ！女に抱かれるのは嫌いじゃねぇー！熱々のラブコールに応えてやるよー！だかな？俺は死なねぇー！不死のデッドマン様よー！」
『二度と甦られないように、その魂ごと消し去ってやるー！』
東京タワーの中心から強烈な閃光が東京中心に広がった。
光は…
静かに消える。
そして最後に残ったのは？
アマテラスが胸を貫かれデッドマンが勝利の雄叫びをあげた姿だった。
「しつこい女だったぜ！」
デッドマンはアマテラスの肉体を逆に自らの血で消し去ろうとする。
「お待ちくださいませ！デッドマン様？その者の身体は私に頂けないでしょうか？」
デッドマンを呼び止めのは白衣姿の男であった。
その者はカミシニ博士と呼ばれるクローリーであった。
「はぁ？クローリー？お前が肉体収集家なのは知っているが、俺の邪魔はすんじゃねぇよ？」
「いえいえ！実は血の雨計画に、その者の身体が必要なのですよ～」
「こいつの？」
「実はホムンクルス殿が計画途中で退場してしまいましたから、雨降らしの装置が起動しないのですよ～はてさて残された我々も困っていた所に、都合良くその女の身体を見つけたものでしてね？」
「あん？この女を何に使うんだよ？」
デッドマンはアマテラスの身体を無造作にクローリーに投げ付けると、クローリーは受け止めタワーの柱に貼り付けにする。
「まぁ～見ていてくださいませ！私の秘術錬魂術を！」
するとクローリーの両手が光輝くと、アマテラスの身体に押し付けたのだ。
アマテラスの身体を光が覆うと、その姿は小さくなっていき、幼女の姿へと変わる？
「何をした？」
「この女は太陽神であると同時に雨降らしの神でもあるのです～。この姿を稚日女尊と呼び、この女の身体を装置に組み込ませて雨を降らせる核にするのですよ～！何て画期的な有効活用でしょう。ホムンクルス殿の計画は私が引き継ぎますからお任せくださいませ」
「はぁ？まぁ良い！後は勝手に上手くやってくれ？俺はアライヴに近付くウジ虫連中を始末に向かうぜ！」
そう言ってデッドマンは再びタワー頂上へと駆け上がって行った。
そして、再び時は戻る。
今、デッドマンの前にはスサノオが対峙していた。
アマテラスを葬った強敵デッドマンにスサノオは勝てるのだろうか？
次回予告
三蔵「えっ？あの閃光の中で何が起きたんだよ？
てか、マジにどうやって倒せば良いんだ？あんな化けもん！！
す・・・スサノオ！信じているからな！」
