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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
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忌まわしき力!三蔵の新たな戦い!!

小角の最期。晴明との確執。


唯一の絆を失った三蔵は・・・今?


俺は…三蔵だ。

俺は今、手足を拘束され、更に身体中に封術札を貼られて力を出せずにいた。


そう。

俺が今いる場所は地下の牢屋の中。

俺はそんな状況で、過去の出来事を思い出していた。




虐待と孤独の中、生死をさ迷い生き長らえていた幼少の俺、


小角と晴明との出会いと別れ…


そして、俺は全てを失って、それでも生きている。



「ふぅ~…」


俺は身動きが出来ない状態で拘束具を外そうと試みたが、まったく力が入らなく苦戦中なのだ。


流石は最高結解だな…


俺の不動明王の力ですら抑えこまれているなんてな?


仕方ねぇな?


俺の持つ不動明王以外の忌まわしき力を使うか…




俺は拘束されながらも身体中の『気』を集中させていく。


目を綴じて…

深い呼吸から意識を高め、身体中の細胞一つ一つを感じていく。

そう…丹田(腹部)から、全身に力が広がるイメージだ!


すると俺の血流に変化がおきていく…

血は常人の数倍の速さで流れ、異常な熱を発っし始める。

次第に俺の身体から赤い湯気が立ち込めたのだ。

それは俺の血が異常な熱により起きた血の蒸気!


すると赤い蒸気の中心に何かの影が出現したのだ?


それは…

次第に剣の形へと変わる!


俺は目を見開くと、目の前に現れたその剣を睨みつける。

すると剣は宙に浮かびながら、俺に施された封術札と、この洞窟の結解を斬り裂いた。




結解の呪縛から解き放たれると俺は立ち上がると同時に俺の身体に力が漲ってきた。

そして、俺は目の前に浮かぶ剣を手に取る。


俺のもう一つの力


『降魔の剣』


この剣は全ての結解はもちろん!

魑魅魍魎、鬼や妖怪に…

『神』をも殺す事が出来る忌まわしき剣なのだ。



奴達と同じ力…


そう…


この剣を手に入れたのは…




不動明王の一件から三年経った…


あの一件だった。






俺は再び過去の記憶の中に戻って行く。


不動明王を手に入れた後、俺は追われる身になっていたのだ。


理由は、俺が不動明王を手に入れるがために、不動鷹仁氏の命を奪った挙げ句、不動明王を略奪…その上晴明を除く、集まっていた修行僧を殺害し、自分の師である最高修験者の小角をも手にかけたのだと言う罪を負わせられたのだ…


まったくもって、とんでもない押し付けだよ!


とんだ悪党扱いだな…


俺は両親を死なせた上、最高の恩人である師・小角をも死なせてしまった。



『罪を背負って生きる』


小角…

解ってるよ…


『罪を背負って…』



俺は…俺は…この三年の間に…


立派な…



汚れた人間になりました。


だっ!だって、仕方ないだろ?


十代前半で、追われる身…


頼る所もなく…

それでも、小角との約束守っているのだからな?



『生きる』


人一人生きていくために俺が出来る事と言えば、いろいろと限度があるんだぜ?


そもそも金がなかった・・・


だから、手始めに『タカリ』から始めた。


と、言っても弱い奴からはやらないぜ?


チンピラや暴走族…


力を誇示するために、喧嘩をしているようなカモ…


いやいや…


いけない大人さんや、悪ガキ見つけては…


お仕置き…


まぁ、仮にも『坊主』だしな?

有りと言えば有りだよな?


で、痛い目…あっ…


軽く、脅した後に勉強代として…


ほんの少しオダチンを戴いている訳で…


まぁ、いくらその時の俺がまだガキだと言っても、平凡な生活を送っている奴達に負けるはずがない!…弱い者イジメになってしまうのか?これも?



