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第85話 運命

 「永遠の結界ですって!?そんな事が可能なの?」


 ベアトリーチェは驚きの余りに大声をだし、周囲の視線を集めてしまった。アーダルベルトの腕をひっぱり、少し離れたところでベアトリーチェは尋ねる。


 「それ、ディアナが考えたモノでしょ?」

 「あぁ、そうだ。ディアナ・グラディウスが作ったものだ」


 アーダルベルトがルーキウス国王から依頼を受けた時に、結界の魔石をすり潰したものを魔鉄に混ぜ込み支柱を作っていたが、3つの地域を囲う砦を作るには到底数が足りなかった。そこで、グラディウス商会から魔鉄を仕入れようと訪れた際に、ディアナと出会った。


 「彼女との出会いは、運命だったとしか言いようがない位の衝撃だった」


 その言葉にゼノンがぴくりと反応した。

 

 「違う違う。色恋とかそう云うのではなく…」


 アーダルベルトは、苦笑いしながら否定した。

  

 「握手をすると突然に互いのステータスボードが立ち上がり、よく見ると使える魔法もスキルもほぼ一緒で、文字化けした文字列も全く同じだったのだ」

 「え?あの文字化けもですか?」

 「ああ、あれが何かはまだ判明していないが、全く同じステータスを持つ者に出会えるとは思わなかったから驚いたよ」


 あの文字化けした部分は、第一王女メラニアもディアナのモノと全く同じ配列だった。3人の共通点って何?ベアトリーチェは考えを巡らせた。


 「それだけじゃ無く、ディアナも私と同じ様に考え、結界の魔石を使った建材を作っていた。それをそっくりもらって来た」


 ホストAIについては魔力の貯蓄も出来る様に改造し、魔石はアーダルベルトが以前倒したドラゴン3体の巨大な魔石を使ったとの事で、このホストAIを人が最も集まる役所かギルドに設置して欲しいとの事だった。


 「ディアナにはプロイスで会ったんですよね?作戦に参加しない理由について何か言ってませんでしたか?」

 「ん?要請をもらっていないとディアナから聞いたが?」

 「え?私はディアナが断ったと聞いてます…」


 お互い首を傾げる。そこに軍務卿がやって来て、アーダルベルトに「そろそろ結界の展開を…」と告げた。

 アーダルベルトは、ゼノンとベアトリーチェに「後でまた」と言って飛び去った。

 ゼノンがパーティメンバーと話し込んでいる隙を狙って、ベアトリーチェは軍務卿を捕まえた。


 「いったいどういう事なの?」

 「今、王城とグラディウス侯爵家の間はギクシャクしています」


 どうやら、ディアナの台頭をよく思わない他の貴族達が、「王子の婚約者である事を笠に着た専横だ」と非難する声を上げ、本国の議会が揺れているのだと言う。


 「ここでこうしていると、ディアナ嬢の進言に従って良かったと思えますが、現状を知ろうともしない彼らにとっては、国王がディアナ嬢に操られているように感じるのでしょう」


 確かに、ディアナは国政に関わり過ぎていた。だがそれも、転生者で初代国王の書を読めた事もあり、国王からの要請で『相談者』と云う形でアドバイスするだけに留めていると聞いている。また、第一王子の婚約者として、一部の執務を負っている事も聞いていた。


 「それを後押しするかの様な噂も飛び交っておりま

して…」

 「うわさ?」

 「えぇ、ミレーネ王妃主催のお茶会で、王妃様がグラディウス侯爵夫人に『ディアナを側妃として差し出して欲しい』と皆の前で打診なさった様なのです」

 「な、なんてことを!!」

 

 ベアトリーチェは愕然とした。怒りが湧いてどうしょうもなく、その怒りを魔獣討伐にぶつけた。

 ストラトス地域から南下し、国境線までの間に遭遇した魔獣の8割は、ベアトリーチェ一人で狩り獲られた。

 

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