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幼馴染にフラれた俺に明るくて可愛い委員長が全速力で突っ込んでくる  作者: 蓬田 新九郎
1章 君と紫陽花のつゆに触れて
14/17

7発目

なんか結局2話に分かれそう。

次の日の朝、俺は今日も早めに家を出ることにした。


正直眠いが、あいつらと一緒に登校する気にはならない。


改札を抜け、電車に揺られ、再び改札を抜ければそこは花見台であった。


なんかもう疲労のあまりどこをどう歩いたか覚えてないことってない?ない。そうですか。俺だけですか。


校門を入り、下駄箱を抜け、教室のドアを開けうわぁぁぁぁ!「とーもーやーっ!」閉めた「ぶっ!むぎゅっ……」。


だってなんか前から飛んできてたんだもん。俺悪くない。


再びドアを開けると案の定ドアに突き刺さって突き破れなかったであろう梨沙がいた。


「いたたた…顔から…!顔から行ったんだけど!女の子が顔から行ったんだよ!受け止めてよ!」


「どこに顔から男子に突っ込んでいく美少女がいるなんて想像できる奴がいるんだよ…マジでビビったわ…。」


「ビビったなんて酷い!そうだよ!こんなに美少女なんだから受け止め……?び、美少女…?」


「おう。梨沙は美少女だろ。世間一般的に見ても。」


「えへ。えへへへ……。そっかあ。私智哉から見て美少女なんだあ。どうする?結婚しちゃう?」

なんかすごい話が飛んだ気がする。


「まだ結婚出来る年齢じゃないだろ。」

そう言って軽く梨沙の頭をぽんと叩く。


「あぅ…智哉が私の頭はたいた!でぃーぶいだ!謝罪代わりに私の頭撫でてよ!」


「付き合ってもない男に軽々しく頭を撫でさせるんじゃありません!」


「智哉だからだよ!ね、早く早く!みんな来ちゃうよ!」


「まあいつも学級委員でお世話になってるのもあるし、たまにはいいか……。」

そういうと俺はゆっくりと梨沙の髪を撫でていく。梨沙は目を閉じて気持ち良さそうに頬を緩めている。


「ほい終わり。もう、俺じゃなかったら勘違いするんだから、気を付けろよ。」


「智哉なら、勘違いしてもいいんだよ?」


「えっ?」

そう言った梨沙の瞳は何故だか潤んでいる気がして。


「むしろ勘違いして欲しいんだけど!勘違いしてよ!」

なんだその要求は。でも可愛い。


「まあ…気が向いたら勘違いするわ。」


「うん!勘違いして!待ってる!」

朝から謎の会話をする学級委員2名。


それからしばらくして、クラスメイト達も続々と登校してきた。

今日は幸いなことに彩香と輝樹の朝の襲撃は無かった。

挨拶はされたから「うっす」と適当に返しておいた。


毎週火曜2限の美術では今回から「異性の絵を描く」みたいな授業が始まってしまった。

今までだったら彩香に頼んだかもしれないが、今日はそうはいかない。

誰に声をかけようか周りを見渡していると、キラキラした目でこちらを見ている梨沙と目があった。

周りの男子に声をかけられているのに気づかないようで、ただひたすらにこちらを仲間になりたそうに見ている。


仕方ないので、こちらから声をかけることにした。


「あー…そのなんだ。梨沙、俺と組むか?」


「うんっ!その言葉を待ってた!もう…遅いよ〜!」


そう言ってぴょこぴょこと俺の手を取って隣り合った席に俺を誘導する。


梨沙に声をかけていた男子達からは「ちっ…リア充が」とか「前嶋さん小早川と付き合ってたんだ…。」とか「バカップル!爆散!」とか聞こえてくるが、現状正しい情報が無いのでスルーする。梨沙も気にしてないみたいだしな。


「可愛く描いてね?私も智哉のこと良く見て描くから!」

そういうと梨沙は俺の方を笑顔でじーっと見る。


「お、おう。」

じーっ


じーっ


じーっ


「大丈夫か?目、乾燥しないか…?」

心配になった。


「えっ⁉︎そこ…⁉︎ま、まあ大丈夫だよ!」

どうやらもっとかけてほしい言葉があったらしい。

うーん……。そうだな。


「梨沙は可愛いから描きがいがあるけど、目とか姿勢とか無理はしなくていいからな。」


「可愛いって…ありがとう!でも大丈夫!1年ずっとこれでも!」

俺が駄目になっちゃうよ。


「そう言えば梨沙」


「ん、なぁに?」


「みやまえんのチケット貰ったんだけど良かったら」

あげようか、と言おうと思ったら


「行く!智哉と一緒なら絶対に行くよ!いつにする⁉︎いつにする⁉︎」

一緒に行くことになってました。だが俺も行きたかったしちょうどいいか。


「おう、食い気味なOKありがとう。でさ、梨沙さえ良ければ4枚あるからあと2人連れてこれるんだけど、どうする?」


「うーん……。ねね…それってさ。2人で2回行くんじゃ、駄目かな?」

梨沙の上目遣いのおねだりを断れる生物がこの世にいるのだろうか。いやいない。なんなら幽霊やティラノサウルスも断れない。


「わかった。じゃ夏と冬、でいいか。」


「うん!そうしよう!」


夏休みと冬休みの予定が決定しました。


そんなこんなで他は眠くてあまり記憶に残らない午前の授業は終わって昼休み。


梨沙は友達と食べるようなので一緒にというわけには行かなかったが、彩香や輝樹は屋上に行ったので安心して同じ教室で昼飯を食べていた時だった。


「藤波彩香ちゃんはいるかな?ボクの愛のメッセージに返信してくれなくて心配で…。」

生徒会長の財前(ざいぜん)兼相(かねすけ)がやってきた。



ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 梨沙が、一途で積極的なところ [気になる点] 腐れ縁の幼馴染のために、一方的に面倒に巻き込まれそうなところ [一言] 続きを楽しみにしています。
[良い点] 梨沙がかわいい点 [気になる点] いつ2人はくっつくのかな? [一言] これからも頑張って下さい
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