とにかく、俺は逞しく生きているのだ。


俺の行く所、所構わず事件が起きていた。


お陰で…

坊主だけでなく、今ではお巡りさんや、ヤクザ屋のおじさん達にまで手配書が回り狙われる始末。と、言うのも…

少しの間、俺の力を見込んだヤクザ屋さんの用心棒みたいな事をしていたのだが、そこで…

説明なく連れられて来た夜中の横浜にて、何処かの国の連中と…

怪しげな粉の売買をしていたもんだからよ?


つい、カツンときて…

その…白い粉を…

全部燃やしてしまったんだよなぁ~


で、今は追われる身。


アハハ…

我ながら、波瀾な生き方しとります。


それで、俺が行き着いた場所が、東京…


『新宿』


俺は新宿駅の東南口から少し歩いた所で、クレープを食らいながら…

マイルドヘブンと書かれた筒を口に加え火を点ける。


「ぷふぁ~」


ん?あれ?お巡りさんが俺を見てこっちに来たぞ?

ヤベェ!俺はソソクサとその場から離れたのだった。


そう…俺は今…


『新宿』にいるのだ!


新宿と言う場所は、身を潜めるには都合のよい場所だった。


人を隠すには人の中てな訳だな?


俺は空を見上げる。


それにしても、人が多いって事は、それだけ…


あの世の奴達も集まってやがる。

人間達の持つ私利私欲や恨み妬みを好んで、悪霊や魔物なんかが人目を盗み潜んでいやがるのだ。本当に汚れた街だ…


だけど、俺にとっては…


この人混みが救いなのである。


一人は…辛すぎ…る。


夜中の2時くらいになると、昼間に比べ人混みは減りはじめる。だが、夜中には夜中のムード溢れる人間達が、この新宿をのさばっているのだ。


「さてと…」


俺はいつものように、漫画喫茶にて今日の寝床を探していた。

今のご時世、少しの金さえあれば、寝場所にしてもどうにでも困る事はないんだぜ?


と、そこに…

いやいや…

俺には関係ない。

俺には…

何処からか?

俺は異様な気を感じとったのだ。


人間?魔物?


わからない…

ただ、面倒事に関わるのだけはゴメンだ。

俺は関わりを避けて、早々とその場から離れたのだった。




その時…


「ハァハァハァハァ…」


人目の付かない路地裏を一人の女が必死になって走っていた。



「まだ追って来る…」



何者かに追われているようだ。歳は17か?その辺りか?美しい娘だ。

娘が後ろを振り向こうとした時、娘は首筋に冷たい殺気を感じた?


ゾクッ…


娘は咄嗟に身を転げながら、その殺気を躱したのだ。

かなりの反射神経であった。

すると、娘がいた場所に鋭い刃の鎌が飛んで来て、アスファルトに突き刺さった。


「あ…危なかった…」



そこに、何処からか二人組の男女の声が聞こえて来たのである。



「あれ?首落ちなかったみたいね?」

「(ボソッ)ノーコン…」

「うるさい!誰がノーコンよ!」

「あ…地獄耳ですね…」



そこに現れた声の主は黒いタキシードの眼鏡をかけた男と、赤いゴスロリ姿の少女であった。

場違いな二人は、ゆっくりと娘に向かって近寄って来たのである。



「よくここまで逃げて来れたよね?でも、チェックメイトのようよ」



ゴスロリの娘の手には、自分自身の身の丈よりも大きな赤い鎌を、軽々と娘目掛けて振り上げていた。


「きゃあああ!」


『数珠連弾!』



娘の悲鳴とともに、鎌を振り上げたゴスロリ娘目掛けて、暗闇から何かが飛んで来たのだ。

ゴスロリの娘はその振り上げられた鎌を回転させ、飛んで来た『何か』を切り裂く。

真っ二つに割れて転がったそれは…数珠?



「ちょっと!何者?邪魔しないで欲しいわ!」



ゴスロリの娘は、邪魔をされて怒り心頭のようだ。

そして物陰に隠れていた何者かが颯爽と現れたのだ。




「ふぅ~やれやれ…面倒事は嫌なのだが…流石に、俺の目の前で…女の子の首が転がるのはゴメンなんでね」



そこに現れたのは…


そうだよ!俺!


