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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
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スサノオ猛る!対決デッドマン!!

ピンチのクシナダの前に現れたのはヤオヨローズのリーダーのスサノオであった。

ついにカミシニのリーダーであるアライヴの前にしてスサノオが一族の仇を討つのか!?


クシナダのピンチに現れたのは八百万の神のリーダースサノオだった。

スサノオは背中越しにクシナダに伝える。



「下でヤバくなっている三蔵を見た。クシナダ!お前は三蔵を見てやれ!」


「だ…だけど…」


「行け!後は俺がお前の分も引っくるめて戦ってやる!俺を信じろ!」


「わ…分かった…スサノオ…死なないで!」


「当たり前だ!」


(それに…これからの戦いは、お前には辛いだろうからよ…)



クシナダは傷の痛みを堪えながら、三蔵のいる展望台に向かった。

クシナダが出ていくのを見届けた後、スサノオはアライヴに向かって行く。

そして剣を向けて叫んだ。


「テメェか?テメェが…父神を…母神を…里を…そして、あの女を泣かせたカミシニのリーダーって奴かぁ!」



スサノオは怒りが込み上がる。


そう…長かったカミシニとの戦い…


仲間達の無念を背負い!


悲しみを、怒りを…


この日、この時まで堪えていたのだから!



「うぉおおおお!おおお!」



飛び出したスサノオは草薙の剣をアライヴの眼前に振り下ろす。

が、アライヴは微動だにしない。

そこに、割って入るかのように現れた男が、スサノオの剣を受け止めたからだ。


そいつは赤い長髪の男だった。

カミシニのナンバー2とも言える。

名をデッドマン!



「俺との戦いの最中に何処に行く気だぁ?あ~?」


「テメェ!俺の邪魔するなぁー!」



スサノオの振り払った剣を難無くデッドマンは受け止める。



「テメェは…姉貴が相手していたはずだが?姉貴はどうした!」


「あん?あ~!あのしつこい女か?」



お互い剣を交えながら力勝負になった時、デッドマンは笑みを見せてスサノオに答えたのだ。


「邪魔だから、殺っちまったよ~カッカッカッ!」


「何だと!?」


スサノオは直ぐさま地上に念を送る。

地上では、まだ仲間達がカミシニの大群とが戦っていた。


そうなのだ…


スサノオがこのタワー頂上にまで来るまで、仲間達の助けを借りて道を切り開き、

この頂上にまで来れたのだ。





話は、少し前までの戦闘時。


月読にクシナダと三蔵を連れ去られた後は、タワーより降りてきたカミシニ大群との乱戦。

しかし、あまりにも数に戦力差が有りすぎた。

一人一人消えていく仲間達を残し、スサノオ達ヤオヨローズはそれでも東京タワーの頂上を目指して駆け上がった。


落下していく仲間達…

自分を庇ってカミシニの攻撃をくらう者…


「俺は仲間達の死を背負って来たんだ!」



だが、ここへ来る途中で厄介な敵が現れた。

それは赤い長髪のカミシニだった。

そいつは突然頂上から落下して来たのである。


奴は戦っているスサノオ達に気付くと血をロープのようにタワーの柱に絡み付けて落下のスピードを抑えたかと思えば、再び血を大剣に変えて東京タワーを駆け上がっていたスサノオや仲間達に襲い掛かって来たのだ。


スサノオは仲間を庇いそいつと激突した…


「オリャア!」


そいつの武器は大剣…


『ブラッド・クレイモア』


奴は大型の剣をまるで棒切れを振るうかのように扱っていた。

一撃の重さが半端ない。


「邪魔だぁー!」


「活きの良い虫けらだな?せっかくわざわざ遊びに来たんだぜ?あんまり俺を邪険にするんじゃねぇーよ!」



そこに、


「スサノオ!そいつは私に任せな?あんたは上を目指しなさい!」



アマテラスが割って入りスサノオを先に行かせたのだった。


スサノオは知っていた。

アマテラスがヤオヨローズで最も強く負ける事がない事を。




「姉貴がこんな野郎に殺られるはずねぇ!」



スサノオの動揺を他所にアライヴは上空を見上げていた。


「どうやら時間のようですね…」



突然、アライヴが上空を指差したのだ?


空?空に何が?


そこでスサノオは再び驚愕したのだ。


東京タワーの上空にはまるで『心臓』のような?

信じられないくらい巨大なモノが浮いていたのだ。

それは、東京ドーム十数個分まで膨れ上がった心臓であった。


地上からは全然気付かなかった。

それは特殊な魔法陣で消されていたためであった。


「あれは一体何だ!?」


「ふふ…教えてあげましょう。あれは、まさしく生きた心臓!しかもカミシニの血を大量に含んだ心臓です。そして、あれはもう直破裂します」


「破裂だと?」


『!!』


スサノオは理解したのだ。


血の雨の正体…


それは、あの巨大な心臓の中にある大量の血が降るって事なのだと。



「あの心臓は巨人族の生きた心臓なんだぜぇ?この時代に奴達を見つけ出すのはマジに苦労した。俺達は奴達を狩った後、その心臓をえぐり出し、特殊な方法でカミシニ化させて保存していたんだ。本当に地味な作業だぜぇ!」


