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政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います  作者: 結城芙由奈@コミカライズ連載中


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7-1 拉致される私

 18時―


コンコン


部屋のドアがノックされた。


「はい。」


カチャリとドアを開けると、そこには見知らぬフットマンの男性が立っていた。


「ランス皇子の使いで参りました。皇子がお待ちですのでこれよりお部屋にご案内致します。」


「そう?どうも有難う。」


私は笑みを浮かべるとパタンと部屋のドアを閉め、フットマンの後に着いて行った。


 コツコツと靴音を鳴らし渡り廊下を歩きながら空を眺めた。夜空には大きな満月が輝いている。それにしても・・何故ミラージュは未だに私の処へ戻って来ないのだろう。アレックス皇子にはミラージュを私の元に戻すように話したと言うのに。

そして溜息をつくと、前を歩いていたフットマンが私を振り返った。


「・・・どうかされましたか?レベッカ皇女。」


「いえ。何でも無いわ。でも・・それにしても随分遠くない?もうかなり歩いていると思うのだけど・・・。」


そう、かれこれ私はフットマンに連れられて5分以上は歩いている。渡り廊下に出た時も・・え?と思ったが、今では完全に城の外に出ているのだから。


「ひょっとして、夜の庭で食事でもするのかしら?」


前を歩くフットマンに尋ねても彼は先程から口を利かずにただ黙々と歩き続けている。しかもよく見ると身体が小刻みに震えている。いつの間にか私は噴水がある中庭迄やって来ていた。


「あの~・・」


私が声を掛けた時・・。


「こ、こちらでお待ち下さいっ!」


フットマンは振り返ると逃げるように走り去って行った。


「ええ~・・・何なのよ・・・。」


辺りを見渡しても誰もいない。綺麗に刈り込まれた緑の芝生の中央に置かれた大きな噴水は綺麗に水を噴き上げ、月明かりに照らされてキラキラと輝いている。


「まあ・・・いいか・・。庭は綺麗だし・・お待ちくださいって言われてるんだから待ってればいいんだよね?」


ちょうど背後にはおあつらえ向きにベンチがあったので、私はそこに腰を下ろすと噴水をぼんやり眺めていた。その時・・・。


ガサッ!!


背後で大きな物音が聞こえた瞬間―


ボスッ!


突然私の視界が遮られた・・・と言うか、大きな布袋が頭から被せられたのだ。


「キャアアッ?!な、何っ?!」


驚いて大きな声を出した途端、袋の上からロープでぐるぐる巻きにされてしまう。


「ちょ、ちょっとっ!私をどうするつもりよっ?!」


袋の中で暴れるも被せられた袋ごと縛られているので身動きが取れない。そしてそのまま持ち上げられ、台のようなものの上に転がされた。


ドスンッ!


「い!痛いってばっ!もっと丁寧に扱ってよっ!」


しかし何も返事は反って来ない。・・・これは恐らく自分たちの声を聞かせないようにしているのかもしれない。


そして床が大きく傾いた。


「キャッ!」


芋虫のように縛られた状態の私は傾いた台の上でゴロンと転がってしまった。そしてガラガラと車輪の音が聞こえ始め、振動が響き渡って来た。・・・成程、どうやら私はどこかへ運ばれているらしい。

身動きも取れない、相手は何人いるかもわからない、そうとなれば・・。

仕方ない、ここはもう抵抗をやめて成り行きに任せよう・・。



****


 ガラガラガラガラ・・・


相変わらず台車は揺れていたが・・突如動きを止めて、再び床が大きく傾く。


「キャッ!」


またしてもゴロンと床の上で転がったところで、頭上で声が聞こえた。


「・・・本当に間違いなく連れてきたんでしょうね?」


うん・・?その声は・・・?


「は、はい。勿論ですよ」


「言われた場所に座っていたんですから。」


他の2人は聞いたことが無い声だ。


「なら、確認するから袋の中を見せて頂戴。」


やっぱり、この声は・・間違い無い。


「分かりました・・・。今お見せします・・。」


そして突然頭上の袋がビリッ!と破かれ、私の視界はクリアになった。見上げた空には大きな満月。そして近くでは何やらザアザアと水の流れる音が聞こえる。


「あら・・・間違い無いわね。」


頭上で声が聞こえたので、私は転がったまま顔を上に向けた。


「リーゼロッテ・・・・。」


月を背にしてフード付きのマントを羽織り、彼女はそこに立っていた―。







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