『三蔵だよ!』


「どんな理由があるか知らないけどよ?俺の目の前で惨殺ショーは止して欲しい訳よ~!コスプレのお嬢ちゃんよ」




するとゴスロリの娘が隣にいるタキシードの男に話し掛ける。


「コスプレのお嬢ちゃんって誰?」


「きっと、輪廻の事じゃないですか?あなた…イタいくらい恥ずかしいですから…」


「転生さぁ?あんた…殺されたい?あんただって、恥ずかしいの理解してない?」


「ふっ…私のは正装ですから!」


「・・・あっそ」



ゴスロリ少女の方は言い合うのに疲れ話を元に戻す。


「とにかく!」



ゴスロリの少女が俺を睨みつけながら叫んだのだ。


「私の名前は輪廻!こっちの奴は、転生よ!よく覚えておきなさい!」



…って…自己紹介かよ!



「冥途の土産にね…」


「物騒な連中だ……」



すると追われていた娘が声をかけてきた。


「あの…貴方は?」


「おっと!お嬢さん危ない所でしたね?ここは自分に任せて、直ぐに逃げな?その代わり後で連絡先教えて?ね?」



俺は助けた娘を先に逃がせて、怪しい二人と対峙したのだ。


俺は直感していた!


コイツ達は何者だ?


さっきから俺の野生の感?

防衛本能が危険信号を鳴らせてやがるぜ!

鳥肌立つくらいにな!

本当に何者なんだ?コイツ達?

間違いなく…

ただの人間じゃねぇ…


甘く見て手加減なんかしたら…

一瞬で(命)持っていかれそうだぜ!



「うおおおおお!」



俺はフルパワーで不動明王の力を高めると、一気にその二人目掛けて炎の弾丸を放ったのだ。


『不動明王・火炎弾!』



が、俺の放ったはずの不動明王の炎が、その二人に直撃する手前で消え去ったのである。


「何?どういう事だ!?」


意味も分からず慌てる俺に、



「教えてさしあげましょうか?私達に『神』の力は一切通用しないのですよ!」


「!!」


いつの間に間合いに??

俺に気配を感じさせないで、背後に現れたタキシード姿の男が、俺目掛けて黒い鎌を振り払って来たのだ。


「くっ!」


俺は炎の壁で身を守ろうとしたが…

その炎の壁までもが…消えたのだ?


「うぐわああ!」



俺は辛うじて躱したが頬に傷を負った。もう一瞬でも躱すのが遅れたら間違いなく…俺はゾッとした。間違いなく俺の首が転がっていただろうからな?


ゴスロリの女の鎌が俺を斬り裂こうと迫る…

俺は躱し続けるしか出来なかった。

俺の神の力が…この二人に対して完全に無力だから…



何なんだ…この二人は??

どうなってやがる??

どんなトリックだよ!

助けに来て、俺!

大ピンチじゃないか??



次第に俺の身体は傷だらけになっていく!


このままでは…




その時だ!

騒がしい騒音とともに…


ピュラリラピュラリラ~!


奴らはやって来たのだ。


「んな!?」



何?今度は何?何事だ??

そこに現れたのはバイクに乗った集団??


騒がしい騒音者…


夜間、迷惑の塊!!


人は彼達をこう呼ぶ。



『暴走族』と…



て、何故に暴走族が来るんだよぉーー!!


もう…どうにでもして…


次回予告


三蔵「なんだ?俺!!不動明王の力を得てチート炸裂!滅茶苦茶強くなったのと違うのかよ~??


でも、なんか・・・美味しい展開ありそうじゃないか?


助けた娘と恋に落ちるなんてベタじゃないか?


お約束だよな?


ちょっとちょっと!今後の展開が楽しみだぜ!


えっ?暴走族?そんなのはしらん!


よし!恋愛展開でナウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン!


燃え上がるぜ~!!」

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