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土用の丑の日記念番外編・うな太郎の冒険

うなぎ好きです。(本編は6月ですが、こちらは我々の世界と同じ7月21日の話になります。)

うな太郎のキモチ。

ボクはネコ。


名前は…多分ある。


同居人の「トモヤ」はボクのことを「ウナタロウ」と呼ぶ。


つまりボクの名前は「ウナタロウ」なのだと思う。

以前トモヤが誰かと話している時に聞いた限りではボクは「ウナギノカバヤキ」に似ているらしい。

さて、今日はいい天気だし、散歩にでも出かけようか。


トモヤの家を出て、とりあえずニンゲンが作った道をのんびりと川に向かって歩く。


この街にはおっきな川が流れていて、どこまでもずっと続いているんだ。


川に向かう途中、なんだか香ばしい香りがしてきた。


なんだか旗が掲げられていて、「鰻」と書いてある。

読めなかったが、また別の旗には「うなぎ」と書いてあった。下にはなんだかニョロニョロした生き物のイラスト。


よくわからないが、今日ニンゲンはこのニョロニョロした生き物で盛り上がっているらしい。


「さかな」に似ている気がするので、もしかしたら川に行けば捕まえられるかもしれない。


もしうなぎ捕まえて持って帰ったらトモヤ、褒めてくれるかな。喜んでくれるかな。

…まあ、そんなにうまく行くわけないけど。


また少し歩くと、川に着いた。

川の両側は草むらが広がったりしていて、絶好の遊び場だ。

まるで「テレビ」に映っていたジャングルみたい。


草に絡まったり、川にかかる飛び石を渡ってみたり、川にいる「さかな」を観察したり、木によじ登ってみたり。楽しいなあ。

でも「うなぎ」はいない。


そういえば、ボクがトモヤと出会ったのも川の近くだったな。

トモヤと女の子がひとりぼっちだったボクを助けてくれたんだ。

あの日からボクは、生きている限りトモヤと一緒にいるって決めた。

あの女の子元気かなあ。また会いたいなあ。

遊び終わってそんなことを考えていると、草むらが揺れて、ニョロニョロした生き物が出てきた。


なんか見た目はちょっと違うけど、これがきっと「うなぎ」に違いない。

今日はツイてる!


そう思ったボクは「うなぎ」に飛びかかり、死闘の末にこれを仕留めた。


やった!トモヤへのプレゼントができた!



意気揚々とボクは「うなぎ」を咥えて家に帰った。


すぐに見てもらいたくて玄関前でトモヤを待つこと1時間。トモヤが帰ってきた。


トモヤはボクと「うなぎ」を見るなり


「うおあああああ⁉︎」

と大きな声を出して喜んでいた。えっへん。


「うな太郎おっきいの捕まえてきたなあ。すごいぞー。さっ、おうちに入ろう。」


はーい。


これでまた少しは恩返しも出来たかな。


ボクを撫でてくれるトモヤからはトモヤの匂いだけじゃなく、なんだか懐かしい香りがした気がした。




※なお、うな太郎が仕留めた「うなぎ」こと「○ビ」は智哉が後ほど丁重に葬りました。

手を合わせている智哉を見て、うな太郎が「いただきます」と勘違いしたのはまた別の話。

ありがとうございました。


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