表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
131/424

強敵!ホムンクルスと最終兵器リキッド!?

ヤオヨローズがカミシニとの激戦の最中、ウズメもまた仲間達のために歌い続けていた。そして三蔵もこの聖戦に到着したのだった。



よっしゃあ!

俺、三蔵…参上だぜぇ!



クシナダのピンチに現れた俺は、お得意の数珠連弾でカミシニ達を一網打尽にしたのだった。

それにしても、俺の数珠連弾(数珠に気を込めて放つ事で、破壊力を増した必殺技である) の破壊力が上がっている事にお気づきだろうか?


そうなのだ。


実は…俺達が東京に向かう際にアマテラスが皆を集めたのである。そして、一人一人の武器に『太陽の加護』と呼ばれる神気を籠めてくれたのだ。

更にウズメの歌の加護と合わせ、ヤオヨローズの戦士達はカミシニ相手に互角以上の戦いを繰り広げられるのだ。


ちなみに俺は、この数珠に籠めてもらったのだぞ。

その破壊力は通常の10倍!



「三蔵さん!」


「待たせたなぁ!真打ち登場だぜぇ!」


「危ない!」



…えっ?


「がぁ!!」



俺は背後からの殺気に鳥肌が立ち、後ろを確かめる事なく本能的に前方へと飛び転げた。

そして、直ぐさま俺は殺気のする方向を見たのである。


「なっ…何だコイツは!?」



そこにいたのはマスクを被った、三メートル級の大男だった。


「じぇ…ジェイソン?13日の金曜日か!」


「三蔵さん…ソイツは…ホムンクルス!ハイマスタークラスの七賢者の一人です!」


「ハイ…マスタークラス…って…こりゃ…登場早々、俺大ピンチじゃねぇか?アハハ…」




俺は気を取り直して、その大男に向けて数珠連弾を撃ち込む。

数珠連弾は、大男の身体に食い込んだ。


「やったか?」


が、何もなかったかのように俺に向かって襲い掛かって来たのだぁー!

大男はチェンソーを片手に、俺に切り掛かる…


て、何処まで…ジェイ…


と、それどころじゃねぇや!

大男のチェンソーが俺の眼前で止またのだ??


「うっ?」


大男の腕が、何かに絡み付いて止まっている?

それは、クシナダの操る鞭であった。


「三蔵さん!早く逃げてください!」


「クシナダ!ありがてぇー!」



が、クシナダ…


鞭って…


お前、女王様みたいだな?



「と、考えてる場合じゃなかったよな?」


「あの…口に出してますけど…」


「……………」



さて、冗談は置いておいて、直ぐさま俺とクシナダは大男に向かって攻撃を仕掛ける。



「亀甲屍針鞭!」

※キッコウシバリベン



クシナダの鞭に無数の針が出て、大男の身体に鞭が絡み付きながら突き刺さっていく。

そして大男の身動きが止まった所を…



『不動明王・数珠炎弾』



不動明王の炎と数珠に籠められたアマテラスの太陽の加護が重なり合い、凄まじい勢いで大男の身体にヒットしたのだ。


大男の身体は炎に包まれていく…


が、大男はクシナダの鞭を力任せに引き裂く。

しかも、その身体には火傷は勿論、傷一つ付いてなかった。


「化け物かぁ!」


そこに何処からか女の声が聞こえる?



『ふふふ…その身体に神の力は勿論、太陽の力も通じぬわ!その男にはマスタークラスの男達の優秀な部位を組み合わせた改造カミシニなのよ!その力も十倍!お前達にどうこう出来ると思うな!虫けらよ!』



「神の力が通じない上に十倍だと?ふざけやがって!」


「よりにもよって…この相手とは!」




クシナダは後ろに控えていた仲間達にさがるように伝える。少しずつ後退しながら距離を取る俺達に、大男は再び襲い掛かって来た。



んな?

コイツ早い!

そのスピードもまた、尋常ではなかった。

一瞬で、俺とクシナダの眼前に現れ拳を振り上げたのだ!


ヤバィ…

躱せねぇぞ?

こりゃあ!



振り下ろされた拳に俺は咄嗟に両腕を交差させてガードするも、受けきれるか分からねぇ!

腕が折れるか?死ぬか?俺?


物凄い衝撃音が響いた!


ん?

俺、何ともないぞ?


どうなった?


見ると、目の前にいた大男が消えて数メートル先まで吹っ飛んでいたのである。

一体、どうなってやがるんだ?

と、そこに…



「三蔵!何を手こずってやがるんだ?俺が手を貸してやるぜぇ!」


「お前は!」


そこに現れたのは?まだ小さなガキであった。

そう!ヤオヨローズのムカつく生意気坊主の…


「リキッド!」


「三蔵…声に出しているぞ…誰がムカつく生意気坊主だよ!マジにお前ムカつくぜ!」



そこに再び大男が立ち上がり、こちらに向かって迫って来る。

警戒する俺に対して、余裕をかますリキッド。


大男は突然現れたリキッド目掛けて殴りかかる。


「危ねぇ!」


が、リキッドは大男の拳を躱すと、その顎目掛けて蹴り上げ、そのまま一回転して着地と同時に大地を踏み込み大男の身体に『張り手』をかましたのだ。

すると大男の身体が浮かび上がり、再び吹っ飛んだ。


「まだまだ!」


ダッシュするリキッド…


「待て!奴に神の力は通じないぞ!」



俺の忠告もお構いなく、リキッドは吹っ飛ぶ大男に追い付き、拳を振り上げ叩き落としたのだ。

轟音が響き、アスファルトに埋もれる大男…

リキッドはガッツポーズで、俺とクシナダの方向に戻って来たのだ。


「す…凄い…」


「ムカつくが確かに…すげぇ…」



そういえばスサノオが言っていたな?


