第101話 ペリドット
「あ、あの結婚指輪を…」
ルイスがデカイ図体をもじもじさせ言った。
「え、そうなの?おめでとうルイス!」
「ありがとう」
マリアンヌは、ルイスと何気ない会話をしながら、結婚指輪のデザインや石をどれにするかリサーチしている様だった。
「お二人とも8月生まれと云う事ならば、少し小さめですがこちらの石はいかがでしょう?」
鮮やかなグリーン色の透明感のある石を回路図付きのトレイに乗せて出してきた。
「8月の誕生石・ペリドットで夫婦愛や平和、和合という意味を持つ石です」
「綺麗だなあ。二人とも緑色は好きなのでこれにしようかな」
「この石は別名太陽の石と呼ばれています」
「この色で?」
「ええ、不思議ですよね?この石はたくさんのエネルギーを秘めた石なのでそう呼ばれているのです。手に持って少し魔力を流してみて下さい」
ルイスが指先でトレイごとつまみ上げ、反対側の手の平に乗せるとルイスの体ごとキラキラ光だし、しばらくすると落ち着いた。
ディアナは、鑑定をルイスにかけてみた。
「ルイス、防御力50%上がってる!」
「本当か!?決めた!これにする!」
台座のデザインは、剣術の邪魔にならないように、石を埋め込むデザインにし、素材は銀を使ってマリアンヌの錬金術で作られた。
「サイズ変更などありましたら、無料で対応させて頂きますのでお気軽にどうぞ」
プチ・ビジューを出たあともホクホク顔のルイス。それに反して苦虫を潰したような表情のミハイル。
「エレイン姉さんへのお土産はどうするの?」
「それがなあ…料理にいい包丁が欲しいと言っとるんだ」
「あ〜それなら、ギルドの解体場の人達がオススメする店があるよ」
ラルフの装備屋に案内した。
「武器屋じゃねえか?」
「まあ、そうなんだけどさ。」
「こんにちわ〜」と元気よく店に入ると、女将のラナが出迎えてくれた。
「あら嬢ちゃん!50メートル級のグリーンアナコンダを倒したんだってね。驚いたよ!」
「ラルフさんに作ってもらった剣のおかげですよ」
「役に立てたなら良かったよ」
「今日は包丁を見せて下さい」
「あいよ」
カウンター裏の小部屋に案内された。そこには、大きいものから果物ナイフ位のサイズまでのものが、所狭しと並んでいた。
「ミハイル兄さん包丁見てて。私は剣の調整してもらってくる」
廊下を抜け、音がする鍛冶場に入ると、ラルフが窯に火入れをしているところだった。
「ラルフさん、お久しぶりです」
「よお、ディアナか。グリーンアナコンダの話はきいた。よくやった!」
「おかげさまで」
「剣の調整しとくか?」
「はい、お願いします」
剣の調整をしてもらいながら、世間話など交わした。
「最近、王城のお貴族様達といざこざがあったようだが、大丈夫なのか?」
「ご心配おかけしました。多分大丈夫です。バシッ!とカタをつけましたから」
「そうか。なら安心して街を歩けるようになったんだな」
「そういえば、ラルフさんは弟子は取らないの?」
「息子二人と娘一人が跡を継いでくれるそうだが、一人くらいは独立させてやってもいいかな?と思ってるよ」
「3人共に鍛冶を?」
「そうなんだよ。俺は幸せ者だ」
剣の調整が終わった頃、丁度ミハイルの包丁選びも終わったようで、3本の包丁を包んでもらっていた。
「もし握り手が合わないようだったら調整もできるから、その時は奥さんも連れておいで」
と、夫婦で見送りをしてくれた。
「あー!やっと見つけた!何ふらふらしてんのよ〜」
ベアトリーチェが走り寄り、ディアナに腹パンを一発お見舞いした。
「ぐふっ…痛いよ、ベア…」




