約束のガールズナイト
あたしとダァ(ダーリンつまり旦那のこと)の馴れ初めは、友人の結婚披露宴です!
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あたし達行きつけの焼き鳥屋は、今日も満員。店全体には薄っすらと煙が立ち込めていて少しけむたい。
「ねぇ〜〜、どっかにいい男転がってない〜?」
誰かがお決まりのセリフを言う。
「転がってたら、私が拾う。わざわざあんたなんかに譲らないわよ〜」
誰かが返す。これもいつも通り。
座敷のテーブルには砂肝やネギマやぼんじり、大根とジャコのサラダ、もつ鍋に唐揚げにピザ、それに五杯の色とりどりのアルコールが並んでる。
テーブルを囲みアルコールをかっくらう女達、つまりユッコ、ヨシエ、カナ、サナエ、そしてあたしリョウコは仲良し五人グループ。二十七歳、適齢期真っ只中だけどまだ皆んな独身で、彼氏絶賛大募集中だ。
「出会いがなさ過ぎなのよ〜。うちの職場、女ばっかだし」
カナが唐揚げを手づかみで取りながら愚痴る。
「私のとこは男と女半々だけど、ほとんど既婚者。絶望」
カロリーを気にしているサナエが、サラダのほとんどを自分の取り皿に取り込み、続く。
「わたしの周りは独身もいるけど、なんかひ弱な感じで圏外なのよねぇ」
ヨシエは男になかなか厳しい。チーズ大盛りトマトピザを豪快に噛みちぎってる。
「あたしのトコは爺さんしかいない!!」
あたしはハイボールのグラスをダン! とテーブルに打ち付けた。
あたし達のだいたいの会話は既にパターン化されていて、要は似た者同士、傷の舐め合いが目的なのだ。美味しいものを食べてお酒を飲んで愚痴を吐く。ビバ、定例女子会!
「もうさ、このまま皆んな結婚せずに、将来シェアハウスで暮らそうよ〜!」
もつ鍋の汁をすすってユッコが息巻いた。
「いいね、それ! ウチらに男なんて必要無い!!」
「皆んなで仲良く暮らしましょ!」
「料理当番とか決めてさ、賑やかな食卓! 丁寧な暮らし!」
「家庭菜園でカイワレ大根とか育てよう!」
「決定ね!!」
「「「「「あたし達、ズッ友だよ!!!」」」」」
コンコン、とグラスがぶつかり合い、飛沫が散り、夜は更けていく。