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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
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ヤオヨローズの様々な戦い!

ヤオヨローズとカミシニとの戦いが始まった。


早く到着しなさい三蔵!


俺は三蔵だ!

俺は目的地の東京タワーに向かって走っている。


ヤオヨローズの連中!

俺が行くまで、待ってろよぉ~!



と、俺が一人頑張っている頃…

ヤオヨローズの連中もまた、カミシニ達と生死を分けた戦いを繰り広げていた。


「ヌオオオオ!」



スサノオはマスタークラスのカミシニ達三人を相手に一人で戦っていた。


「クッ…」


スサノオは苦戦していた。

マスタークラスの使う、己の血から出現した武器はスサノオの武器と同じく神を殺す武器。

スサノオの闘神力が効かないのはもちろん、奴達の攻撃を受けたら致命的なのだ。

しかもカミシニ三人の武器を躱しながら間合いに入り込み攻撃を仕掛けるも、別のカミシニの武器に邪魔をされてしまう。

奴達の武器は鎖鎌、サーベル、長槍であった。

一つ一つ独特に違う武器なので対処が難しい。

しかも三人とも達人レベルの同時攻撃。

いくらスサノオが化け物染みた強さでも、流石にたまったもんじゃなかった。


奴等の武器を打ち落とし!

躱し、飛び上がり振り下ろす。

だが、奴達も流石に強者。

スサノオの攻撃が、いとも簡単に躱されてしまう。




それは別の場所で戦っていたアマテラスの方でも同じく苦戦していた。

アマテラスの部隊は、後方から追いかけて来るカミシニ達から逃げるように、東京タワーを目指していた。


「まったく、しつこい男は嫌われるわよ!」



アマテラスは走りながら己の身体より鏡を出現させる。


『八咫鏡』



アマテラスの持つ鏡が強烈な光を放ち、それは高熱となりて、空を飛び舞う蝙蝠のような翼のあるカミシニ達を一瞬で消滅させた。



「吸血鬼には太陽の高熱はキツイわよね?しかも私の太陽は私自身のお墨付きなのよ!オホホホホホ!」



アマテラスは鏡を左手に装着させて盾にしたのである。

更に鏡から光輝く矛が出現すると、手に取り構える。



「逃げるのは終わり!太陽光を凝縮させた特別の矛よ!お前達全員風穴あけてあげるわ!」



アマテラスの言葉にヤオヨローズの部隊が逃げるのを止め、武器を構えてカミシニ達に応戦し始めたのである。




場所は変わり…

月読はビルの上に一人立って勾玉を出現させていた。

ビルの下では、カミシニとヤオヨローズの仲間達が交戦していたのである。



「さぁて…そろそろ行きましょうかねぇ」



『八尺瓊勾玉!』

※ヤサカニノマガタマ



月読は出現した勾玉を手に取ると、ビルの下にいるカミシニ達に向かって投げると勾玉は落下しながら分裂して無数の光の玉になったのである。

それは狙い定めたかのように、カミシニ達の心臓を貫いていく…



「さぁて…面倒臭い事は早く済ませないとね!」


『!!』



月読が怪しい気配を感じ辺りを見回すと…

自分を狙って上空からカミシニ達がうじゃうじゃと降りて来て現れたのだ。



「時間かかりそうですね…流石に…はぁ~」




ヤオヨローズが奮闘している頃、

東京タワーのてっぺんではアライヴ達がホムンクルスの赤い雨の術式が完成するのを、今か今かと待っていた。そこに外にいたカミシニの一人が、アライヴ達にヤオヨローズ襲撃の報告をしていたのである。



「どうやら、お邪魔な方々が現れたようですね…」


「俺が始末してくるか?アライヴ」


「いえ、貴方は此処にいてください。デッドマン」



するとアライヴは、転生と輪廻に汚名返上のために出るように指示をしたのだったが…


『私が出るわ』



先にホムンクルスがアライヴに申し出たのである。



「ちょっと!でしゃばらないでよ!」



ホムンクルスは輪廻を無視してアライヴに説明し始める。

空中には心臓のような物が浮かび魔方陣がその周りを囲んでいる。



『アライヴ様!術式は完成致しました。ただ術式が安定するまで後2時間ほどかかります…それまでゆっくりとお休みくださいませ』


「ご苦労でしたね。分かりました…私は時が経つまで休んでいましょう。後は任せましたよ?」


『はい…そこで私がそのゴミ掃除に向かいたいのですが、宜しいでしょうか?』


「貴方のお好きにどうぞ」


『ありがとうございます…アライヴ様!では、失礼致します』




そう言って、ホムンクルスは外に出て行った。



『ふふふ…みすみす実験体を始末されたら敵わないものねぇ…神の転生者達の身体は私が実験に使わせていただきましょう…ふふふ』





東京を舞台に様々な場所で戦いが繰り広げられる。


ただ、一般市民はそれに気付いていない…

カミシニ達はアライヴに極力、人間達を危めないように伝えられていたのだ?

