表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/270

第74話 潜入

 ストラトス城で進軍会議が始まった。当初は反対意見もあったのだが、ビーツの現状を知らせた上でその発端の一部にルーキウス王国やグラディウス家が関わっていることを知ると、誰しもが異を唱える事をやめた。

 もし、反対意見多数で進軍を取りやめる事になったとしても、ディアナ個人でやり遂げようとするだろう事を何人かが念頭に置いていた。

 まず、イルマ家を脱出させないようにするために、ビーツと国境を接する近隣国に「国境の完全封鎖」を要請する事にした。


 ビーツと国境を接する国は5つ。

 南側にキルト国、クザン国。

 東側にネイサン国。

 北側にリベラ共和国、キリル国。


 南側と東側は、最近周遊したばかりのアイマンがストラトスから出発し各国王に要請すると言う。


 「キリル国王とも面識がある俺が行けたら良かったんだが…」


 キリル王国は巨大な土地を有する魔族国だが、王都がリベラ共和国側にあり、アイマン一人が回るには時間がかかり過ぎるため、北側は別働隊となった。

 北側は、ベアトリーチェがトルク王国からリベラ共和国に入り、第一王子ゼノンと合流し一緒にリベラ共和国とキリル国に要請する事になった。

 その間、ディアナはトルク城と国境にある砦にいくつかの道を繋げた。

 

 「周辺国に気づかれずに物資や兵を運べるというのは、凄いですね」

 

 現聖女のマルティナが言った。

 避難民の看護のために各教会から20名程が集められた。


 「私達もお手伝いさせて下さい」


 と大公妃ソフィアやディアナの母親ミーシャが侍女や使用人を連れて来ていた。


 「では、避難民の保護施設の説明を致します」


 昔は数十万いたとされているビーツの国民も、長い圧政で現在は一万人いるかいないかといった感じだ。それでもストラトスの保護施設に入り切れないようなので、ディアナは空間魔法で人が住める亜空間を作り、その中に錬金術で巨大病院を作り上げた。

 円筒形の形の半円にナースステーションや、食堂や休憩所を設け、トイレや風呂も設置した。

 手数料が差し引かれたグリーンアナコンダの落札代金を侯爵からもらったのでほぼ全額を食料やポーションに替えて搬入した。


 「皆さんには、この空間の中で避難民の看護に当たっていただきます」


 ディアナがこの空間を持ったままビーツに潜入し、遭遇する国民を片っ端から空間に送り込むという作戦だ。


 「危険過ぎない?」


 マルティナの質問に「結界が張れるので大丈夫です」とだけ答えた。

 

 「では、先行して保護活動に入ります」


 ある夜、ビーツ国民に扮したディアナは、砦から距離指定の転移魔法でビーツに潜入した。灯りが全く無い中で、目が慣れるまで待機した。そして、見つけた民をひとり、ふたりと亜空間に送り込んだ。朝から昼にかけては建物の陰に座り込み、ビーツの民になりすました。それでも、10分から20分に一人位の割合で亜空間送りを続けていた。


 「最近、急激に人間が減ってないか?」

 「餓死したり、魔獣に襲われたりで減ってるんだろうな」

 「俺、鉱山送りになるのは嫌なんだけどな」

 「兵士のほぼ全員が、食う為に兵になったようなもんだしな…逃げるか?」

 

 そう云う会話をしていた兵士は、トルク王国側にゆっくりと歩いて行った。


 「この辺りは一気に行けそうだな…」


 視界に入る範囲の5人を一気に亜空間に送った。そして、建物や小屋に残っていた10人程を送る。

 突然、建物の陰から一人の兵士が現れた。


 「アンタ、今何したんだ?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