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第24話 デモンストレーション2

 「えぇ、その通りです」


 ディアナがベアトリーチェと一緒に試してみた結果、他人が蓄積した魔力は吸い出す事が出来ない事がわかった。

 正確には、吸い出しには成功したものの、激しい動悸や頭痛に襲われ二人共気を失ってしまったのである。

 だから、これは出来ないものとして扱った方がいいだろうと判断した旨を報告した。


 「では、もうひとつお見せしましょう」


 ディアナは、空の魔石をひとつ持って自分の持つ魔法から、結界魔法をイメージして魔力を流し込んだ。

 キラキラと輝きはじめた魔石が濃い青色に変わり、真ん中に星のような模様が入った。

 転生者が見ればスターサファイアによく似た感じの石だと思うだろう。

 そして、その青い魔石を鑑定具に乗せた。


 『ディアナの結界魔法が封入された魔石。対物理・対魔法結界100%』


 と鑑定結果が表れた。


 「属性魔法も注入できるのか!」

 「えぇ、炎や水の属性魔法の魔石も作ってみました。ですが、そのままでは魔法としては使えませんでした。魔道具屋や錬金術工房の錬金術師達が作る回路図を介す事で、属性魔法を引き出し使う事が可能になる事が判明しました。剣に回路図を施し魔石を埋め込んだ上で、軽く魔力を流すことで一時的に剣に属性を持たせる事ができました。」

 「一時的に魔剣の様になると云う事か?」

 「そう考えてもらっていいと思います」


 ディアナは、出来たばかりの結界の魔石を国王に差し出した。


 「こちらを献上致しますので、回路図を施した装身具などに加工して身につけるようにして下さい。その大きさの魔石ならば、少し魔力を流すだけで王城をまるごと結界で包む事も可能かと…」

 「なんと!!」

 「ゼノン殿下には、これを…」


 ゼノンの左腕にバングルをつけた。小さめのスターサファイアのような石がついていた。ゼノンのステータスに対物理結界と対魔法結界100%がついた。


 「遊学先でお役に立てるように作っておきました。他の4人の方の分も。餞別です。」

 「ありがとう」


 その時、第二王子のシメオンがおずおずとディアナに問いかけた。


 「ディアナ様は、先程『ここだけの話にして欲しい』とおっしゃいましたよね?何故ですか?私は、民の生活にも国家の防衛にも、大変役に立つものだと感じたのですが…」


 おそらく、シメオンはディアナが情報公開に躊躇した理由に気づいているのだろう。あの「魔力ポーションは必要なくなる」のあたりから。それをわざわざ発言させることで、国王に采配を譲らせようとしている。ディアナは、それに乗ることにした。


 「空の魔石に魔力を注入して作った魔石が、新たな動力源となることは先程お見せした通りです。これが一般に広まれば、家庭用の灯りは蝋燭や油を使ったランプから、今よりずっと安全でかつ安定供給できるものへと変わるでしょう。ですが、魔獣を狩り魔石をギルドに納入してきた冒険者はどうなるでしょうか?魔力ポーションが必要なくなったら、薬師は…と考えると、情報公開することを躊躇ってしまいました」


 ディアナは、困惑気味の表情をしてみせた。すると、国王がすぐに反応した。


 「今日、この場で見た事を口外する事を禁ず。そして、有用性のある事については再び検証の上、当面の間は国家の防衛のためだけに使用するものとする。その間に、魔石の需要と供給量の調査をせよ」

 「はっ!」


 ディアナとシメオンは、見つめ合って微笑んだ。やはりそうだったか。ゼノンが王となる頃には、初の王弟宰相が登場するかも知れないな、とディアナは思った。


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