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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
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血の呪縛!クシナダ!再びブラッドに??

転生と輪廻の前に現れたのは、明王をその身に宿した四人の男達であった。


ウズメを襲いに来たマスタークラスのカミシニ達を、人間の僧侶達が迎え撃つ。

しかし、人間達がカミシニを相手に出来るのか?

そんな心配をよそに、彼達は最強クラスであるカミシニの転生と輪廻を相手に五分の戦いを繰り広げていたのだ。




彼達は自分達を…


『明王を使役する者』


と名乗ったのであった。




その中の一人、僧侶にしては派手な金髪の男が叫ぶ。


「さぁ~て!派手に決めてやるぜぇ!」



金髪の男(蛇塚)は突然着ていた密教衣の上半身を脱ぎ、タンクトップ姿になったのだ?


転生と輪廻はそれを見て…


「どうして服を脱いだのですか?」


「ん?」


「………………」


「カッコイイから?」



恥ずかしげもなく答えた蛇塚に輪廻が汚い者を見るような顔になる。


「キモッ!」


「うるせぇ!お子ちゃまには解らねぇよ!お兄さんの良さはな!」


「何コイツ!ナル?キモイたら、ありゃしないわ!」


その嫌われように転生も笑い出す。


「アハハ!」


「そこ!笑うな!」


「蛇塚!いつまでも遊んでるな!」


「すんません…バサラさん」



こちらも僧侶にしては異様な…銀の髪に、左右の瞳の違う男が静かに蛇塚を叱る。

この男の名は『バサラ』と言った。


「勝負の続きだ…」



バサラの言葉を合図に蛇塚と輪廻が!

バサラと転生がぶつかり合う!


宙に浮かび上がった輪廻の掌から血の弾丸が放たれる。

蛇塚は向かって来る血の弾丸を躱しながら突進して、何処から出したのか?

いつの間にか手にしていた金色の錫杖を振り回しながら攻撃を仕掛けた。

輪廻も錫杖を躱しつつ、更に血の弾丸の数を増やして威力も強めていく。



「しゃらくせぇ!今日の俺は滅法熱いぜぇ!」



転生とバサラも人間の目には見えぬほどのスピードで攻撃防御を繰り出していた。

その戦いを冷静に分析する待機する二人の僧侶。



「三千院、この戦いをどう見る?」


「奴達、まだ力の半分も見せてはいないな…先程から奴達の潜在能力を探ってはいるが、未知数だ…決着は早い方が良かろう」


「バサラと蛇塚の二人の方はどうだ?」


「あの二人…バサラは流石に戦闘力は桁外れだな。しかし術がないのが惜しい…術と組み合わせて戦えれば更に自分のペースに戦えよう。蛇塚の方は戦い方が雑だな…ただ、あいつの戦いの感性は獣並だ!戦いながらどんどん成長しているようにみえる。それにバサラみたいな動きは出来ぬにしろ、荒々しい性格に反する冷静な判断力!相手の攻撃を先読みしスピードをカバーしている」


「フム。で、勝算は?」


「二割…」


「二割か…少しキツイな…」


「ふっ…大徳よ?二割あると言う事は勝算があると言う事だぞ?」




そんな会話の最中、戦いにも変化が起きていた。


「ウリャアー!」



蛇塚の振り下ろした錫杖を上空に躱した輪廻と、バサラと戦っていた転生が背中合わせになる。

そして二人は己の爪で自らの手首を傷付けると、血がしたたり始める。



「高貴なる私に血を流させた事を、少し後悔させてさしあげましょう…」


「こっちも本気出さないとね!」



輪廻の流れる血が次第に固まっていく?

