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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
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八百万の神の裏切者・弐~炎と嵐!~

カミシニの血の呪縛にとらわれずに己が力とする神転血の覚醒!


優勢に目的の地に集うヤオヨローズの前に現れたのは、


ヒノガと呼ばれる男だった。


俺は三蔵!


俺達の前に現れた男。


そいつは…


『ひのがぐつち』


と呼ばれるヤオヨローズの転生者であった。




「どうしてお前がいるんだ?ヒノガ!」


「ふふ…それが久しぶりに会うダチへの言葉か?スサノオよ!」


「ダチか…里を抜けたお前が俺とダチってのか?ヒノガよ!」


「いてぇ~な…俺は里を抜けても、お前とは…」




ヒノガはスサノオに近付くと手を差し出す…



「ヒノガ…」


二人は手を握り…合わず?


そのまま出現させた剣を衝突させたのだ。



「相変わらず、やるな!スサノオよ」


「テメェもな!この裏切り者がぁ!」




二人は交差した剣を押し合い、いったん戻し、身体を回転させながら再びぶつかり合う。

二人から巻き起こされた衝突の激震が大地を震わせた。

俺は勿論、他の連中も立っているのがやっとだった。



「くぅ!何て馬鹿げた力のぶつかり合いなんだ!?それに、アイツは何者なんだよ?仲間じゃなかったのか?」



その問いにはアマテラスが説明をしてくれた。


それは、八百万の里が滅びる前の出来事…


当時、八百万の里にはスサノオと並ぶ強者がいたそうだ。

それがヒノガと呼ばれる炎神の転生者であった。


しかし、ヒノガは少し性格に問題があった。

そんなヒノガに対して同じく荒々しい性格のスサノオとは、いつもぶつかり合っていた。


ある意味、良きライバルであり良き友であった…


しかしその荒々しい性格は、里の仲間達からは災いを呼ぶと思われていた。




そんな、ある日…


ヒノガは父神であるイザナギと押し問答していた。


ヒノガは人間達に隠れて、神の転生者である自分達がひっそり人影離れて暮らす今の里の方針が許せなかった。



「今の人間達は戦争や争いが絶えないでいる!そんな馬鹿な人間達に世界を任せていたら、世界は必ず滅びるぞ!だから、俺達…神の転生者が世界を導いてやるのが道理だと思うんだ!父神よ!今こそ腰を上げてくれ!」



しかしイザナギはヒノガに対し…


「我々は今のままで良いのだ。人間達への余計な介入は、無駄な争いをうむだけだと何故気付かないのだ?ヒノガよ!」


「ふん!歳をとって臆病風にふかれたか?父神よ!」


「控えよ!ヒノガ!」



その瞬間雷が落ちてヒノガに直撃したのだ。


「うぐわあああ!」



イザナギは危険分子であるヒノガを放っておけずに、雷を落として制裁したのだ。ヒノガは雷に耐えられずに平伏すも、その怒りを拳にためて…炎の弾をイザナギに向けて放った。

その炎の弾はイザナギに向かって行く…が、ヒノガは我に戻り父神イザナギに直撃しないように炎弾の軌道を変えた。


がっ、不幸が起きたのだ!


運悪く雷の音に気付き部屋に入って来てしまった母神イザナミが炎の弾を受けてしまったのだ。



「イザナミー!」


「母神ぃー!」


本意でなかったヒノガはうろたえていた。

それ以降、母神イザナミは子供を産めなくなったという。


イザナミの瀕死の状態にイザナギは怒り、ヒノガの炎の力を封じた上、里から永久追放した過去があったのだ。


そして対峙するスサノオとヒノガ。




「で、里を恨んでカミシニに力を貸しているのか?ヒノガ!何処までも墜ちたようだな!」


「どうとでも言え!俺は俺の道を歩いているだけだ!カミシニになって、俺は更に強くなった!イザナギに奪われた力も戻った!俺は八百万の神最強になったのだ!」


「ならば父神イザナギに代わり、俺がお前に再び制裁してやろう!」


「出来るか?お前によ!」




再びぶつかり合う両者!

ヒノガは剣に集めた炎をスサノオに向けて放っていく。

スサノオは躱しながら気流を集めた剣の刃を放って応戦する。



「無駄だ!お前の操る風は俺の炎を更に高めるだけだ!お前に俺は倒せんぞ!」


「ほざけ!お前の炎など俺の暴風が吹き消してやるぜ!」



二人の力は拮抗していた。

俺はその戦いに魅入ってしまった。

これが神クラスのバトルなのか?



