第70話 転移…
「日曜日に間に合って良かったです」
メディナ王国では、毎週日曜日は「市井の仕事は全て休まなければならない」と云う法律を制定している。いわゆる公休日と言われるものだ。王城の中では、交代で週に一度休みを取っているらしい。
その日曜日、王城の広場は門を開放し、皆からみえるように広いテーブルをいくつも繋げた。そのテーブルの上にグリーンアナコンダを出す。一斉にどよめきが巻き起こり、あちこちで「綺麗な色だな」などの声が聞こえた。
10人の解体職人がテーブルを囲み、解体が始まった。砂埃が立たないように、ディアナの結界魔法をかけた中での作業である。結界内の温度も低めの設定にした。
2時間かけて、皮が剥がされた。
「意外に早かったわね?もっと時間かかると思ってた」
「うん。それだけ熟練の職人を集めたんでしょうね」
「あの類のものは、皮の下に脂の層があって、そこに刃をいれるとスルーっと剥がれるのですよ」
「へぇ。今度野営でもするとき、捌いて串焼きにしてみようかな?」
剥いだ皮はすぐさま革職人に手渡され、何かの薬液につけられた。あの美しい色の鱗や皮がどんな製品になるのか楽しみだが、そこまで滞在する気はない。明日にでもメディナを立って、ストラトスに戻るつもりだ。
肉も大体2〜3キロ位に切り分けられ、布を巻いて見学者に配られた。
「目玉や牙、骨は冒険者ギルドに卸します」
冒険者ギルドも既に待機済だ。
正午には全ての肉を配布し終わった。
「私達用に5キロ程取り分けているので、夕食にお出ししましょう」
それまでの間、王城でのんびり過ごした。本当はメディナの街を散策したかったのだが、日曜日で市場は休みの上に見て回れるものがないと云う話だった。
「ディアナ、明日の朝出発するわよね?」
「うん。転移が使えるから今からでも良かったんだけど、あれ食べてみたくって」
「あはは、この食いしん坊さんめ〜」
女官が「入浴の準備が整いました」と呼びに来たので風呂に入った。
「あ〜この大浴場も今日までか〜」
「なんか、入浴剤がはいってるね。体ポカポカだぁ」
3分程湯に使っていると、頭がクラクラしてきた。
「なんか、のぼせちゃったかな?」
二人とも湯から出るが体が思うように動かない。女官がやって来て冷たい飲み物を飲ませてくれたが、更に意識が混濁してくる。今度は、4〜5人の女性がクスクス笑いながら二人を取囲み、体を布で拭い服を着せてくれた。だが、その服は服と言うにはなんとも卑猥なベビードールのように透けた生地の物で、下着はパールで設えたTバックスタイルのものだった。
「ヤバい!」
そう思うのに体も頭も思うように動かず、女達に引きずられてある部屋に放り込まれた。
「やっと来たか…」
その部屋の主は、アイマンだった。
「な、何を…」
「ほう?まだ理性が残ってるのか。あれだけ高濃度の媚薬を使ったのに」
「び、や、く…?」
「ああ、お前らを俺のハーレムに加えようと思ってな」
旅の間のアイマンは優しげで礼儀正しい好青年だった。だが今はそれとは全く違う様相を見せた。
「ホント、二人揃って極上な女だな」
アイマンは、ベアトリーチェの胸の突起を摘んだ。
「ひゃ…や、」
「はは、感度いいな。ディアナはどうだろうな?」
パールのTバックを捻りあげられた。
「あぁっ!」
「ふっ、これにもたっぷり塗り込んであるから効くぞ」
二人してベッドに押し倒された。ディアナは、ジリジリと手を伸ばしベアトリーチェの手を掴んで、力をふり絞る。
「転移…」




