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12/17

その日の夜に

ちょっと間隔開きましたが複数人の視点です。 

忙しくて頭ごっちゃごちゃなのでもし訂正することがあれば後日直すかもしれないです。

〈智哉〉


彩香が帰った後、夕食や風呂を済ませた俺は今日のことについて考えていた。


まずは梨沙のこと。梨沙と高校以前に会ったことがある……今までは全く気づかなかったことだ。

高校で出会った訳ではないのであれば距離が近いのもなんとなくわかる。近すぎるけど。飛んでくるし。


それと彩香のことも少し気になる。今となっては距離を取りたい相手だが、話を聞く限り美化委員会委員長や生徒会長は彼氏がいる女にも平気で言い寄る男だ。

あれだけで済めばいいが。


あとは…今度の休みに梨沙に俺の地元である百本松を案内するんだった。


「なんも大したもんないんだよなあ……。」


智哉は大した観光地も無ければ、特にヘンテコスポットも無い地元をどのように梨沙に案内するか考えていた。

どこかのタイミングで川沿いを歩いて、梨沙に探りを入れてみるのもいいかもしれない。

しばらくうんうんと唸っている内に、母親の友恵が帰ってきた。


「ただいま〜」


「おかえりなさい。今日もお疲れ様。」


智哉の家庭は両親共働きである。

その為夕食の調理・調達や風呂掃除、洗濯は智哉の仕事だ。


「あ、そうそう智哉。今年末に閉園するみやまえんの1日乗り物乗り放題チケット貰ったんだけどいる?4枚もあるんだけど。」


「みやまえん」は電車で20分程度のところにある歴史ある遊園地だ。


春は桜、夏はプールや花火、秋は紅葉、冬はイルミネーションと四季折々のイベントや草木の彩りが楽しめる。


だが、この度施設の老朽化や、土地の利用方法の見直しなどにより閉園することになってしまった。


「うーん。行くか分からないけど貰っとく。いつまで?」


「12月31日まで…閉園当日までは使えるみたいよ。彩香ちゃんと行ってきたら?」

ニヤニヤしながら言ってくる。


「ふーん。ありがと。でも1個訂正。彩香、彼氏出来たからな。俺と一緒に行ったら浮気になっちまう。」


「あら…そうなの……。」


母は完全に俺と彩香が付き合っていると勘違いしていたらしい。

ずっと一緒にいたもんな…。そう考えると仕方のない勘違いか。

それにしても4枚か。誰と行こうかな…。うな太郎は猫だから入場出来ないし……。1人で4回行くのもありか。

忘れないうちに行くなら夏休みだろう。


夏休みに思いを馳せながら眠りにつく6月の夜。




〈梨沙〉


「智哉とあーんしちゃったぁぁぁ!それも何度も…。えへへ……。」


ごろんごろんと部屋中を転がりまくる私。

今日のことを思い出すとにやけがとまらない。

だがあることを思い出しぴたっと止まる。


「智哉、私のこと覚えてくれてなかったな……。」

正直そこはかなり悲しかった。

私は「あの時」からずっと覚えていたのに。ずっと忘れられなかったのに。


「うぅー…。私だけずっと智哉のこと考えてたみたいじゃんか!なんか悔しい!」


だが、落ち込んでばかりもいられない。

もう彩ちゃんに遠慮する必要は無いんだ。

明日からも思いっきりアプローチして行こう。


「ぜーったい!思い出させてやる!それで、ゆくゆくは智哉と…えへへ…。」


また部屋中を転がり(ごちん)「いったぁぁぁぁ⁉︎」ありとあらゆるものにぶつかってしまう私だった。




〈彩香〉


智哉の家から帰った私は、家の前に誰かが立っているのを見た。

「誰か」というのは暗闇故にその顔がはっきり見えなかったからだ。

だが体つきからするとおそらく男であることは容易に予想できた。


その「誰か」は私を見ると急いで立ち去っていった。


恐怖。その2文字だった。


あまりに恐ろしかったので飛び込むように家に入り、両親にそのことを伝えた。


父が周りの様子を確認しに行ったがどうやら怪しい人物はいなかったようですぐに戻ってきた。


「誰もいなかったが、用心するに越したことはない。父さん今日はリビングにいるから、何かあったらすぐ言いなさい。」


今夜は眠れそうになかった。

気持ちを紛らわせる為に輝樹くんにメッセージを送る。


『家の前に怪しい男がいました。怖いです。』


するとすぐに返信が来た。


『大丈夫?僕が彩香の家に行こうか?』


優しい。流石輝樹くんだ。

でも流石に悪いのでお礼と断りを入れる。


『ありがとうございます。父がリビングにいてくれるので大丈夫です』


『わかった。気をつけて。』


菊池輝樹くん。私が初めて異性として意識した人。


幼馴染の智哉くんだって男の子ではあるが、異性として意識したことはなかった。

智哉くんはどちらかというと…なんでも相談できるお兄ちゃんであり、目を離せない弟のようでもあり。

とにかく異性としてではなく家族として見ていた。

そんな時に出会ったのが輝樹くんだ。

彼はずっと私に優しくしてくれた。それまで「恋」を知らなかった私に教えてくれた。


だからこそ、私は彼に相応しい女性にならなければならない。

ありがとうございました。


そして!

週別ユニークユーザとやらを見たら1万6千人⁉︎

それだけ多くの方に見ていただけたと考えると本当に嬉しいです。

また、ブックマーク・評価等もたくさんの方本当にありがとうございます。

今後も含め普段はあまり話題に出しませんが本当に嬉しいです。


趣味全開の今作ですがのんびり最後までやっていきたいと考えております。


新型コロナウイルスの感染の再拡大が始まっているように思いますが、皆様お身体にはお気をつけて。


それでは。


蓬田 新九郎

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― 新着の感想 ―
[良い点] 色々な人物の視点で書いているところ [一言] みやまえんw このモデル(と〇まえん)ももう閉まる…。 一度は行ってみたかったものだ(行った経験皆無) 面白い作品、ありがとうございます!
[一言] 幼馴染ヘイトが溜まる 早く梨沙とくっついて欲しいなぁ
[良い点] 梨沙が一途なところ。 [気になる点] 彩香が今彼とうまく行かなくなり、主人公にアプローチしてくるという展開はあるのかどうか。恋愛感情が生じないなら、主人公にとっては、古傷をえぐり、新たな恋…
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