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第39話 はじめてのおつかい4

 「それなら、防具に付けるよりアクセサリーの方が勝手がいいな。ペンダントより指輪の方が自然に魔力を流したり引き出したりしやすいと思うが…」

 「じゃあ、指輪で」

 

 その時、カランカランとドアベルが鳴り、一人の女性が入ってきた。それは、先程立ち寄った「プチ・ビジュー」の店主だった。


 「お、いいところに来た。マリアンヌ、この石を指輪にしてくれ」 

 「あなた方は先程の…」 


 街を案内してくれたアルドは、どうやらディアナ達が「冒険者として必要な物」を察してくれていたようだ。そして、装備品を介して人との繋がりができていってる事もまた、これから冒険者として活動する二人には財産となるのだろう。


 「結界の魔石ですか!?初めて見ました」

 「おぅよ。これは天然モノじゃなく、こっちのお嬢ちゃんの魔法を封じ込んだものらしい。マリアンヌ、いけるか?」

 「はい。やらせていただきます」


 マリアンヌとベアトリーチェが指輪の材質やデザインの打ち合わせをしている間に、ディアナの装備を決めることにした。


 「お嬢ちゃん…ああ、ディアナでいいか?」

 「はい」


 どうやら、面倒くさくなったらしい。長い付き合いになりそうだし、その方が楽だとディアナは思った。


 「ディアナは今、何を使ってる?」

 「これです」


 インベントリから銅の剣を出した。この銅の剣はグラディウス商会の警備部隊が使っている物を拝借したもので、約10年間の間に7本使い潰している。


 「魔法が乗りやすくそこそこ切れるので使ってますが、あまり丈夫ではなくて…」

 「だろうなぁ。ディアナ程の攻撃力や魔力には耐えられんじゃろ」


 初めて黒い森で魔獣に遭遇した時、ディアナは炎の魔法を使って攻撃した。魔獣を倒すことはできたが、森林火災が発生しかけ、急遽水魔法で沈火させた。その時に、特定の属性に弱い魔獣と戦う時は、剣に魔法をのせて戦う方法を編み出し、実行している。そして、ディアナのステータスの職業欄に『魔法剣士』とついた。


 「ディアナ、金いくら持ってる?」

 「金貨1万枚。これからも随時入ってきます」

 「鑑定具か?」

 「鑑定具に使ってる魔石や鍛冶用の炎の魔石での稼ぎが」

 「あ、あの火力が安定して長持ちする炎の魔石もお前さんらの作ったモノか?」

 「はい」

 「はは、こりゃ凄いな。じゃ、これ位の剣でも買えるだろう」


 ラルフは、鍵のかかった棚から薄っすらと青白く光る細身の剣を取り出した。


 「ミスリルですか?」

 「そうじゃ。総ミスリルだが、重くはない。魔法も乗りやすいが、剣身にちょっとした工夫がこらしてある」


 剣のつかの部分に小さめの魔石が入る位の穴があり、その穴から剣先に向かって細い溝が掘られていた。


 「ここに魔石をはめ込んで魔力を通すと、その属性魔法が凝縮され細い槍のようになる。ま、一点集中攻撃が出来ると云うものなんだが…」


 ディアナには、余りある魔力があるので必要性を感じなかった。ラルフは、ディアナの表情からそれを読みとったのだろう、話を続けた。


 「ボス級との戦いに有利なんだよ」


 高位魔獣になる程魔法を使うものも多く、中には属性防御の結界を張るものも存在する。アンデッドのボス級がその最たる例で、聖属性の欠点の上に炎や水などの属性防御結界を重ねがけしているらしい。それは戦いの最中に弱点がコロコロと変わるように見えるのだとか。それを打破する為に作られた剣で、重ねがけされた結界を力技でこじ開けつつ、本体に聖属性の槍を突き立てるという感じになるらしい。


 「なるほど」

 「聖属性を持つ者など勇者様位で、中々お目にかかれんからな。ここで、ディアナに会えて良かった。この剣を受け取ってくれるか?」

 「はい、ありがたく!」

 「や、タダじゃないがな」

 「あ〜やっぱり?」

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