表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/270

第84話 永遠の結界

 ストラトスとトルクは、それぞれの国王を領主としたルーキウス王国の一部としての生活がスタートした。

 ストラトス国王はアウグスト・ストラトス大公、トルク国王はアナウ・ハザール大公と、その地位を変えた。

 また、前政権が失われたビーツには、元トルク王次男・ナハル・ハザールが仮の領主として就任し、その副官として元ストラトス国王次男ステファノ・ストラトスが就任した。

 「いずれビーツの人にこの地をお返しする」事を前提とした、暫定措置だ。

 ストラトス大公の推挙により、ビーツ国民保護の立役者ディアナ・グラディウスの名も一時は上がったが、まだ16歳と年若く学生である事から議会において却下された。

 ルーキウス国王は、この3つの土地に軍を駐留させた。近く行われる魔獣掃討作戦の戦闘要員確保の為と、国境警備の為である。


 「狩った魔獣は、ルーキウスと同じ値段でギルドが買い取る」


 と発表した為、魔獣掃討作戦には多くの冒険者が参加を希望し、続々と集結しつつあった。

 その中に、ゼノン達一行とベアトリーチェの姿もあった。

 

 「ディアナは来ていないのかしら?」


 ベアトリーチェはディアナの姿を探した。


「ディアナ嬢でしたら、今回は不参加との連絡が入っております」


 軍務卿がベアトリーチェに近づいて言った。 

 ゼノンは、ディアナに会わずに済んだ事に少しホッとした。

 各パーティの責任者が作戦本部に呼ばれ、詳細について打ち合わせた。

 軍と冒険者を10の部隊に分け、3つの地域に向かわせた。

 ストラトス地区は北部をルーキウス王国と接している為、北部から南下する形で展開させる事となった。

 トルク地区は北部をリベラ共和国と接しているが、魔獣が出現する地域となっているため、トルク城のある中央部から全方位に展開させる事になった。

 ビーツ地区においては、北部は完全に封鎖されたキリル王国に面している為、そこから残る方位に展開させる事になる。

 ベアトリーチェはゼノンと一緒に、ストラトス地域に編入された。


 「ねえ、魔獣掃討作戦って言ってるのはいいけれど、はじめに塀で囲わなきゃ意味がないと思うんだけど…」


 ベアトリーチェの言う事はもっともだった。塀で囲った上で掃討作戦を展開させなければ、いずれ外部から魔獣はやってくる。ストラトスはまだいいが、長い戦争で疲弊していたトルクやビーツに至っては、手付かずの森をも抱えていた。

 

 「それなら問題無い」


 空から声がした。ベアトリーチェが見上げると、黒い翼を広げゆっくりと降下するキリル国王アーダルベルトの姿があった。


 「アーダルベルト殿!」

 

 アーダルベルトはルーキウス国王から「塀、もしくは結界を国境沿いに作って欲しい」と依頼されたと言う。


 「国境沿いを一旦結界で封鎖し、その中で全方位を囲う砦を作る。結界が張れた事を確認したら、作戦を開始してくれるか?」


 アーダルベルトは軍務卿にその事を伝えると、ストラトス大公がすっ飛んで来た。


 「全方位を囲う砦を作るとは…?」

 「この地域の本当の敵は魔獣などではない。ネイサン国も信用ならないが、シャーメンはもっと危険だ。だから、何かあった時の為にと特殊な建材を用意していたところだったのだ」


 その建材とは、魔鉄生成時に結界魔法の魔石を砕いたものを練り込んだ鋼棒や支柱の事で、周囲から少しずつ魔力を吸い取り、絶えず結界を発生させる事が可能と云う。そこで思いついたのが、任意で近隣住民に魔力を供出させ、ホストAIを通じて支柱に魔力を供給させようというモノだった。


 「これで、永遠に結界を張ることができる」

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