「なぁ?クシナダよ!奴もハイマスターって奴なのか?」


「違います。マスタークラスとハイマスターとの違いは忌まわしい血を何処まで高め、順応出来るかで分けられます。しかし力だけなら彼はハイマスタークラスかもしれませんね?マスタークラスにもハイマスターレベルの猛者がいてもおかしくないですから」


「そんなん有りかよ?」


「しかし…強すぎる!神転血したスサノオと同等だなんて…」



スサノオとヒノガの剣がぶつかり合う。

上段!下段!突き!

お互いの剣技が幾度とぶつかり合い、衝撃波が俺達にまで伝わって来る。

ヒノガの炎が大地を焦がし、スサノオの斬風が大地を切り裂いていく。



「巻き添えくらうのは勘弁だぜぇ!」



二人の戦いに決着が見えない。

二人は距離を取り、再び会話していた。



「やはり互角か…やりずれぇな…お互いの手の内が分かっているとよ?」


「お互い様だ…だが…」



『俺は昔より更に強くなってるんだぁー!』




二人はお互い同時に剣を構えると神闘力が高まっていく。

二人とも次の技で決めるつもりなのだ!



「俺の取って置きを見せてやろう!スサノオ!死んでから地獄で俺を自慢するんだな?」


「ふん!地獄で俺の自慢話をするのは、そっちの方だぜ!」




俺達は二人の戦いに身動きが出来ないで固まっていた。


息をするのを忘れるくらいに…




「最後にもう一つ教えてやる!八百万の里の場所をカミシニ達に教えたのは俺だぁー!」


「!!」


(ヒノガ…何処まで墜ちたんだ…お前は…)



スサノオから迷いは消えた。

もしかしたら、昔のように友に戻れるかもと思っていたのに。


「行くぞぉー!」



最初に動いたのはスサノオの方であった。


『乱鬼流奥義・爆砕乱風斬!』



無数の斬撃が束になり渦を巻きながら竜巻となって、ヒノガに向かって放たれる。


しかし…


ヒノガはまだ動かない?


スサノオの攻撃が直撃する寸前、ヒノガはついに目を見開き遅れて動いた。

ヒノガの剣がスサノオの放った竜巻を受け止めながら、その渦に己の炎を上乗せしたのだ。

ヒノガの炎はスサノオの風の力を受けて更に強まり、その威力を増していく。



「奴は、あれが目的だったのかぁ!」



ヒノガは勝ちを確信しスサノオに叫ぶ!


「風は炎には勝てねぇと言ったはずだぜ!」


『乱鬼流奥義・炎風破壊弾!』



ヒノガはスサノオの風の威力を上乗せした巨大な炎の弾丸を、スサノオに向けて撃ち放ったのである。


「スサノオー!」


俺の心配をよそに、スサノオは笑みを見せていた。



「三蔵!ぴぃぴぃ叫ぶなよ?俺は負けねぇと言ったはずだぜ!」




すると、スサノオの剣が二つに分裂したのだ?


『草薙剣』『天十握剣』



スサノオは出現した二本の剣を交差させながら、迫り来る巨大な炎の弾丸を受け止める。


そして…



「俺の風はな?ただの風じゃねぇ!嵐だぁ!嵐は目の前にある全てを破壊するんだよぉー!」



スサノオは二本の剣で受け止めた巨大な炎の弾丸に、更に嵐の力を重ね、再びヒノガに向けて打ち返したのだ!


「ぐっ…ぐおおおおお!」



ヒノガはその嵐の渦の中へと飛び込み、スサノオ目掛けて突っ込んで向かって来ていた。

スサノオもまた、ヒノガに向かって飛び出していた!


お互い引き寄せられるかのように…



「ひぃのぉがぁー!」


「スゥサァノォオー!」



二人の剣が燃え盛る炎の中で激突したのだ!!

吹き荒れる暴風は竜巻となって、天に向かって昇って行き消えていった。




そして二人の決着はついていたのだ。


「スサノオ…」



俺の視線の先で、


スサノオの剣がヒノガの身体を貫いていた…



ヒノガは…



スサノオに寄り掛かるように倒れると、

スサノオもまたヒノガを抱き込むように受け止めていた。



「ば…ばかやろう…」


「へっ…」




するとヒノガは最後の力を振り絞りスサノオに何かを手渡すと、

そのまま崩れるように倒れていく。



「これは…父神の勾玉?どういう意味だ?ヒノガ!」


「スサノオ…俺のたった一人の友よ…最後にお前に話しておく事がある…」








ヒノガから語られる


真実?


それは…


次回予告


三蔵「俺の主人公としての立場は既に実況のみとなっていた。


しかも、次の話はヒノガの過去話だしな・・・


もうさ?寝ていても良いか?俺?


出番来たら起こしてくれよ?」


スサノオ「お前、戦場でそんなに気を抜いていると、ろくな目に遭わんぞ?」


三蔵「出番ない主人公以上に何があるんだよ~」

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