表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/270

第57話 第一王女メラニア

 ダンジョン捜索は、10階層に到達した時点で一旦の区切りをつけ、後日改めて情報開示を行う事となった。

 それまでの間に、冒険者ギルドの出張所と警備兵の宿泊施設の建設、ダンジョン探索に必要なアイテム屋の設置が急務となる。

 情報開示後に公開され、やっとダンジョンに入る事が出来るようになるのだとか。

 ダンジョン内のマップや出現する魔獣の種類、入手出来るお宝の情報などは、新階層を実際に探索した冒険者から情報を冒険者ギルドが買取り、攻略法として一般公開されると言う。


 「今の私の力じゃ3階層位が限度だったわ」


 帰宅したベアトリーチェは大公に、見つけたダンジョンの話をしていた。


 「あんなにステータス値が高いのに?」

 「やはり、実戦は思い描いてたのと違った。慣れるまで、低層階で頑張ってみようかな」 

 「そうだね。自分の戦闘スタイルが早くつかめるといいね」

 「ディアナだと、一人でガンガンいけるんだろうけど」

 「あ〜、あの娘は別格だからね」


 大公は苦笑いした。

 ベアトリーチェは、あの黒い魔石をテーブルに置いた。


 「それは何の魔石なの?」

 「わからないの、この家に養子に来るときにメラニアお姉様がくれたものなんだけど…」


 ダンジョンの入り口を見つけた時のことを話した。鑑定スキルで見ても「ブラックホール」としか出てこず、ベアトリーチェは困惑している。


 「明日、お姉様にお会いしようと思う」


 第26代ガイウス・オブ・ルーキウスには、4人の子供がいる。出生順に、第一王女メラニア、第一王子ゼノン、第二王女ベアトリーチェ、第二王子シメオンの4人だ。

 第一王女メラニアの教育には、第26代目国王を育てた教育係のアドルフ・ブラーが充てられたが、それは王太子教育より厳しいものだった。

 当時3歳だったメラニアの話す言葉尻が、呂律が回らなくてうまく発音出来なければ、容赦なく鞭を打つ。掛け算の暗算が出来なくて間違えれば、また鞭で打つ。国の歴史を10年分、一晩で暗記できなければ、裸にされて尻を平手で気を失うほど叩くなど、虐待を繰り返されていた。

 しかも、王太子の教育係だった事で絶対的な信頼を得ていた為に、侍女が侍女長にその事を報告しても、「少し厳しい」程度にしか受け取らなかった。

 だが、日に日に様子がおかしくなるメラニアを心配した宰相が、メラニアの監視が必要だと判断したその日に事件は起こる。


 「ギャー!!」


 と云う、微かにだが悲鳴を聞いた宰相は、その悲鳴の元を探して走り回り、メラニアの部屋の前に辿り着いた。

 ドアには鍵がかけられていた。

 「小さい子は何をするかわからないので、鍵はつけない」が当たり前になっていた。それなのに鍵がかかっている事に不審感を覚えた宰相はドアを蹴破った。

 そこで宰相が目にしたのは、裸にされアドルフの屹立を突き立てられて、グラグラと腹の上で揺さぶられるメラニアの姿だった。

 宰相はアドルフからメラニアを引き剥がし、自分の上着を脱いでそれにくるみソファに横たえた。


 「僕のメラニアちゃんを返せー!」


 アドルフが宰相に掴みかかってきた。その頃には、近衛兵や侍女が駆けつけ、メラニアは保護された。宰相はアドルフを殴りつけた。何度も何度も…。近衛兵が止めに入ってもやめなかった。騒ぎを聞きつけた国王陛下と王妃が「何事だ!」と声をかけるまで続いた。


 「なんてことを!!」


 宰相の上着にくるまれたメラニアに何があったか察した王妃は、メラニアを抱き締めたまま気を失った。そして、メラニアは侍女に、王妃は国王陛下に支えられ退室した。

 

 「メラニアちゃん…僕の女神様…」


 アドルフは近衛兵に引きずられ、地下牢に監禁された。その後、半年程してアドルフは処刑された。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