表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

名探偵・藤崎誠シリーズ

徳川埋蔵金を探せ

作者: さきら天悟
掲載日:2016/12/23

「埋蔵金って本当にあるんですかね?」

プロデューサーは藤崎の反応を見る。

先日、他局の徳川埋蔵金を探す番組が放送された。

高視聴率だったようだ。

林先生よる幕臣小栗上野介の着目が斬新だった。


藤崎は苦笑いを浮かべた。

以前このプロデューサーの番組に2度コメンテーターとして出演している。

『ワープ(瞬間移動)』、『ゴーストバスターズ』。

名探偵であるが、小説家になりたい藤崎は、小説がドラマ化、映画化された時のことを思い、

テレビ局との繋がりは必要だと判断した。

「小栗は私も好きです」

藤崎は笑顔を作って答えた。

以前から林先生と好きな人物が一致すると思っていた。

河井継之助、上杉鷹山、それに小栗上野介・・・

「でも、群馬山中にありますかね?」

番組を見た藤崎は疑問を持った。


プロデューサーは藤崎の反応を見て、嬉々とした。

できる、と思った。面白そうな番組が。

「じゃあ、どこに?」


「天才、小栗ですよ」

林先生は小栗を天才と称した。

小栗は、米国に日米通商航海条約の通貨レートの不平等をアメリカに認めさたり、

横須賀に製鉄所、造船所を築いたりした。

もし、その造船所がなかったら、日本の運命は変わったかもしれない。

それは日露戦争。

日本海海戦で圧勝した連合艦隊司令長官の東郷平八郎は、

この造船所を建設したことを小栗の子孫に感謝した。



ふむ、ふむ、とプロヂューサーは頷く。

「ちょっと泥臭いですね」



藤崎はプロデューサーの反応に驚いた。

感性はさすがだ、と。

藤崎もそう思った。

今で言えば、小栗は天才キャリア官僚だ。



プロデューサーは、藤崎の反応を見極める。

「何か、思い当たる所があるんですね?」


藤崎はニコリと微笑む。

「名探偵にお任せあれ」

藤崎は胸に手をあて、深く頭を下げた。





3年後、テレビだけでなく、新聞が大ニュースを報じた。

『徳川埋蔵金、見つかる』と。

それは林先生が着目した小栗上野介の隠し財産だった。

その金額、千数百億円。

幕末、小栗は幕府再建のため、フランスから莫大な借り入れをした。

それで横須賀造船を建造したり、軍備を洋式化した。

その残金が見つかったのだ。


その場所は山中ではなかった。

小栗らしい場所だった。

米国に渡ったり、世界事情に精通している小栗ならではだ。

ただ、簡単には見つからなかった。

だから、3年かかった。

藤崎はまたしても太田の力を使い、日本政府を動かした。

その結果、口が堅い先方が明らかにした。

先方とは、スイス銀行だった。

幕末にスイス?と思うかもしれない。

しかし、スイス人も既に日本に訪れている。

長岡藩家老、河井継之助はスイス人商人のつてで、

ガトリング砲を購入したことは有名である。


時代の最先端をいく小栗は、日本人として初めてスイス銀行に口座を作った。

これ以上ない、お金の隠し場所になった。


こうして小栗上野介の埋蔵金は見つかった。

いや、小栗のではなかった。

小栗が心酔していた将軍の名義だった。

徳川家茂。

若くして亡くなった清廉の、徳川14代将軍。

篤姫の夫だった。



『徳川埋蔵金を探せ』番組の放送が終わった。

プロデューサーに番組の出演を要請されたが、固辞した。

もともとは林先生の案だ。

藤崎はグラスを掲げた。

「徳川埋蔵金に乾杯」




完全にフィクションです。

でも、自分が小栗なら・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