「複製させて降らせた雨は失敗に終わりましたからねぇ…一人もカミシニ化出来なかった…いや?スサノオが生き残ったみたいですね?」



デッドマンとアライヴはスサノオを嘲るように見下ろしていた。


「里の雨も、こんな馬鹿げたモノで…」


「不思議ですね?どうやら君もクシナダさんみたいに私の血の洗礼を受けていても、私に逆らえるみたいですね?どういう原理なのでしょうか?」


「神転血したんだよぉ!お前らカミシニを殺すためになぁ!」


「神転血?」



それはアライヴも聞いた事のない言葉だった。

カミシニの血は上位種には逆らえない理を無視した変化である事は間違いなかった。



「こいつを分解して調べりゃ良いだろうよ!」


「あんまり跡形もなくしないでくださいよ?デッドマン」


「分かってるよ!」



アライヴはデッドマンにスサノオを任せて立ち去ろうとする。


「逃がさねえよ!待ちやがぁれぇ!」


「?」


「お前の目的は何だ!何故神を狩る?何故雨を降らせるのだ!」


「直に分かりますよ…直にね?」


(そう…既に来ているのだから…)



立ち去ろうとするアライヴに向かって行くスサノオに向かって、

デッドマンが体当たりを仕掛けて来たのだ。


「話は終わりダァーッ!」


「ぐぅうう!ぐぅわあああ!」



デッドマンが突進して来て、スサノオ共々東京タワーから落下したのだ。

空中で落下しながらもデッドマンの攻撃は止まらなかった。



「何て狂った奴なんだ!落下したら、お前だって無事にはすまないだろうに」



スサノオとデッドマンは空中戦を繰り広げながら、凄まじい勢いで落下していた。

それを見届けるとアライヴは、空中に浮かぶ巨大な心臓を見上げていた。



「もう直ぐ…もう直ぐ世界は終わる。これはその序曲なのです」




しかし東京タワーより離れたスカイツリーのてっぺんから、

スサノオ達とカミシニ達の戦いを見ている者がいた。



《終わらせない…》



その者は白い民族衣装を纏った少年であった。

少年は片腕を挙げると2匹の紅色の小鳥がその手に止まる。


「行って来てくれるかい?」



小鳥は頷くと少年から飛び立って行く。


「さて、僕は…」





再び場所は代わる。


東京タワーから落下中のスサノオとデッドマン。


(クソッ…そろそろ着地の準備しなければ!)



スサノオは落下前に剣をタワーの柱に突き刺して、落下の勢いを殺していく…


そこに…


「何を遊んでやがぁるんだぁ!」


「なっ!?」


デッドマンは落下の勢いのままスサノオに斬り掛かって来たのだ。


馬鹿な!!


「うっ…うぐわあああ!」



その直後、スサノオは突っ込んで来たデッドマンと共に東京タワーから落下して地面に衝突して凄まじい衝突音が響き渡った。



「アガガ…!」



スサノオは辛うじて生きていた。

だが、身体中が衝突したショックで動けないでいた。


身体中が痛みよりも、苦しみで嘔吐し、頭が…目の前がふらつき…

それでも剣を地面に突き刺して立ち上がる。


近くには赤い長髪の男が倒れていた。

デッドマンに間違いなかった。


デッドマンは首が逆に折れ曲がり、身体中の骨や肉が皮を突き破っていたのである。

確実に受け身を取り損ねたに違いない。

その周りは血のたまり場となっていた。



「馬鹿な奴め…着地を失敗して地面に激突しやがったようだな…間違いなく即死だ…」




スサノオは再び東京タワー頂上を見上げ、よじ登ろうとした…


が…そこに殺気を感じたのだ!


スサノオは振り返り剣を構えようとした直後、何者かの攻撃で弾き飛ばされたのである。



「ぐぅわああ!」



スサノオは地面に叩きつけられるも直ぐに立ち上がり、その相手を見たのだ。


「まさか…!!」


その攻撃して来た相手は間違いなくデッドマンであった。


デッドマンは身体中の飛び出た骨と、へし曲がった首が変な方向に向かせたまま立ち上がり、スサノオに向かって攻撃をして来たのだ。



「コイツは…」


…不死人か!?


デッドマンの身体が次第に再生していく。



「ヘヘヘ…改めて再戦と行こうやぁ?」


「………」




(そうか…だからコイツは東京タワーから落下してる最中も、着地を気にしてなかったのか!

何て…ふざけた野郎だ!!)



「関係ねぇ!俺はアライヴの奴をぶっ殺す!そのために邪魔する奴は誰であろうとぶっ倒すだけだぁ!」



スサノオは剣をデッドマンに向けると、




「おぃ!テメェ?姉貴を…どうした?さっき姉貴をどうしたとか言ってたよな?」



するとデッドマンはヘラヘラしながら言ったのだ。



「姉貴だ?あ~あの女か?良い女だったぜ?マジに熱々な関係だったんだがよ~?あんまりしつこいからウザくなって消えてもらったぜ!暇潰しにはちょうど良かったぜ!アハハハハ!」



スサノオに寒気が走った。

アマテラスは戦闘力だけならスサノオよりも上だったからだ。



「あの…アマテラス姉貴が?ありえねぇー!!」


「安心しろよ?テメェも直ぐに逝かせてやるからよ?」


「てめぇこそ殺してやるぞぉーー!」




今、荒ぶるスサノオと不敵なデッドマンが対決する。


次回予告


三蔵「出鱈目な野郎だぜ!デッドマン!いや・・・マジにヤバくないか?勝てるのかよ?スサノオ!それにマジにアマテラスはデッドマンに殺られちまったのかよ??次話がマジマジに気になるぜ!!」

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