表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/270

第26話 鑑定の魔道具2

 現存する鑑定の魔道具は11個。その内1つが王立学園で使用され、5個がルーキウス王国内の冒険者ギルドで使用中だ。残る5個についても、国外にある冒険者ギルドの支部で使われている事が判っている。


 「圧倒的に、数が足りてないと思いませんか?」

 「そう思うが、そう簡単に作れるものではないだろう」

 「悔しいけどその通りで、失敗続きです。でも…これが、手掛かりになるかと…」


 ディアナは『魔導回路図』を手に取った。そして、「ここが主電源で、ここから…こう流れて…ん?セットされた魔石から何かを引き出す…?」指で図面を辿りながら呟くと、工房長のスーグが驚いた様子で話かけてきた。


 「お嬢様は、図面が読めるのですか?」


 「いや、なんとなくだけど…」と、ディアナは自分が転生者である事、前世で父親が電子回路図などの設計を仕事としていた事を打ち明けた。


 「あぁ、そう云う事でしたか。『構造解析』や『構造設計』のスキルをお持ちなのかと勘違い致しました」


 スーグの話によると、『構造解析』と『構造設計』と云うのは固有スキル『錬金術』の中に派生するスキルらしく、『魔導回路図』を作るには『構造設計』と云うスキルが必要で、『構造設計』のスキルを習得するには『構造解析』と云うスキルが必要なのだと云う。

 では『構造解析』とは何なのか?と問うと「物体を構成する物質の構造を解析する能力」と答えられ、頭が混乱した。


 「えっと、つまり…私が今着ている服は、布地と糸と木のボタンで出来ていて、その布地は綿から出来ていて…とか云う感じ?」

 「そうです。レベルが上がると、もっと細かい目に見えないレベルの解析も出来ると、過去の開発記録に書かれてありました」

 「ん?分子レベルの解析が出来ると云うことか!?凄いな…私の錬金術スキルのレベルじゃ、まだ無理だ…」


 ディアナはステータスボードを開き『錬金術』の部分をタップした。すると、ガコンとツリー状にスキルが表示された。


 『1:木採取・抽出・注入・加工

  2:土採取・抽出・注入・加工』


 それぞれの習得にレベル5ずつかかったと記憶している。いったい、どの位レベルを上げればそこまで辿り着けるのか…。魔法と剣の世界だからといって、何でも魔法で出来るものでは無いという事を痛感した。


 「ですが、錬金術スキルをお持ちなら、いずれ習得出来るでしょう。もしよろしければ、工房で修行なさいますか?魔道具製作を手伝いながら、と云う事になりますが」


 スーグの申し出にディアナは飛びついた。

 それから4年かけて『構造解析』を習得、そのあたりからベアトリーチェも工房に通うようになり、そこから更に3年かけて『構造設計』を習得した。

 その頃には、二人の固有スキル『鑑定』のレベルはMAXに到達し、最上位スキル『神の目』まで習得した。

 それでも、鑑定具製作に成功することはなかった。何をどう工夫をこらしても、固有スキル『鑑定』を魔石に変換することも定着させる事も出来なかった。


 「だあぁっ!」


 ちゃぶ台返しよろしく作業机をひっくり返すディアナに、周囲の職人達はビクビクしていた。ベアトリーチェが「すみません、ウチの駄々っ子が…」と苦笑いしながら、片付けていた。


 「お嬢様方はもうすぐ王立学園に入学なさるのでしょう?学園にある鑑定具の『構造解析』をするチャンスですよ」


 スーグに言われてハッ!とした。


 「そうだ、その手があったか!」


 そして、15歳の誕生日から半年位経った頃、待ちに待った王立学園の入学式を迎えた。ウキウキワクワクのディアナを待ち受けていたのは、ゼノン第一王子だった。


 「ディアナのステータス鑑定は、無しで!」

 「な、な、なんでっ!?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