リキッド…

ヤオヨローズの力の神!


コイツは己の神力を体外に放つ他の神とは違い、神力を体内に貯蔵して肉体的に驚異的な力を発揮するのだと…

神の力が通じずとも、物理的な戦闘でしか傷をつけれないカミシニ達には効果的なのである。



ヤオヨローズの最終兵器…

リキッド!

ムカつくガキだが味方にしたら心強いぜぇ。



「油断したらダメ!まだ奴は生きてるわ!」



クシナダが指差した方向には、アスファルトに埋もれた大男が再び立ち上がろうとしていた。

その首は今の衝撃でへし折れ逆方向に向いていた…


「チャンス!」


と、思いきや大男は強引に曲がった首をもとに戻す。

鈍い音が聞こえる。

ますます化け物だ…


「まだ動けるのかよ?じゃあ、もう一度!」



その時大男を中心に、地面から何かが伸びて来たのだ。

それは…触手!?

奴の内蔵が、まるで蛇のように俺達に向かって襲って来た。


「気持ち悪い!」

「グロい!」


「油断したらダメ!あの触手に捕まったら絶対に逃げられないわ!」



すると大男の身体から赤い霧が噴き出して来て、俺達の視界が奪われていく。


何?毒ガス?違う…

血の霧だぁ!!


俺達の力が奪われていく。

見る見る動きが鈍くなり、身体が重く感じる。

俺達はそれでも触手を躱しながら一カ所に集まったのである。

霧で視界を奪われ、大男から伸びて来た触手が囲みながら迫りつつあった。


「皆さん油断しないで!来ます!」



伸びて来た触手が俺達に襲い掛かる。

運悪く触手に掴まった仲間の誰かの悲鳴が聞こえた。

そして鈍い音がしたかと思うと、静かになったのだ?


殺られたのか?

やべぇ…

とにかく奴を攻略するには、このガキがキーパーソンのようだな?


「私が囮になるわ!」

「馬鹿言うな!」

「こうなったら俺が突っ込んで!」


「ヤミクモに突っ走れば良いもんじゃねぇ!今、作戦を考える!」

「作戦って何だよ?」

「だから、焦らせるな!俺が今、最高の攻略法を考えてるんだから!」


「きゃあああ!」




その時、足元から伸びて来た触手がクシナダの身体に絡み付いたのだ。


吊し上げられるクシナダを見て俺は気付いたのだ!


「なっ!」


こ…


こ…これは!?


なんか…エッチだ…



衣服が破れ乱れるクシナダに俺は…俺は!!



「三蔵さん!」



しまった…

また声に出してしまった。



「うわあ!」



更にその触手はリキッドをも襲い絡み付くと、身動きを取れなくしたのだ。


「クソッ!何だよ!この触手!なかなか切れないぞ?」



リキッドは絡み付く触手を強引に引き裂こうとするが、それを邪魔するかのように新たな触手が絡み付いてくる。


しまった!

キーパーソンが~

頼みの綱がぁ~

こりゃ…万事休すか?



その時、再び謎の女の声が聞こえて来たのである。



『ふふふ…良い実験体を手に入れたわ!それに裏切り者のブラッドを捕らえたのであれば、アライヴ様も喜んでくれるに違いないわ!転生と輪廻の悔しがる顔が目に浮かぶわ…ふふふ』




触手はクシナダとリキッドをきつく締め付けていく。


「きゃあああ!」


「うわあああ!」



クソッ!どうする?

どうしたら良い?


「こんなもん!」



リキッドが力任せに触手から抜け出そうとするが触手の硬さが先程より増していく。更にカミシニの血の力がリキッドの力をも吸収し始めたのである。



『ふふふ逃げられないわ!その触手は切る事はもちろん…どんな衝撃にもびくともしないわよ!アハハ…アハハハハハハ!』



歌舞伎町に勝ち誇る女の笑い声が響きわたる。


くそ…俺が考えてる所に耳障りな笑い声だ…



うるせぇ…

ああ…うるせぇ!



俺は声の聞こえる方向に向かって、落ちていた珈琲の空き缶を投げつけたのだった。



パリン!


『ウギャア…』


何かが割れる音がした?

それと、小さな悲鳴?



すると突然、クシナダとリキッドの身体を締め付けていた触手の力が緩まったのだ?

目の前の大男も身動きしないで、固まったまま…


えっ?


ええっ?


えええええ?



「……何か…勝ったみたいですね?流石です!三蔵さん!」


「ま・・・マジ?」


「三蔵の手柄かよ?ムカつくぜ!」



えっ?えっ?えっ?



どうも俺が投げた空き缶は、大男を操っていたホムンクルスの本体の入っていたフラスコの瓶を割ったらしいのだが…


「………」


つまり、うん!

なるほど!



「作戦通り…だ!」





俺達は辛くも勝利したのである。

次回予告


三蔵「なははは!今回の話はマジに俺の大活躍だったな~


あの強敵にして、カミシニの最強最悪の化け物のホムンクルスを巧妙な手で倒したのだからな!


これは幸先いいぜ!


よし!この調子で勝ちまくるぜ!!


ナウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン!


ちょろいぜ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