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第82話 ゼノン4

 「フリーズ!」


 ベアトリーチェは、ウォーウルフを10体まとめて凍らせた。その後では、ゼノンが3体のウォーウルフの首を刎ねていた。


 「ベアトリーチェ、なかなかやるな」


 ディアナが2週間程領地に戻ると言うので、ベアトリーチェはリベラ共和国の首都に遊学中の実兄・ゼノンの元を訪れ、パーティに参加させてもらっていた。


 「リベラでは、こんなに街に近い所でも魔獣が出るのね」

 「俺も最初、ビックリしたんだ」


 最近ルーキウス王国の一部となったストラトスとトルク、ビーツでも魔獣掃討作戦を展開させる話が持ち上がっている。「自分も参加する」きっとディアナが言い出すだろうと考えたベアトリーチェは、足手まといにならないように少しでも経験を積んでおきたいと考え、プロイスにやって来たのだ。


 「お兄様も参加なさるおつもりですか?」

 「あぁ、だから早く連絡が来ないかと待ち遠しくてな」


 ウォーウルフを15体、角兎を10体、薬草類をギルドに売却して金貨10枚弱。


 「安っ!!」

 「はは!ルーキウスが高いのさ」


 ルーキウス王国がいかに特殊なのか、ベアトリーチェは理解した。

 街の市場で野菜を少し買い、グラディウス邸に戻る。少し休んでから、皆で台所に立って料理をする。


 「お兄様が自炊なさるなんて驚きよ!」

 「野営にも役立つだろ?だから、やることにしたんだよ。週に1〜2度だけどな」


 プロイスのグラディウス邸には、執事も使用人も料理人もいる。ルーキウス王国から遊学費用も支払われているらしいが、それでも「自分達の事は自分達でやりたい、という我儘をさせてもらっている」と、ゼノンは笑う。


 「最初に作ったシチューは、食べられたモンじゃなかったですけどね」


 ロイズの言葉に厨房中が大爆笑した。

 出来た具沢山のスープを料理長に味見してもらう。


 「これは、いけますよ。大鍋に作ってマジックバッグに入れておけば、出先ですぐに食べられますね」


 どうやら、合格点を貰えたようだ。

 その具沢山スープにパンを添えてテーブルにつく。ベアトリーチェは手を合わせて「いただきます」と言った。


 「なぁ、ベア。この間言ってたディアナの事なんだが…」

 「え?今話す?」

 「ずっと気になっててさ…」


 ジンが気を利かせて、ロイズ達を連れて厨房に戻った。


 「お前は、いつ気付いた?」

 「あ〜…デビュタントかな。お父様がディアナにダンスの相手を申し込んだでしょ?」

 「あぁ、俺もあの時に気付いた」

 「あのダンスは、まるで…」


 「「「セックスのようだった」」」


 ゼノンとベアトリーチェは、背後からした声に驚き立ち上がった。


 「レオナルド様!」

 「あの時、私もそう感じたよ」


 レオナルドは、自分でスープを器によそいテーブルについた。


 「ロイズ達が厨房で食事をしてたから、何で?と思ってたら、そんな話をしてたんだね」

 「すみません、陰口みたいで…」

 「いや、構わないよ。婚約者である殿下にとっては、大事な話だろう?」

 「そう…ですね…」

 「妬けた?」

 「えぇ、まあ…」

 「婚約発表のあとお兄様と踊って、ディアナはいなくなりましたよね?」

 「個室で泣いてたよ。『フラレて自覚するなんて…』って。あえて、誰に?とか誰から?とは聞かなかったけど、あのダンスに込められた想いに気付いた君達にもわかるんじゃない?」

 「フラレた…?」


 ベアトリーチェは口にこそ出さなかったが、その後の国王のディアナへの接し方を思い浮かべると「無理にケリをつけようとしたんだな」と想像がついた。



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