第44話 冒険者登録
「ねぇ、完遂したハズの鑑定スキルに新しい項目が出てきたんだけど?」
冒険者ギルドの新規登録カウンターに並んでいる最中に、ベアトリーチェが尋ねてきた。
「『相場』でしょ?隠れスキルかな?もしかして、他にもあるかもしれないね?」
「まさか、Lv.100以上があったりして?」
「うひゃ~なんか、楽しみ〜」
そんな話をしていると順番がやって来た。
「新規登録ですね。住民カードはお持ちではないですか?」
「無いです」
「では、同時に登録いたしますね」
「銀行口座の開設はどうなりますか?」
「口座開設と入出金は可能ですよ。振り込みの方は、あとひと月程で可能となります」
「じゃあ、全部まとめてお願いします」
「では、鑑定具に手を置いてください」
ヴン!と軽い音がして、ディアナの個人情報と生体認証の為の指紋・静脈を読み取る。と、途端に横並びの受付の職員が二人共立ち上がった。
「ベアトリーチェ様!?」
「ディアナ様!?」
「「はい?」」
そのまま、ギルドマスターの部屋に連行されてしまった。
二人共、親からもらった承諾書を提出した。
「許可はもらってます」
「いや、しかし…高位貴族のご令嬢が…」
「貴族は登録出来ないなんてルールは、ございませんでしょ?」
「それは、そうなんですけど…ディアナ様は第一王子の婚約者、方やベアトリーチェ様は第二王女であらせられるのに…」
「国王陛下からも、許可は頂いてますわよ。お疑いなら、お問い合わせ下さいませ」
ギルマスは、本当に王城へ人を向かわせた様で、「しばらくお待ち下さい」と言った。
時間がもったいないなぁ、と思いながらインベントリを覗いていたら、過去に黒い森で討伐した魔獣がそっくりそのまま入っている事を思い出した。
「以前に討伐した魔獣を収納したままなんですけど、買い取ってもらえますか?」
「は?魔獣討伐の経験がお有りなんですか?」
「ええ、ありますけど…角兎とかアイスウルフとかオークとか…」
「は?アイスウルフって黒い森に生息している魔獣じゃないですか」
「はい、そうですね。黒い森で討伐しましたから」
「ちょっと見せてもらっても?」
そういうので、アイスウルフをインベントリから1頭出した。
「うわ…本物だ…」
「アイスウルフだけでも50頭程ありますけど、どうします?」
「じゃ、じゃあ地下の解体倉庫まで来て下さい。そこで受け取ります」
ギルマスとベアトリーチェは王城からの返事待ちで部屋に残り、ディアナは副ギルマスと地下へ。
「地下で受け取りって、私みたいに収納スキルがあればいいけど、無い人は大変じゃない?」
「建物の裏手に、滑車を使った昇降機があるのですよ。それを使って降ろしてます」
「へぇ、エレベーターがあるんだ。後で見せてもらっていい?」
「はい、どうぞ」
【解体受付】と書かれた看板が見えた。地下は丸ごとワンフロアが解体場になっているらしく、正面奥に昇降機らしき物も見えた。人数は5人、作業台は10台ある。角兎200体いけるだろうかと心配になった。
「どの位ありますか?」
「えっと…角兎200、ウォーウルフ50、アイスウルフ50、アシッドスパイダー75、それから…」
「ちょ、ちょっと待って下さい!そんなには処理できないので、1日1種類ずつお願いします!」
「ですよね〜じゃ、角兎200で、残りはまた後日」
複写式の解体・買取預り証をもらった。魔石の有無や素材になる部位の状態によって買取価格が変わるので、金額提示は解体後もしくは翌日になるらしい。
ちなみに、発動した鑑定スキルでは一体(肉)銀貨3枚、魔石は銀貨2枚、毛皮銀貨2枚、角銀貨1枚、爪一本銅貨5枚と出た。




