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請負人 「翔」  作者: 超月 聖
8/8

請負人 翔よ 永遠に

ビル街の雑踏の中を、白い大きな犬を連れて歩くものがいる。

 その姿は、サングラスに黒い革のジャンバー、そして青いGパンと言う、この季節には合わないものだった。

 季節は夏、昨日、埼玉県のK市で38度を記録したと言っていた。


 行き交う者は、誰もその存在を感じられない。

 そこには、誰もいない、そう認識していた。


 ビルの屋上に、その者はいた。

「見つけたぞ、請負人。」そう言うと、それは屋上からその者に向かいダイブした。


「おん!」連れている犬が反応した。 

 咄嗟に、その場所から俺は回避する。

 その途端に、そこに全身タイツで吊り目の男が降ってきて、道に大穴を開ける。


「なんだ、お前は。」

「ちっ、問答無用だ。」

 そのまま手刀を俺に入れてくる。

「ふっ、無駄だ。」

「くぅ、次元を超えたか。」



「そこだ。」

 その男は、俺に抜き手を入れてくる。

「無駄だと、ぐぅ。」その男の抜き手は、俺の脇腹に突き刺さる。

「ぐふぅ。」俺はその手を抜くと、その場に蹲る。


「ふはは、止めだ!」その男が俺に手刀を入れてくる。

「く、回避できない。」


「おん。」連れていた犬がその手を噛む。


「くっ。」そう言うと、その男は距離を取った。

「何故だ、何故俺に攻撃を入れられる。」

「同じ存在だから。」

「な。」

「今日は、此処までにしておいてやる。」

「つ。」

「次は、命を貰う。」


 そう言うと、その男はビルの屋上に向かいジャンプした。

「く。」傷は思った以上に深かった。



****************



とある、ビルの最上階。

「戻りました。」先ほどの男が部屋に入りながら言う。


「おぉ、良く戻りました。」部屋の奥、その横にいた女が声をかける、その名はラーガ。

「おぉ、で、首尾はどうだった?」部屋の奥中央にいた男が声をかける。


「一撃は入れました。しかし止めは傍にいた獣に邪魔されて。」

「おぉ、一撃は入れたのか!」

「は、しかし、その命を奪うまでは。」

「ははは、良い良い。それは僥倖だ。」

「は?」

「奴に傷を負わせられる、つまり奴を殺せる。」

「その通りでございます。」横にいるラーガが首を垂れる。


「お前に、褒美をやろう。」中央にいた男が言う。

「は。」

 中央にいる男は、傍にある炎が燃える燭台に手を入れると、炎をつかみ目の前の男に炎を投げる。

 その炎は、そこにいた男の手、足、胴に取り付き、防具に代わる。

「それは、裁定者の装備です。」ラーガが言う。


「きっと貴方の力になるでしょう。」


「ありがたき幸せ。」


 その時、男が乱入した。


「成程、そう言う事だったか。」


「誰です?」


「な、請負人?」


「後をたどってみれば、想定外だな。」


「ははは、探す手間が省けたぞ。」鎧を装備した男が言う。


「無駄だ。」請負人と呼ばれた男がすべてを無効にして言う。


「な。」その男は、意識を吸い込まれる感覚を感じていた。


****************



 俺は気づく。

 周りは、炎の海。 

 俺はラーガを抱きその部屋にいる。

「お前は、理を犯した。」聞きなれない声が言う。


「誰だ。」俺は聞く。

「助けた魂は、次の生で違う人生を送る、それが理だ。」俺の問いを無視して、声が言う。

「なんだそれ?」俺が言う。

「お前は、それを逸脱し、俺に害した。」聞きなれない声が言う。


「いや、訳が分からない。」


「お前たち二人は、転生を解除する。」聞きなれない声が言う。


「え? 転生? 解除? 何を言っている?」


「お前たちはここでその生を終える。」聞きなれない声が言う。


 そう言うと、目の前の男が消える。

「あぁ、ラーガは俺の手の中にいる。」

                                                                     敵の勢力がこの城を蹂躙している。

「ラーガー、愛している。」

「俺は、その屍に口付をした。」

 その刹那、この部屋の扉が蹴破られる。


「いたぞ。」

「おぉ、こいつらを屠ればこの政治が終わる。」

「俺がやる!」

「いや、俺だ!」

「全員でやるぞ!」


「「「「「「おぉ」」」」」」」

 そこにいた全員の刃が俺に食い込んだ。




*******************




「消えたということは、元の人生に戻ったという事か。」

「あぁ。」

「ふふ。」

「何がおかしい?」

「いや、なんでも。」



「まさか、君みたいな存在がいると思わなかったよ。」

「ははは。」

「時を超える、その刹那に生まれた僕のコピー。」

「心外だなぁ、僕は君だよ。」

「違うね。」

「え~、そうかな。」

「僕は、僕の存在をかけて君を消すよ。」

「な、ちょ、待って、話し合おう。」

「ははは、嫌だ。」

「ふはは、ではどうする?」

「おあつらえ向きに、致死レベルの傷がある。」

「な、まさか?」

「あぁ、繋げる!」

「ば、や、やめろ! 俺はまだ生きたい!」


「ふ、さだめだ。」

「うぎゃああぁぁ。痛い、痛い。」

「先に逝っているぞ。」



「ぐあぁぁ、嫌だ、嫌だ。」

「俺は、まだ・・・・・・」



「はぅ。」死が流れ込んでくる。


「俺は、まだ・・・・・・・・・・。」



 すべてが終わった。

 そこには、請負人と言われた男の姿はなかった。

 しかし、犬の姿で彼に付き添っていた女がそこにいた。

 あの日、助けた少女。

「翔、きっと帰ってきますよね。」その少女が言う。


 そこには、風が舞うばかりだった。

色々な有名人の死の瞬間を切り取り、現代に転生させれば面白いと思って始めたけど、

転生先が、人以外だとまぁ広がらないことに気付く。


尾崎とか、レノンとか、HIDEとか、ハイル!や自由は死なずとかも面白そうだけど。。


設定は売りません。


面白いと思ったら、私と組んでください、宜しくです。


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