それは血の雨を降らす前に、大騒ぎになられたら困るから?

いや、この都市から人を逃がさずに、血の雨の的にするためだった。



またヤオヨローズの方も人間達に被害が及ぼさないように場所を考えて戦っていた。

だが、これ程の戦いが誰にも気付かれない訳がない…

中には、この戦いを目撃した人間達もいる。


「きゃああああ!」



女の悲鳴が響き渡る。

まさか平穏な日本で、このような戦争が?

目の前では映画みたいな血生臭い殺し合いが繰り広げられていたのだから。


人外の化け物が現れ、それと戦っている者…

首をもがれた死体や、肉片と化した残骸…

胸を貫かれた化け物の亡きがら…



ありえない状況にパニックを起こしながら女は…


(警察…警察を…)



その瞬間、女は顔の前に何かを当てられ気絶した。

気絶した女を抱えながらその者は女の額に貼付けた札を剥がす。



「これで、目が覚めた時には全て忘れているだろう…」



その者は陰陽師の姿の男達?男は女を仲間の陰陽師達に安全な場所に送り届けるように伝えると、その目の前で繰り広げられている戦いに目を背ける。


その男…いや?まるで美しい女性と見違える美貌の男は、名を阿部晴明と言う。


かつて小角や俺と旅をしていた晴明は、いまや日本中の陰陽師を陰で支える若きリーダーになっていた。



「これが神々の戦いなのか…なんて悲惨な…」



そこに空中から晴明に気付いた翼のあるカミシニの一匹が、襲い掛かって来たのである。


(確か、並の術は効かないのだったな?)



晴明は術札に太陽の気を凝縮させ、襲い掛かって来たカミシニに放ったのである。

術札はカミシニの身体に貼りつくと、その身体が発火し燃えながら落下する。


「!?」


しかし、化け物は身体を動かし黒焦げた身体を再生させようとしているのだ。



「恐るべき生命力だ…だったら!」



晴明は札を両手に持ち、印を結ぶ…



『右手に陰!左手に陽!組み合わすは、太極の融合なり!現れよ太極剣!』



晴明の手から光り輝く剣が現れる。


『滅!』


晴明が剣を振り下ろすと、斬られたカミシニは完全に消滅したのだ。


「ふぅ…本当に厄介だ…」




晴明が見上げると、翼のあるカミシニ達がまだ無数に飛び回っていたのである。



「この神々の戦いに私達は直接関与出来ないが、無関係な人間達を少しでも安全な場所に移さねば…」



晴明は他の陰陽師達を指揮しながら、その場から消えて行った。






更に場所は変わる。

ここは、代々木公園の野外ステージ前?


今、この場所にて…


たった一人でスサノオ達とは違った孤独な戦いをする者がいたのである。


それは、まだ幼い少女…


その少女は野外ステージに一歩一歩近付いていた?


ドクン…ドクン…


小さな胸の鼓動が高鳴っていく。


(大丈夫…やれる…)



少女は仲間に手渡されたマイクを手に舞台の上に上がっていく。



(皆…私も頑張る!

だから、皆必ず生きて帰ってきてください!)




少女が舞台中央に立つと少女は口を開いたのだ。




少女の口から歌声が響き渡る。


最初、突然舞台に上がった不思議な少女の行動に、意味が分からず見ていたその場にいた人間達はその歌声に耳と目を奪われたのだ。いや、心を奪われたのだ!


その少女の美しい歌声に一人一人、舞台の前に集まって来る…野次馬達!



「何?売れないアイドルのライヴかなんかかな?」

「新人の押し売りじゃねぇ?」

「ゲリラライヴって言うんだろ?」



と、興味のなかった若者達が、その歌声から離れられなくなっていた…


魅せられていく。


この少女は一体?



神の歌姫…


アマノウズメの…


孤独な戦いが始まったのである。




ウズメのアイドル伝説の始まりであった!


次回予告


アイドル!


それは我々の憧れ!


アイドル!


それは人々を魅せ、幻想の世界へと導きし者!


我々はアイドルに・・・


三蔵「って!何の話だぁーーー!!」

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