表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/270

第66話 調印式

 「遅くなり、申し訳ございません」


 場所を大広間に移し、ミレーネ王妃とグラディウス侯爵はじめ、王都に駐在する政府官僚や貴族当主もしくは代理人が招集された。

 『調印式』を古い映像で見た事はあったが、実際に目にする事になるとは思っていなかった。

 正直に言うと、なぜ自分がこの場にいるのか?と云う疑問が湧いてくる。年若い娘二人が場違いなのだ。


 「ベア…席外しちゃダメかな?」

 「ちょっと、怖いね…」


 ここから逃げ出したとしても、多分呼び戻されるのだろう。おそらくこの後、派兵の為の通路を開く事になる。だが、ディアナとベアトリーチェは現在、アイマン皇太子が落札したグリーンアナコンダを搬送中で、もうこれ以上出発を先延ばしできそうもない。通路を開けるのは、明日の朝までの間に限られる。やはり、この場に留まるのが賢明なのだ。


 「ストラトス王国並びにトルク王国のルーキウス王国併合が成った事を、ここに宣言する」


 色んな事を頭の中で考えている内に、目の前では両国王の調印が成されたようで、皆総立ちで拍手している。つられて、ディアナとベアトリーチェも立ち上がった。

 そこに、ストラトス国王が近づいてきた。


 「ディアナ、今日そなたに会えて良かった。そなたがいなければ、成すことが叶わなかった事だ」


 握手を求められ、それに応えた。


 「ストラトス城の騎士団訓練場と、ルーキウス王国騎士団訓練場を繋いでくれるか?」

 「わかりました。一度ストラトスの訓練場に行き、向こうから道を繋ぎます。案内をお願いします」


 ストラトスの宰相に案内を頼み、まずストラトス城へ。

 ディアナがストラトスに行っている間、両国王がグラディウス侯爵に向かって礼を言う。そして、ディアナへの賛辞も一緒に…。


 「娘が規格外の能力を持っている事は理解してます。ですが、あまり巻き込んで欲しくない」

 「だが、ディアナはゼノンと結婚するんじゃろ?」

 「わかってます。わかってますが…」

 「義父上、私が悪いのです。私がディアナの能力欲しさに、5歳の時から国政に関わらせていたのです」

 「は?5歳からだと!?」

 「私があの娘の自由を奪ってしまったのです」

 「そうか、そんな事が…」


 騎士団訓練場に異動した人達は、今か今かとその時を待っていた。

 訓練場の壁の一部にキラキラした光が広がった。そして、人が3列位並ぶ通路が出来た。


 「おぉー!」


 歓声が上がる


 「繋がりました」

 「ディアナ、ありがとう。これでトルクを救える」


 ストラトス国王がディアナの手を両手で包み、何度も何度も礼を言った。


 「では、私達はアイマン皇太子の所に戻りますね」

 「ディアナ、皇太子には…」

 「言いませんよ。でも、仮にも皇太子。全く気付いていないという事もないかと。ただ、介入することは無いと思われますが…」


 そう言って、ディアナはベアトリーチェと二人でストラトスに戻った。宿は多分、昨日と同じ所だろうと当たりをつけて訪ねると、皇太子付きの使用人が待ち受けた。

 

 「お帰りなさいませ、皇太子様がお待ちです」


 一緒に食事を摂り、その日は部屋に籠もって寝た。

 翌朝、メディナに向けて出立した。

  

 「私に、任せて!アイスニードル!」


 馬車を襲って来たウォーウルフ30体を、氷の柱30本で串刺しだ。


 「ベアトリーチェ、凄いなぁ」


 途中、なんども魔獣に遭遇した。レベルを上げたいベアトリーチェが、主戦力として活躍した。だが、砂漠地帯に入ると様子が、変わった。魔獣の1体1体が大きく、まだレベルの低いベアトリーチェにはトドメを刺せる程ではなかった。


 「よっしゃー行くで〜!!」


 ディアナは、この1ヶ月の鬱憤を剣に込めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