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軍師皇妃は軍と戦う 壱

「この戦いに負ければ、私はこの国において軍略に一切口を出さないと誓おう」


玲瓏リーロンのそんな第一声に、軍は大いに揺れた。

それにも構わず、玲瓏リーロンは続ける。


「さぁ、かかって来るが良い。其方そちらは精鋭五十人、此方こちら受けるはただ二人、臆する道理はあるまいて?」


そんなことを言って玲瓏リーロンともう一人、玲瓏リーロンと同じ仮面をした男が、蘭杳国軍に相対した。











時間は、少し前に戻る——


一寸ちょっと待て」

「ん? 何だ?」


翔呀ユゥグは何ともなしに聞いてくる相手に頭が痛くなるのを感じた。


「俺とお前が組んで戦う、そこまでは良い。お前は軍部と戦わねばならないから、幾らお前の正体を知るとはいえ藜舜ライサオ瑶絽ヨウルと組むわけにはいかぬのだろう」

「その通りだ」


言いながら玲瓏リーロンは今回の戦闘に使うという幾つかの武器を検分していた。

あくまで名目は訓練であるので、使われるのは金属製の武器でなく木製のものである。


「そこまで分かっておられるなら話は早かろう? 皇帝に剣を向けるを躊躇わぬ臣下がどれほどいる? 多くとも、五十までは至るまい。今回の戦いにおいて遠慮があってはならぬのだ。故に……」


と、玲瓏リーロン翔呀ユゥグの前に置かれたものを手にとって、また翔呀ユゥグに差し出した。


「仮面を付けられよ、陛下」

「何故そうなる……」


玲瓏リーロンと全く同じ模様の描かれた面に、翔呀ユゥグはハァとため息をついた。


「何故? それは今話したであろうが」

「だからって、お前と同じ面である必要はないだろう」

「いいではないか、夫婦らしくて」


平然とそんなことを言って見せる玲瓏リーロンの瞳をまじまじと見つめてしまう。


——本気で言っているのか?


表情がまるで読めないが、冗談のつもりで無いのだろうことはなんとなく感じ取れる。

翔呀ユゥグはますます頭を痛めた。


「そもそもこれは、母上の出身である戦闘部族の戦神を表す面なのだ。神聖なものなのだぞ」

「そういう問題ではないだろう……」

「男なら、思い切って付ければよかろう」

「この国は男女平等だ」


頑として付けたがらない翔呀ユゥグに、玲瓏リーロンははぁ、とため息をつくと、


「陛下よ」


翔呀ユゥグの目をじっと見つめた。

声音が変わっている。


——これは、俺を何かにのせようとする時の声だ。


翔呀ユゥグは思った。事実、


「陛下と知らず、そして遠慮もない最強の軍の剣を、受けたくは無いのか?」


という玲瓏リーロンの言葉は……翔呀ユゥグにとってひどく魅力的だったのである。







とまぁそんなわけで、玲瓏リーロンと同じ仮面をつけて出てきた翔呀ユゥグであるが、軍部の側に、その正体に気づいているものが二人ほどいた。

藜舜ライサオ瑶絽ヨウルである。


「あれってやっぱり……」

「陛下」

「だよな……」


何をやっているんだ()の方は、とため息をつく藜舜ライサオだが、その顔は少し笑ってしまっている。


陛下の行動もなかなか突飛だが、そこに梨由リユン、否、玲瓏リーロンが関わってこればそれはさらに何倍も突飛なものとなるのだ。


類は友を呼ぶ、ではないが、やはりあの(﹅﹅)陛下の元には、似たような気質の臣下が集まるらしい。

今回の戦闘に、面白い、と目を輝かせるものは少なくなかった。


で、と藜舜ライサオは愛槍を模した模擬槍を肩と腕で持ちながら口を開いた。


「で、どちらを担当する? 俺は、どうせなら皇妃……じゃなくて、軍師様と戦いたいところなんだけど。瑶絽ヨウルに陛下を任せても?」


こくり、と瑶絽ヨウルが頷く。


「構わぬ。……陛下を倒す、かしをかし……」

「かしをかし? ああ、菓子を下賜、か。へぇ、そんなことになってんだ。甘党のお前らしい。

まぁ視界も悪そうだし、頑張ればいけるかもしれないな」


こくり、と瑶絽ヨウルが再び頷く。

それを合図にしたように、二人は前に進み出た。


「……将軍は、」

「誰よりも前線で戦うもの」


翔呀ユゥグから言われた言葉を、ふと口にする。

瑶絽ヨウルはわずかに、藜舜ライサオはニヤリと笑みを浮かべた。


「……左将軍瑶絽(ヨウル)および左軍24名、推して参る」

「右将軍藜舜(ライサオ)と右軍24名、行かせてもらいます」


受ける二人とて、笑いを堪えられてはいなかった。


「来い」

戦闘描写から次の話。

……戦闘描写って難しいです。

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