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第102話 置いて行かないでね?

 小腹がすいたのでカフェに立ち寄り、軽食をとる事にした。


 「ディアナ、これからどうするの?」

 「ん?ローザリアに行こうと思ってるけど?」

 「行方不明者を探しにか?」


 ルイスが横槍を入れた。


 「いや、だからそれは政府がやらなければならない事だろう?」

 

 筋としては、ルイスが言っている事が正しいのだろう。だが、政府が動けばローザリア国を過剰に刺激しかねない。刺激した挙げ句に、対象者の命を奪われたら元も子もない。だから、穏便に済ませるように単身で乗り込み、お金で解決したいと考えているとディアナは答えた。


 「それ、私もついていきますわ」

 「ベアトリーチェ…」

 「もう、置いて行かないでね?」

 「わかった」


 ローザリアには翌朝出発の予定を立て、今日はミハイルとルイスをクリエに送りがてら、あちこちの道を繋げる事にした。


 「昨日預かった金だが」


 侯爵は一人当たり一ヶ月の給料分位あればいいだろうと、金貨千枚を50等分し、内40人分をミハイルに手渡した。


 「こんなに貰えるんだったら、あいつら凄く喜ぶだろうな」

 「あ、シーバ達の分を忘れてた」


 ディアナは袋から、ルイス、タジル、シーバの分を取り出しルイスに手渡した。

 まず、転移魔法でバーゼルに飛び、騎士団詰所と王城の騎士団訓練場を繋げた。完了後、直ぐに交代要員を手配してくれたので、借りた人員を回収し特別報酬を手渡して、各方面に送り届けた。そして、クリエの兵士訓練場と各騎士団詰所や王城訓練場も繋げた。


 「ミハイル兄さん、自宅はどうする?」

 「自宅は、兵士訓練場と砦だけ繋げてくれ。緊急時には商会の道を使わせてもらおう」

 「わかった」

 

 正直、道をあちこちに繋げ過ぎて、判らなくなってきていた。もうこのあたりで止めておかないとな…とも、ディアナは思い始めていた。

 時間がかかり過ぎる馬車での移動をなんとか改善出来ないだろうか?


 「あ〜そう言えば、中野さんや山口さんの事も考えなきゃ…ん?バスだ、バス!バスを作ればいいんだ」


 映像で観光バスを呼び出し、図面と一緒に印刷した。図面を広げて読み始める。


 「あ、エンジンはこのままで行けるんじゃないか?ガソリンは魔石で代用すれば、かなりエコ?」


 本体を作るのはローザリアから戻ってからにした。本当は思いついたそばから宮島鉄工所に試作を依頼したかったのだが、例のステンレスボトルが大好評で、北国のヴェッテルン王国や砂漠地帯のメディナ王国から一万本を超える注文も入っていると聞いた。そんな中、忙しそうなエルに「バスを作れ!」とは、さすがのディアナも口に出せなかった。

 グラディウス商会王都支部の開いた土地で試しに、創造スキルを使って「観光バス」をイメージしてみた。


 「出来るワケないよねぇ〜」


 仕方なくコピーした図面を見ながら、必要な資材を集めるために積算作業をする事にした。

 その時、体からごっそりと魔力が奪われ、ディアナはガックリと膝をついてへたり込んだ。

 そして、ドン!と云う音と振動が響き、ディアナの目の前に懐かしい鉄の塊が現れた。


 「あ、やっちゃった…」


 音と振動に驚いた職員が次々に建物から出て来て、なんだなんだと騒ぎになっていた。


 「あ、バスだ!!」


 中野の声がした。中野はディアナに駆け寄り「わざわざ、作ってくれたのですか?」と声をかけるが、ディアナは返事が出来ずにいた。


 「ご、ごめん。魔力切れだ…」


 ディアナは、そのまま気を失った。



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