星座(部活)をつくるぜ!
橘茂は学校が終わって教室の中で頭を悩ませていた。机の上にあるノートには、
『星座の作り方』と書いてある。他の人が見たら、まず、頭を疑われる一文だ。
一、メンバーを作る。
二、何かに取り組む。
三、形にする。
あとは星座の絵がつらつらと書いてある。
茂は隣の席で眠っている頼りない協力者の頭をどついた。
「お前も考えろって。どうすれば、メンバーが集まるのかを」
斎藤一は目を開くと、あくびをし、だるそうに茂を見た。
「メンバーねぇ。部活に入ればいいじゃないか」
茂は左手を振り、ちがうんだ、と、机の上に乗って語り始めた。
「俺がしたいのは、スポーツでも絵を描くことでも楽器を鳴らすことでもない。
新しい何かに取り組むことなんだ。その何かってのは、事件であったり、事件で
あったり、事件であったり」
一は呆れた顔で
「つまり、お前は探偵を気取りたいわけだ」
「む」
とりあえず降りろ、と一はしかめっ面をした茂を机の上から引きずりおろす。
「橘、一つ、訊いておく。お前がしたいのはみんなとわいわいすることか? そ
れとも、事件を解決に導くことか?」
茂はまるで昔話にでてくる斧を泉に落とした話みたいだな。と言い、一はいいか
ら答えろ、と言った。
茂はそうだなー、と言うと、威勢よく、
「どっちもだ!」
と答えた。一は、ため息をつくと、
「昔なら、落第だな」
「今は現代だ。昔の常識は通用しない」
一は、そうかもな、と言うと、
「部活をつくればいい」
と提案した。
茂は再び机に乗り出すと、
「なるほど。ナイスなアイデアだ。よっしゃー、星座
をつくるぜー」
つくるのは部活だ、そして恥ずかしいからやめろって、と、再び一に引きずりお
ろされる橘茂だった。
筆者、最近停滞期です。
さらに小説の書くスピードがおちるかも
しれません。