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第11話 提案があります

 ミレーネ王妃の豪快な笑いはしばらく続いた。


 「私は、ディアナと同じ思いよ。一発どころか、立てなくなる位に殴ってやりたい」


 たおやかで美しいと評判の王妃だったが、どうやら我慢の限界がきたらしい。

 王妃は、「廃嫡・追放するくらいなら、ベアトリーチェを連れて実家に帰る」と言い出した。

 

 ミレーネは、ルーキウス王国の南側にある小国群のひとつ、ストラトス王国の第2王女である。ルーキウス王立学園留学中にアンドレア(現ガイウス・オブ・ルーキウス)と出会う。使える魔法は支援魔法のみだが魔力量が高い上に、非常に珍しい「神の目」というスキルを持っていた。

 「神の目」とは、目の前にいる人物の全てを見透せるスキルで、「嘘か嘘でないか」から、その人の近々の行動まで見ることができるらしい。

 既に王太子に冊封されていたアンドレアが妻にするにはうってつけの相手だった。すぐに婚姻の申し入れをし、2か月後には婚約披露をし結婚に至った。


 「あなたに、私への愛情なんて求めてない。小国群の第2王女なんて、どうせ政略結婚の道具でしか無いと思っていたから。でもね?4人の子供たちは、あなたの血をひいてるの。父親としての愛情を示してほしかったのよ!」


 居た堪れなさを感じたディアナは父親の顔を見上げぼそっと「私達、帰った方が良くない?」と言ってみたが、出て行くタイミングも測れず、二人で苦笑いした。


 「すまない。だが、ベアトリーチェは罰を受けねばならん。もう、王女として城においておく事もできん」

 「だから、私が実家に連れて帰りますってば!!」

 「あの〜、お話が白熱しているところを申し訳ないのですが、ひとつ提案があります」


 ディアナが、手を上げた。その場にいた全員が振り返りディアナを見る。


 「陛下はベアを王女として城に置いておけないと。片や王妃様は、愛しい娘を廃嫡した上追放なんてもっての外だと…。ならば、養女として出すのはいかがでしょうか?」

 「「「あっ!?」」」 


 誰もその辺りは考えてなかったようである。おそらく、前例がないのだと思われる。それに真っ先に反応したのが、グラディウス侯爵だった。


 「そうか!グラディウス家に来ていただいても構いませんよ。王都の屋敷ならば王妃様にもすぐ会いに行けますし、ディアナとも仲がいいから安心でしょうし」

 「そうか、その手があったか…」

 「そうねぇ、ディアナがゼノンと結婚すれば、どうせ義理の姉妹になるのだし?」


 ディアナは父親がベアトリーチェを「受け入れる」と言うとは思っていなかったので、少々驚いた。

 

 「もうひとつ案があります。それはオクタヴィア大公の養女となることです。ベアがウチに来てくれるのは嬉しいけど、ウチに来るには降格しなければなりません。一方、オクタヴィア大公の元ならば、王族であるので養女と言えど位階・品格は保てます。ベアも大公夫妻には心を開いているようですし、子宝に恵まれない夫妻にとっても喜ばしい話ではないかと思うのですが…」

 「お前、よく考えつくもんだな。ミレーネ、どう思う?」

 「えぇ、体面も保てるいい方法ではありますねぇ」

 「さっそく、手続きに入るか」

 「お待ち下さい、陛下!」

 「ん?」

 「王命ではなく、ベアに選ばせて欲しいのです。ベアにとって陛下とミレーネ様は大切な両親です。『王命』をつきつけられれば、ベアは両親から捨てられたと感じてしまうでしょう。それは、お互いに悲しい事です。だから、オクタヴィア家かグラディウス家かを、ベア自身に選ばせて下さい。大事なのはベアが『自らの意思で選択し、養女になる』と云うことだと思うのです」

 「わかった。クレイトス、大公を呼んでくれ」

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