何見ても笑えた
何見ても笑えた
何見ても笑えた
「僕は学び舎のちいさな階段。タツオくんが大変なレシートの整理を『乙!』とやり遂げた次の日の朝、お庭のホタルブクロのみずみずしい新緑がきらきらと輝く、最高に晴れやかな一日の始まりだよ」
朝一番、二十五歳のタツオくんは、お布団からロケットみたいに元気よく飛び起きました!
「すう……はあ……! よし、お頭の調子もすこぶる最高だ!」
窓を大きく開けて深呼吸をすると、空はどこまでも青く澄み渡り、太陽がぽかぽかと笑いかけてくるようでした。
「タツオさん、おはよう! 待ちきれなくて迎えに来ちゃった!」
生垣の向こうから、天天真爛漫な笑顔を浮かべたサリナさんが、元気いっぱいに手を振って現れました。タツオくんは嬉しくて、お気に入りの車のドアをパッと開けました。
「サリナさん、おはよう! 今日はね、何を見ても楽しくなっちゃう最高の土曜日だよ。さあ、みんなを乗せてお出かけだ!」
ふたりがお友達のケンジとキヨコをお家に迎えに行くと、車の中は一瞬でおしゃべりと笑い声の嵐になりました。
「おいタツオ、昨日の八百グラムのレシート写真送り、本当にお疲れさん! お前はやっぱり真面目な強者だな!」
ケンジが助手席でワハハと豪快に笑うと、後部座席のキヨコも目を大きく見開いて言いました。
「本当ね! でも、お部屋もお庭もピカピカだし、今日のタツオさんは全問パーフェクトに晴れやかな顔をしてるわ!」
車が緑豊かな足利の里の一本道を走り出すと、タツオくんたちの目に入るもの全てが、まるで魔法にかかったように楽しく見えて仕方がありません。
道端でスズメが三匹並んでチュンチュンと跳ねているのを見ては、タツオくんが「あの子たち、朝のラジオ体操の居残り練習をしてるよ!」と言い、みんなで「あはは!」と大爆笑。
途中で見かけた、荷台にたくさんのぬいぐるみをぎゅうぎゅうに乗せた白いワゴン車が、ウインカーをチカチカさせて細い道を右折していくのを見ては、サリナさんが「おもちゃ箱の引っ越しね、ウフフ!」とお腹を抱えて大喜び。
「あはは! 本当だ、何を見ても可笑しくて涙が出ちゃうね!」
タツオくんはハンドルを握りながら、胸の奥が最高のぬくもりで満たされていくのを感じていました。過去の悲しい雨(マインドコントロールの霧や不安)は、みんなの豪快な笑い声によって、すうっと綺麗に吹き飛んで消え去っていたのです。
お昼になり、四人は街で一番美味しい定食屋さん(大戸屋)の前に車を停めました。そこは最新のAIカメラがナンバーをパッと認識する『スマートパーク』の駐車場でした。
「よし、今度はゲートがなくてもお財布をしっかり確認して、お会計を忘れないように心得てるぞ!」
タツオくんがからくりレジでピッとお会計を済ませると、店員のモモさんが「タツオくん、バッチリ大正解!」と温かい笑顔をくれました。
お店の中に入り、湯気がふんわりと立ち上る温かいごはんと、爽やかなジャスミン茶を囲むと、またまた楽しいおしゃべりが止まりません。
「タツオさんと食べるごはんは、世界で一番美味しいわね」
サリナさんが優しく微笑むと、ケンジがすかさず「ごちそうさま!」と言って、また全員で「わっはっはっ!」と豪快に大爆笑。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、夕暮れ時には空が優しい茜色の黄昏時へと移り変わっていきました。
夜になり、ぽかぽかのお風呂に入って一日の心地よい汗を流したタツオくんは、お布団の中で枕元のスーパーファミコンとお守りのメモをそっと眺めました。お母様とお父様が空の星から「よく頑張ったね」と優しく微笑みかけてくれているような、深い安心感に包まれます。
窓の外には、驚くほど大きくて綺麗な満月がぽっかりと浮かび上がり、笑い声がずっと絶えなかった四人の未来を、いつまでもぽかぽかと温かく、優しく照らし続けるのでした。
何見ても笑えた




