第十四話「特異性と完全性」
誤字脱字報告待っています
「『学園都市国家エルフェンテイン』。この国は名前の通り一つの都市を中心とした特殊な国家です。学園都市と書かれているように、都市には『アンティグルス』最大の学園『サードトス』が存在しています。学園に…
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「存在している学部は沢山あるっすんだけど、すっごく簡単におおまかで分けると、魔法関係全般の『魔法科』。剣術や体術等の『心身科』。その他を全部まとめて『混合科』っていう3つの分け方をされてるっす」
「へぇ、楽しそうですね。イメージなんですけど、魔法側と心身側は互いを忌み嫌っているみたなことはあるんですか?」
「ああそういうイメージがあるんっすね。『魔法科』と『心身科』が対立しているわけではないんですけど、例えば『魔法科』内の学部同士で対立、『心身科』の学部同士で対立、『魔法科』のある学部と『心身科』のある学部で対立みたいのは結構あるらしいっすね。サディアスさんが言っていた『魔法科』に該当される学部全てと、『心身科』に該当される学部全てが仲が悪いなんてことはないっす。寧ろ同じ『魔法科』、『心身科』の中の学科同士で犬猿の仲って場合が多いと聞いたっす」
学園という名称はあまり馴染みがないかもしれないが、意味合いとしては学校、学院とほぼ同様だ。複数の学校をまとめて学園と呼ぶ場合もある。
一般的なイメージとして、学園は学校よりも規模が大きいというのがある。複数の学校を纏めた場合は勿論のこと普通の学校よりも大きいものとなるが、『サードトス』は複数からなっていないにも関わらず、『アンティグルス』内の教育施設の中で一番の規模を誇っている。
何故一番の規模をしているのか。それはこの国が成立した背景になる。かなり有名な話なのだが、『学園都市国家エルフェンテイン』が成立する前から、名称は違えど『サードトス』の原型になった学園が存在したのだ。当時の『サードトス』は何処の国にも所属していなく、『サードトス』の有用性から国に狙われていた。そこで国として成立をすることで他国からの侵略を防ごうとしたのだ。つまり『学園都市国家エルフェンテイン』は、成立してから学園を作り上げたのではなく、学園を守るために国が出来た。『サードトス』が『学園都市国家エルフェンテイン』の核であるためここまでの規模まで成長をしたのだ。
上記の理由が根本なのは間違いないのだが、他にも需要な三つの枝が存在している。
「でこんな『サードトス』なんですが、類を見ない三つの特色が存在しているんっすよ」
八咫は右手の人差し指、中指、薬指を立てて、指で3を強調させる。
「一つ。学都以外の民も入学可能である」
「二つ。言語を理解できるのなら、どんな種族でも入学可能である」
「そして三つ。最低限の面接のみの入学試験。この三つを『サードトス』は行っているっす」
施設は最新鋭、講師は一流、学ぶことの出来る内容は最先端な『サードトス』。このようなことが行われているのならば、様々な場所から学びに来る者が表れる。在学生が増えるにつれて講師陣の増加や建物の増築も行われた。これを繰り返しているうちに、『サードトス』の規模は堂々の一位に君臨することになったのだ。
「ちょっと待ってください。規模が大きいとは聞きましたけど、そんなことをしていたら入学希望者の数が途轍もないでしょう!?それに面接だけで能力を見たりせずに選定を行うんですか!?」
当然の疑問だろう。例えゲームの世界であったとしても、俄には信じがたい話だ。
「学びたいものには門を開く。数が増えたならば比例して必要なものを供給する。私でも簡単でこんなに難しいことを可能に出来ている理由は分かりませんっす。まあでも推測をするならば…」
「…ならば?」
「…」
八咫は勿体ぶって続きを言わず、窓から街並みを眺め始める。
黒装束の美少女が雨の降った街をガラス越しに眺めているだけで絵になっているが、そんなものは今誰も求めていない。サディアスは続きを話すように促そうかと思ったが、言うことはしなかった。
それは雰囲気、いや単なる気紛れだったかもしれない。求めていないとしても、その光景を見たものに何かしらの影響が迸るかもしれないのだ。
サディアスは彼女を見て、心の奥にある何かが動いた気がしたのだ。懐かしいような、新しいような、心地よい何か無しが。
何分ほどの時が流れたのか。カフェの中で切り取られていた時間が動き出す。