そして血は武器の形へと変わっていった。

それはカミシニの血で出来た深紅の鎌…


『深血の紅鎌』



転生の方は流れる血が変色し黒く濁っていく。


『濁血の黒鎌』



己の血で作り上げた大型サイズの鎌を持った二人の姿は、まるで死に神のように見えた。



「どうやら…」


「本気になったようだな…」


「どうします?」


「奴等に教えてやろう!我々人間が化け物に対抗する手段ってやつを!」


「いっちゃあ!やりますかぁー!」




すると二人は印を結び真言を唱え始めたのだ。



『オン・アミリテイ・ウン・ハッタ!』


『オン・バザラ・ヤキシャ・ウン!』




すると、二人の身体から護神体(明王)が出現する。



「まだまだだぜ!」


『明王合身!』



すると、出現した明王が二人の身体と同化していったのだ。

同時に二人の身体が変化していく…

髪は逆立ち身体が青く変色していく!


その姿は…



『明王変化唯我独尊・軍荼利明王!』


『明王変化唯我独尊・金剛夜叉明王!』




二人の姿は神(明王)の姿へと神格化したのだ。




「あの人間達は神と同化したのですか?これは凄い…」


「どうせ見掛け倒しよ!それに私達は神を狩るのが生業よ?余計に殺りやすくなっただけよ!」




蛇塚は転生と輪廻に向かって中指を立てる。



「見掛け倒しかどうか見せてやるぜぇ!」


カミシニ二人と明王と変化した二人の神圧がぶつかり合い押し合う。







場所は変わって、ここは東京タワー頂上。


そこでは、


「うぎゃあああ!ぎゃああああ!があああああ!」



椅子に座っているアライヴの前で、瀕死の俺が(三蔵)血まみれの状態で呻いていた。



「かれこれ10分近くか…頑張っているみたいだが、こりゃ…ダメだ!もうじきに死ぬぜ?おっ?どうやら…」


「終わりましたね?残念ですが…もう良いですか?月読!」


「…………」



俺は月読の足下で完全に動かなくなったのだ。



「では、一思いに殺して差し上げてください…」


『ブラッドさん!』



ブラッド??


そこには無言でクシナダが立っていた。


「…………」



クシナダの身体からは、カミシニ特有の血蒸気が覆っていた。

それは完全にクシナダの身体に、カミシニの血が回った事を意味していたのだ。

クシナダは右腕を前に出すと、その指先から血が垂れ始める。

血は次第に鞭の形へと?


鮮血のブラッド…


それが彼女のカミシニとしての名前だった。

彼女の目は真っ赤に染まり、その視線は俺を見下ろしていた。


そして彼女はゆっくりと鞭を振り上げると、倒れている俺の心臓目掛けて振り下ろされたのだ。


強烈な鞭の打撃音が響き渡る!


「ふふ…」


「てめぇ…どういうつもりだ?あん!何とか言えよ!」



クシナダの振り下ろされた鞭は枝分かれし、軌道を変えてアライヴの身体を縛り上げたのだ?



「てめぇ!ブラッド?裏切るつもりか!」



リーダーのアライヴに手を出し裏切ったクシナダにデッドマンが頭に来ていた。



「その名前で呼ぶのは止して!私はブラッドじゃない!ヤオヨローズのクシナダ!クシナダよ!」


「テメェ!殺してやる!」


「動かないで!」


「ナッ!」



クシナダの枝分かれした血の鞭が蜘蛛の巣のように広がっていき、デッドマンの身体に絡み付き拘束したのだ。



「グッ!動けねぇ!」



それを冷静に見ていたアライヴは、



「貴女…私の血に逆らうつもりですか?」




アライヴの血の洗礼を受けて、カミシニと化した者は決してその血の主君であるアライヴには逆らえないはず?ただ、例外を残して…

それはスサノオ達と同じくその血を受け、カミシニ達とは違う血の進化をした場合である。

それを『神転血』と呼ぶ…




「私は!私はもう貴方の血には負けない!絶対に負けない!だから…貴方との決着は私がつける!」




たった一人、クシナダの因縁の戦いが始まる!


次回予告


三蔵「あれ?俺・・・死んじまったのか?


まさか?まさかぁーーー!!


くそ!気になるなら、次も読んでくれよな!


えっ?

俺じゃなく?クシナダのが気になるだって?


あっ・・・そう」



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