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第76話 ゼノン3

 グラディウス商会を通じて、ゼノンの元に「ルーキウス王国によるストラトス王国並びにトルク王国の併合」の知らせが届いた。


 「父上は、いったい何をなさろうとしているのか…」

 「おそらく、ストラトス王国の同盟国であるトルク王国を守る為でしょう」

 「奪われた領土の奪還に派兵する事も考えられます」


 ゼノンとレオナルド、ジンが届いた知らせを手に「自分たちも動くべきかどうか」を話し合っている時だった。

 ロイズが慌てた様子で玄関から走って部屋に入ってきた。


 「殿下!ベアトリーチェ様がおいでになりました!」

 「ベアトリーチェが!?」


 ロイズの後からベアトリーチェが現れた。


 「お兄様、ルーキウス王国のビーツ王国への進軍が決定しました。国境封鎖の為に、ご助力をお願いします」


 ベアトリーチェは、こうなった経緯をゼノンに説明した。


 「ディアナは既にビーツに潜入しています。一刻も早く国境封鎖をリベラとキリルに願いでなければ!」


 ベアトリーチェはゼノンと共にジンとロイズを連れ、まずリベラ共和国の大統領府を訪れた。「ビーツ国民の保護を優先とする進軍」を強調し、国境封鎖の約束を取り付けた。

 そして、そのまま一行は魔族の国「キリル王国」に足を進めた。


 「申し訳ありませんが、あなた方をここから先に通す訳にはまいりません」


 一行は検問所で足止めをくらってしまう。


 「ここから先は、人間に虐げられたエルフ族をはじめ、人間に対していい感情を持っていない魔族が多くいます。貴方がたのような一国を担う方達に何かあったら…代わりに翼を持つ種族の者を連絡係として王城に向かわせましたので、返事を持ち帰るまでお待ち下さい」


 検問所の個室休憩所に案内され、待つこと約20分。

 黒いマントに黒い翼の長身の男が現れた。男は、黒い翼を体内に収め、「キリル王国国王、アーダルベルトだ」と名乗った。


 「国王陛下直々に…?」

 「あぁ、話したい事もあったのだ。まず、国境封鎖の件は了承した。今、命令を出した所だから、すぐ封鎖されるだろう」

 「ありがとうございます!!」

 「さて…」


 アーダルベルトはゼノンとベアトリーチェを見た。


 「申し遅れました。ルーキウス王国第一王子、ゼノン・オブ・ルーキウスです」


 アーダルベルトは手を差し出し、ゼノンと握手を交わす。


 「ベアトリーチェ・オブ・オクタヴィアです」

 「第二王女で王弟殿下の養女…で、良かったかな?」

 「はい、そうです」


 アーダルベルトはベアトリーチェの手を取り、甲にキスをする。


 「カッコいい…●ットマンみたい」

 「ふっ。●ットマンは、私も大好きなんだ」


 アーダルベルトとベアトリーチェは、微笑み合った。


 「ごほん!ベア?」

 「すまない。ビーツに進軍すると聞いたが?」

 「あくまでも、虐げられている国民を保護する事を優先した進軍となります」

 「ビーツ国の酷さは目に余るものがあったからな。だが、今まで捨置いていたのに、急になぜ?」

 「アイマン皇太子からビーツの現状を聞かされ、ディアナ・グラディウスが立ち上がったのですわ」

 「なるほど、グラディウス家はイルマ家とは無関係と云うワケでは無いからな。だが、端から見ればルーキウス王国が手を打つのが遅かった様に思うがな…」

 「アーダルベルト国王陛下の仰言られる通りです。ディアナ個人が単独でもやる!と言い出さなければ、重い腰を挙げなかったでしょう。ディアナは亜空間に病院を建設し、それを持ったまま、既にビーツに潜入しております。残る南側と東側の国境封鎖をアイマン皇太子にお願いしております」


 話はベアトリーチェとアーダルベルトの二人の間でほぼ展開され、「復興支援」の約束も取り交わされて終わった。 

 

 「お兄様、もっとしっかりなさらないと、ディアナをお父様に奪われますわよ?」

 「お、お前、気づいていたのか!?」

 

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