八咫は息を意識して吐く。そして視線をサディアスに一度向けた後、もう一度外の景色を見る。何が言いたいのか。サディアスは八咫が何を示したのか理解出来なかったが、それは杞憂に終わる。
硝子に貼り付けられた結露を指でなぞりだす八咫。どうやら何か話描いているらしい。
「…これは?」
「知りませんか?これは八芒星。神器なんかに使われているものなんですが、完全性や再生、無限の循環を表すことがあるんっす」
八芒星。それは八つの角を持つ星型多角形だ。
言われれば見たことも聞いたこともある気がするサディアスだったが、ここで八芒星を書いた理由は分からなかった。問いを重ねようとすると、先に八咫が口を開いてきた。
「普通に考えたらわかることっすけど、こんな手にしたいと他国から思われるような施設がこうやって国になったのはあり得ないことっす。他国からの侵略に屈しない力、国と他国に認めさせるくらい強力な力。普通単なる学園がそんなに強大な力を持っている訳ないじゃないっすか」
そういうと八咫は自らが描いた八芒星の一番上に存在している角の部分を丸に塗りつぶし始めた。
「最初から『サードトス』は普通の学園じゃなかったんす。『賢者』と呼ばれたチートがいたからっす。八匹からなる彼ら彼女らを世間はこう呼んでいるっす。『八賢者』と。『八賢者』はこの模様を自分たちの象徴にしているんっす」
このことを聞いてもサディアスはピンとこなかった。このように彼女に聞いている時点でお察しだが、サディアスは最低限の中の最低限の知識しか持っていない。大抵の者なら『八賢者』という言葉の重みを知っているのだが、サディアスは『八賢者』がどんな者たちなのか知らなかった。
「この八芒星の角が八つだからこの八芒星を使っているのか、それとも他の理由があるかは私は知りません。ただ『八賢者』がどんな存在かは知っているっす」
目線をサディアス側に戻す。そして苦い顔をしながらサディアスをしっかりと見つめる。
「理の逸脱者」
う「…こんにちは」
あ「みんなー!元気にしてるー!?」
い「需要があるのかないのか分からないコーナーが始まりました」
あ「需要ありありだよ!いーちゃん!」
い「それを決めるのは貴方じゃないですよ」
う「ちなみに作者は真顔でHIPHOP聞きながらこれを書いてる」
あ「ちょっ!裏事情は要言っちゃ駄目だって!」
い「こんな話は置いといて、本題に参りましょう」
う「今話は短めになってたね」
い「キリがいいのがあのタイミングだったらしいですよ」
あ「にしても学都の内容も露呈し始めたよね!」
う「『サードトス』を重点的に話したから、他の要素まだ地中の中」
あ「地中の中?土に焼き芋でも埋まってるの?」
い「本気で言っているの?まだ面に出てない部分の情報を比喩して言っていることくらい理解してよ。本編でも比喩している部分あったでしょ?」
あ「へー」
う「馬鹿長女」
い「無駄な時間を作り出してしまいましたね。私は悲しいです…」
あ「え、悲しいの?大丈夫?」
う(あーちゃん将来詐欺に引っかかるパターンだこれ…)
い「ここまでの流れを見たらわかる通り、今回は補足ではなくて単なる雑談回です。作者の気力が持たなかったのが原因です」
う「最近ある物が欲しくなったのにどうあがいても買える値段ではないので、気持ちが落ち込んでるの」
あ「えーっと、だから編集者さん私と契約して書籍化少女になってよ!らしいです」(カンペ)
い「最近発覚したことなのですが、何故か『第八回ネット小説大賞』のキーワードを外していたことが発覚しまして、現在問い合わせのメールをしております」
う「作者も馬鹿だね。これで一次選考通らなくても文句言えないけど、モチベはなお下がることになるから、今後投稿を続けるかに影響するらしい」
あ「作品を消してやり直すのはよくないことだって理解しているらしいんだけど、このままだと一年以内に進展がないと思っているんだよね」
い「作品の出始めの頃は沢山の人の目に入るけど、今じゃ新規の閲覧者様は中々発生しないですから」
う「結局何が言いたいかというと、売れるためには色んなことをするってこと。後書籍化の打診求ム」
い「そういえば何故八咫さんは『八賢者』を教える際にあんな回りくどいことをしたのでしょうか?」
う(わざとらしい…)
あ「長くなっちゃったからここくらいまでにしよう!」
う「今回は作者の願望回でしたばーい」
い「よい一日を」
あ「バイバーイ!」




