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請負人 「翔」  作者: 超月 聖
7/8

始まり

「翔飛行士、防護服の具合はどうですか?」俺の恋人でもある***が、通信でそう聞いてくる。

「最低!」俺は思ったままの感想を答える。

「蒸れるし、動きずらいし、これならウエットスーツとフルフェイスのメットの方がましだよ。」

「はは、そう言うなよ、其れでも我が国の最新技術の結晶なんだぞ。」二人の上司である男が通信に割って入った。

「此の飛行が成功すれば、予算が降りるはずだから、その時には改良を考えるよ。」

「是非そう願いたいものですね。」

「ははは、そろそろ打ち上げシーケンスに入るぞ。」

「はぁ、了解。」

「翔飛行士、帰ったら美味しいご飯を食べに行きましょうね。」

「いや、君の手料理が良いな。」

「もぅ。」

「こほん。 一応国家のプロジェクトなんだがな。」

「全部記録されてますよー。」隣にいるオペレーターが言う。

「宇宙規模のバカップル認定ですねー。」


「いや、その。」

「あははは、ばれちゃったね。」

「今更かい!」


『打ち上げシーケンス、フェーズ2に入りました。』合成音が告げる。


『プロト2号、打ち上げ場所に移動開始します。』

「移動開始。」

『移動開始します。』


『180秒後に、移動完了します。』



『移動完了、発射フェーズに移行します。』

「翔飛行士、言い残すことはありますか?」

「おい、なんだ、そのフラグ? 俺の事愛してないのか?」


「ふふふ、冗談ですよ~、ちゃんと愛してます。」

「何だよ、ちゃんとって。」


「だから、記録されてますよー。」


「君たち、もう少し真剣にやろうか?」

「すみません。」

「はぁ、俺、このまま打ち上がって良いんですかね?」

「まぁ、余裕があることは良いことだがな。」

『最終打ち上げシーケンスに入りました。』

「んじゃ、行ってくる。」

「行ってらっしゃい。」

『カウントダウン、10,9,8・・・・・3,2,1,0点火します。』


 轟音が響きプロト2号が上昇を始める。


「上昇確認。」

「推力良好。」


『速度上昇。』


「! ちょっと待て、姿勢が変だ?」

「コントロールは?」

「計器がすべて異常だ。」

「脱出を。」

「駄目だ。作動しない!」

「え? 翔、逃げて。」

「う、あ、駄目だ・・・***愛してる。」


「翔~~~~~。」

 


プロト2号は、そのまま海面に向かい、海面に到達する前に爆発、四散した。







「助けてくれ。」

「あぁぁ、死にたくない。」

「こんな死に方は嫌だ。」




「うるさい!」




「あぁぁ、これで俺は終わるのか。」

「あたしの人生って。」

「いやだ、いやだ。」




「うるさい!」




「翔。」

「なんだ、誰だ?」

「翔。」

「誰だよ。」俺はそう言うと目を開ける。


「え? どこだ此処?」

 そこは時間の流れが可視化されていた。

自分が知っている過去や、見たこともない未来が同時に見えている。


「翔、目覚めましたか?」

「あ? 誰?」


「私は存在。この世の流れを見守るもの。」

「はぁ?」

「翔、貴方は、時の狭間に捕まり私の下位の存在になりました。」

「はぁ? 存在の下位の存在って何ですか?」


「貴方には聞こえているのでしょう?」

「え?何が?」

「生が終わる者たちの、思いが。」

「あぁ、さっきから聞こえてるこれ?」


「そうです。」

「で?」

「貴方は、その者たちに会い、その生を変える事を問い、その答えを叶える必要があります。」

「なに? その理不尽!」

「貴方が、此処に来た歪の修正方法です。」


「答えは、はいかイエスです。」

「選択肢ないじゃん。」


「どんだけやればいいんだよ?」


「ありえない事ですが、今の貴方が死ぬか、20000個の魂を救えば昇華します。」


「はぁ、了解、やるしかないんだよな。」



「では、聞こえている時空に行きなさい。」


「はぁ。」



「いやだ、死にたくない。」

「死にたくない。」








「僕を呼んだのは君なのか?」


完結させないと。

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