第21話 ▼レベッカが仲間に加わった!
「バートン男爵、そんな事しなくていいんだ」
グラディウス侯爵は、男爵の背中に手を添え立たせた。レベッカにも同じ様にして、二人を椅子に座らせた。
「国王からお呼び出しがあったと聞いておりますが、もしかしてこの時間まで王城に?」
「あぁ、朝イチで使者が来てな…」
婚約破棄問題が殿下の廃嫡問題に発展したことを強調し、ディアナの機転で丸く収まったと、侯爵はやや事実とは違う言い方をした。それはおそらく、「二度と引っ掻き回してくれるなよ」と云う、レベッカへの牽制だろうとディアナは判断した。
国王は学園祭での騒動自体には、一度も触れなかった。そこに全く興味がなかったか、ディアナについた称号『勇者(仮)』が強烈過ぎて追及するのを失念したかのどちらかだ。もし、国王がレベッカが起こした騒動に不快感を示したならば、今頃二人はここにはいないだろう。
「ご、ごめんなさい。そんな事になるなんて、思ってなくて…」
レベッカは真っ青になって、目を潤ませた。
「ま、君にはお咎めが無い様にとり計らっておいたから…」
と言いかけた侯爵をディアナが止めた。
「本当に悪いことをしたと思っているのなら、私と一緒に冒険者にならない?」
「は?」
「実はさ…」
と、「国王の執務の手伝いとして」冒険者を装いながら各地の実態調査をするんだと言う話をした。
「ディアナ様のお役に立てるのなら、遠慮なく使ってやってください!」
返事をしたのは、バートン男爵だった。
レベッカは、「私、聖女候補なのに…」とブツブツ言っていたが、男爵に叱られて渋々承諾した。
その翌日、ディアナはレベッカを連れて国王に謁見した。
「丁度良かった。ディアナに使いを出すところだったのだ」
「何かありましたか?」
「軍務卿や魔道師団長らが、お前から話を聞きたがっているのだ。このあと、頼めるか?」
「はい、大丈夫です」
「良かった。で、そちらは…」
チラッとレベッカを見た。レベッカはガチガチに固まって震えていた。レベッカが聖女にでもならなければ、会話すらできないハズの国王を前にして、こうなるのも無理もない。自己紹介を促すが、声が出ない様子だ。
「彼女が聖女候補の、レベッカ・バートン男爵令嬢です」
「あぁ、あの学園祭の騒ぎを起こした生徒か…私は、顔も見たくないがな」
おや?結構辛辣?
というか、気にはしていたんだなと思うと、少し面白く思えた。
「陛下、そのことはもう…」
「で、その男爵令嬢が何か?」
「私の冒険者パーティに彼女を参加させたいのです」
「なぜ?」と国王から問われた。
レベッカが転生者で、称号に『聖女候補』がついていること。魔力量が既に2万超えであること。レベルはまだ低いが光魔法と回復魔法が同時に発現していることから、間違いなく浄化魔法を発現させるだろうことを説明した。
「学園での訓練では、熟練度やレベルを上げ難いのです。冒険者となって経験を積むことで、彼女を立派な聖女に育ててお返ししたいと存じます」
「解った。ディアナの好きにせよ!レベッカとやら、ディアナの邪魔だけはするなよ?」
「は、はいっ!!」
レベッカは、震えながら返事をした。
▼レベッカが仲間に加わった!
【名前】レベッカ・バートン
【種族】人間
【年齢】16歳
【性別】女性
【職業】魔道士Lv.1
【称号】聖女候補 転生者
【体力】500
【魔力】21500
【攻撃力】5/100
【防御力】5/100
【魔術】Lv.1/100
【魔法】光Lv.1 回復Lv.1
【スキル】鑑定




