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第55話 パルテノン

 目の前に現れたダンジョンの入り口は、その地の全ての人を誘うかのように、荘厳な作りをしていた。

 ベアトリーチェの目には、パルテノン神殿の様に見えたそれは、もし建てられたばかりならこういう物だったに違いないという位に真っ白で、柱にさえ傷ひとつついてはいなかった。

 一歩踏み出しかけたその時、ベアトリーチェの肩をグッと抑えた人物がいた。魔道師団長だった。


 「私達は、ダンジョン初心者です。ここは、慣れのある冒険者に任せて、後に続きましょう」

 「そ、そうですわね…」


 ダンジョンの入り口に3チームの警護を置き、残りのチームの再編成を行った。最初のチームに、探索系スキル持ちの斥候を入れ、索敵・索罠重視で動いてもらうことになった。ベアトリーチェは軍務卿と共に中程のチームに編入され、魔道師団長は入り口を入ってすぐのエントランスホールで他の5チームと待機になった。


 エントランスホールを抜け、人が3人位は並んで歩ける幅の階段を20段位降りると踊り場があり、くの字に曲がりまた20段位の階段を降りる。すると突然開けた場所に出た。


 「眩しい…」


 陽を遮る様に手をかざした先に見えたのは、燦々と陽が降り注ぎ爽やかな風の吹く、大草原だった。


 「…」

 「…なんじゃ、こりゃー!!」


 ダンジョン=洞窟を想像していたベアトリーチェは、つい大声で叫んでしまった。軍務卿の話によれば、たまにこういうダンジョンが存在するらしく、階層によって作りが違い、その階層にあった魔獣が出現するのだとか。

 斥候からの伝令で、この階層には罠はないが、スライムや角兎と言った低レベルでも戦える魔獣が出現しているとの事。


 「じゃあ、いっちょやりますか〜!」

 「ベアトリーチェ様、結構好戦的なんですな?」

 「ステータス値は高いけどレベル低いから、経験値を稼ぎたいのよ。いつまでも、ディアナにおんぶに抱っこじゃね?」

 「ならば、お手伝いいたしましょう」


 軍務卿は、ベアトリーチェの盾に徹する事にした。最初の角兎をウィップひとふりで倒したあと、キラキラ光りながら角兎が消え、コロンと音を立てて角が残った。


 「ダンジョンでは、死体は残らないのね?」

 「そうです。こうやって、アイテムをドロップして行くのが主で、ごく稀に宝箱を置いて行くものや、死体そのものがお宝と云う事があります」

 「死体がお宝?」

 「えぇ、キングサーペントやドラゴンと言ったボス級魔獣ですな」

 「キングサーペント…数日前に、ディアナが解体に出して結構な金額になったみたいよ?」

 「は?」

 「黒い森で倒したって言ってた」

 

 軍務卿は苦笑いした。


 「ディアナ嬢は、規格外なので参考にされない方がよろしいかと…」


 ベアトリーチェも吹き出した。

 1階層でスライムと角兎を20体程倒し、人の流れに従って2階層に降りた。作りは1階層と同じだが変わった点がある。2階層では、クリスタルラビットとゴブリンが出現した。ここでもクリスタルラビットを10体程とゴブリンを2体倒し、3階層へ。3階層は、側に川が流れる林だった。


 「ねぇ、この川どこから来てんの?」


 軍務卿を見上げて尋ねるが、「さぁ?」と苦笑いされて終わった。

 3階4階と階を重ねる毎に軍務卿に庇われる事が多くなり「この辺りが今の自分の限界かな?」と呟くと軍務卿から「賢明な判断ですな。引き返しますか?」と聞かれたのでベアトリーチェは引き揚げる事にした。

 3階から2階に上がる階段の所で軍務卿と別れ、エントランスホール迄一人で戻ったベアトリーチェは、そこでディアナがグリーンアナコンダを倒した事を聞いた。

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