第178話 携帯電話
ディアナは、携帯電話の製作に取り掛かった。
まず、創造スキルを使い、前世で使用していたスマホを2台作った。
そして、その内の1台を解体しメモリー部分とバッテリー部分を無属性の魔力を充填した極小の魔石に入れ替えてみた。問題なく作動した。しかも、極小魔石のメモリーが5TBもある事に驚いた。
PC化してしまった鑑定具と用意した専用ホストAIと繋いでスマホのプログラムを呼び出し、専用のホストAIを介して使用できる様に、回路図とプログラムに改良を加えた。
電話番号を取り敢えず『国番号−領地番号−○○○○』で統一し、鑑定具を使い回路図に書き足した。
スキルのコピーを使い台数を増やし、それぞれ違う番号のサンプル5個を作り、ベアトリーチェ、沙織、ディアナ、グラディウス侯爵、ルッツの5人でテストした。
王都に2台、イオニアに1台、ルッツは各地を移動しながら1台使い、ディアナが持つ1台はダンジョンやダンジョンホテルで使ってみた。
ダンジョン内では使えなかったが、ホテルでは問題なく使え、通話自体はかなり良好で、メールや画像及び動画の送受信も問題なく出来た。
「前世の回線状況より良くないか?」
バッテリーの減りについては、極小粒の魔石使用で1日に30分程度の会話を続けて、約1週間で使い切る状態となった。
「バッテリー用の魔石の入れ替えをスロットローディング式に出来ないかな?」
ベアトリーチェの意見を取り入れ、再度デザインとバッテリー接続、メモリー用魔石の接続箇所を改良した。
そしてついに、出来上がった携帯電話機。
「で、出来た!」
再び一週間に渡るテストを問題なく終了させた。
サンプルに仕様書と取説を付けて、侯爵に提出した。
「これを普及させたいのか?」
「いえ、元々はアーダルベルト陛下と簡単に連絡を取れればと思い作ったものなので、商会内だけで充分かなと思います。あちこちに移動する商会のバイヤーさんには便利でしょ?」
電話番号は鑑定具と専用のホストAIで後付する為、無番号の物を1万台作り、バッテリーに必要な無属性の魔力を注入した極小の魔石も100万個用意した。
その内の1台に適当な番号を振り分けホストAIに登録し、ディアナとベアトリーチェの電話番号を記憶させ、アーダルベルトに手渡した。
「出来たんだな?」
「前世のスマホを鑑定具を使って改良したものですけどね。他に連絡が取れればいいな?と思う相手が居れば、一報くだされば…」
「ガイウス殿だな。万が一に備えて、連絡は密にしておきたい」
「解りました。では1台をルーキウス国王に渡して、そちらの番号を伝えておきますね」
アーダルベルトの電話番号を登録した携帯電話を1台用意し、バッテリー用の極小の魔石10個と共に国王陛下に献上した。その場で、アーダルベルトに電話してもらい、会話をしてもらう事でデモプレイとし、その他の機能も説明した。
「ベアトリーチェとディアナは、番号交換はしてくれないのか?」
結果的に、ベアトリーチェだけが国王と番号交換をした。
「ディアナは良かったの?」
「うん…声聞きたさに、毎晩電話してしまいそうだから…」
「そっか…」
携帯電話は、商会の支部長及び副支部長とバイヤーを中心に、離れた子会社や工房長にも配布が決定した。
都合、千台の注文があり、全てディアナの収入となった。
商会本部に専門部署を作ってもらい、番号の割り振り方と入力方法をレクチャーしながら、仕様書一式と残りの携帯電話本体は取説を付け、小箱に予備の極小魔石5個を1セットとし保管してもらい、もし量産する事になってもすぐに対応出来る様にした。




